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蔵王山で火山性微動と地殻変動 噴火警戒レベル2に
2018-01-30 05:55:02

宮城県と山形県にまたがる蔵王山で火山性微動が相次いで観測されたほか、山頂の南側が隆起する地殻変動が観測されました。気象庁は小規模な噴火が起きるおそれがあるとして午後2時38分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1から2に引き上げ、馬の背カルデラの想定火口域からおおむね1.2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。
気象庁の観測によりますと、蔵王山では28日地下の熱水や火山ガスの動きを示すと考えられる火山性微動が1回観測されたほか、30日も未明と午後2時すぎの合わせて2回観測されました。
このうち午後2時すぎの微動はおよそ13分続き、振幅はこれまでで最も大きいということです。
また蔵王山にある火口湖の御釜の南西およそ5キロにある坊平観測点では、山頂の南側が隆起する地殻変動が継続して観測されています。
このため気象庁は、今後、小規模な噴火が発生するおそれがあるとして、午後2時38分、火口周辺警報を発表し噴火警戒レベルを1から2の「火口周辺規制」に引き上げ、馬の背カルデラの想定火口域からおおむね1.2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。
蔵王山ではおととし7月から噴火警戒レベルの運用を始めていますが、レベル2になるのは初めてです。
このうち午後2時すぎの微動はおよそ13分続き、振幅はこれまでで最も大きいということです。
また蔵王山にある火口湖の御釜の南西およそ5キロにある坊平観測点では、山頂の南側が隆起する地殻変動が継続して観測されています。
このため気象庁は、今後、小規模な噴火が発生するおそれがあるとして、午後2時38分、火口周辺警報を発表し噴火警戒レベルを1から2の「火口周辺規制」に引き上げ、馬の背カルデラの想定火口域からおおむね1.2キロの範囲では噴火に伴う大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。
蔵王山ではおととし7月から噴火警戒レベルの運用を始めていますが、レベル2になるのは初めてです。
専門家「噴火による泥流にも注意」
火山噴火予知連絡会の会長で、京都大学の石原和弘名誉教授は「蔵王山はこの数年、火山性地震が増加するなど火山活動が高まっていた。今回は火山性微動の振幅が、観測された中で最大だということなので、今後、さらに地震などが増加すると、いつ噴火が発生してもおかしくない」と分析しています。
そのうえで「大きな噴石に警戒し、自治体が規制した範囲には絶対に近づかないでほしい。また、仮に、火口湖の『御釜(おかま)』で噴火すると、たまった水によって『泥流』が発生し、流れ下るおそれもある。川沿いを中心に泥流にも注意してほしい」と話していました。
そのうえで「大きな噴石に警戒し、自治体が規制した範囲には絶対に近づかないでほしい。また、仮に、火口湖の『御釜(おかま)』で噴火すると、たまった水によって『泥流』が発生し、流れ下るおそれもある。川沿いを中心に泥流にも注意してほしい」と話していました。
平成25年以降 火山活動が活発化の傾向
蔵王山は宮城県と山形県にまたがる複数の山からなる活火山で、最も高い熊野岳は標高が1841メートルあります。
蔵王山では平成25年以降、火山性地震の増加や地下のマグマや火山ガスなどの動きを示すとされる火山性微動が観測されるなど、火山活動が活発化する傾向が見られていました。
山がわずかに膨張する地殻変動も観測され、気象庁は平成27年4月に火口周辺警報を発表しましたが、その後、火山性地震が減ったことなどからおよそ2か月後に解除しました。
一方で気象庁は、蔵王山では長期的に火山活動がやや高まった状態にあるとして、「御釜」周辺の馬の背カルデラの想定火口域では突発的な火山ガスの噴出などに注意を呼びかけていました。
蔵王山では平成25年以降、火山性地震の増加や地下のマグマや火山ガスなどの動きを示すとされる火山性微動が観測されるなど、火山活動が活発化する傾向が見られていました。
山がわずかに膨張する地殻変動も観測され、気象庁は平成27年4月に火口周辺警報を発表しましたが、その後、火山性地震が減ったことなどからおよそ2か月後に解除しました。
一方で気象庁は、蔵王山では長期的に火山活動がやや高まった状態にあるとして、「御釜」周辺の馬の背カルデラの想定火口域では突発的な火山ガスの噴出などに注意を呼びかけていました。
過去の噴火
蔵王山の北側には火口湖の御釜があり、120年以上前の明治28年には、御釜で小規模な水蒸気噴火が相次ぎ、山の雪がとけて川が増水したほかふもとに火山灰が降りました。
その後、80年近く前の昭和15年に御釜の北東で小規模な噴火が確認されたあと、噴火は確認されていません。
御釜には常に水がたまっているほか、冬になると雪に覆われるため、噴火に伴って泥流が発生するおそれがあり、ふもとの地域では注意が必要です。
その後、80年近く前の昭和15年に御釜の北東で小規模な噴火が確認されたあと、噴火は確認されていません。
御釜には常に水がたまっているほか、冬になると雪に覆われるため、噴火に伴って泥流が発生するおそれがあり、ふもとの地域では注意が必要です。
周辺の道路は冬季閉鎖中
馬の背カルデラの想定火口域からおおむね1.2キロの範囲では宮城県と山形県をつなぐ「蔵王エコーライン」が通っていますが、宮城県によりますと現在は冬期閉鎖中だということです。
樹氷ツアーのコースを変更
蔵王山の噴火警戒レベルが2に引き上げられたことを受けて、火口からおよそ4キロ離れた宮城県蔵王町のスキー場「すみかわスノーパーク」では、観光客向けに行っている樹氷を見るツアーのコースを変更する措置をとりました。
樹氷ツアーは通常、雪上車でスキー場のゲレンデから、山頂のほうに向かいますが、噴火警戒レベルが引き上げられたことを受けて、山の中腹辺りで折り返すことにしたということです。
一方、スキー場自体は、火口から離れていることから、通常どおりの営業を続けているということです。
樹氷ツアーは通常、雪上車でスキー場のゲレンデから、山頂のほうに向かいますが、噴火警戒レベルが引き上げられたことを受けて、山の中腹辺りで折り返すことにしたということです。
一方、スキー場自体は、火口から離れていることから、通常どおりの営業を続けているということです。
野上官房副長官「大きな噴石に注意を」
野上官房副長官は午後の記者会見で、「今後、小規模な噴火が発生する可能性があることから、想定火口域から1.2キロメートルの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石に注意していただきたい。政府としては情報収集体制を強化し、状況を注視するとともに、政府一体となって対応に万全を期していく。国民の皆様には今後、地元自治体や気象庁などから発表される情報に注意していただきたい」と述べました。
ソース:NHK ニュース