東京とうきょうパラ目指めざす選手せんしゅ 感染かんせんリスク負おい海外かいがい遠征えんせい強しいられる なぜ？

新型しんがたコロナウイルスの世界せかい的てきな流行りゅうこうが続つづく中なか、東京とうきょうパラリンピックを目指めざす選手せんしゅが感染かんせんのリスクを負おって海外かいがい遠征えんせいを強しいられていることが、NHKの取材しゅざいで明あきらかになりました。パラリンピック出場しゅつじょうの条件じょうけんとなる障害しょうがいのクラス分わけを受うけなければならないためで、専門せんもん家かは「パラ選手せんしゅの中なかには感染かんせんすると重症じゅうしょう化かするリスクが高たかい人ひともいて、パラリンピックのために選手せんしゅを命いのちの危険きけんにさらすべきではない」と指摘してきしています。

パラリンピックの22競技きょうぎでは、さまざまな障害しょうがいのある選手せんしゅが公平こうへいに競きそい合あえるよう障害しょうがいの種類しゅるいや程度ていどに応おうじたクラス分わけが行おこなわれ、東京とうきょうパラリンピックの出場しゅつじょうには事前じぜんに国際こくさい大会たいかいで専門せんもん家かによる判定はんていを受うけるよう定さだめられています。

ところが、これまで国際こくさい大会たいかいの相次あいつぐ中止ちゅうしによってクラス分わけを受うけられない選手せんしゅが各国かっこくで相次あいつぎ、大会たいかいが再開さいかいされたことしになって世界せかい的てきな流行りゅうこうが続つづく中なかで海外かいがい遠征えんせいを強しいられていることがわかりました。

このうち日本にっぽんの陸上りくじょうでは、内定ないてい選手せんしゅ2人にんが東京とうきょう大会たいかいの1年ねん延期えんきによって先月せんげつクラス分わけの期限きげんが切きれ、今後こんご国内こくないで国際こくさい大会たいかいの予定よていがないため、1人にんの選手せんしゅは来月らいげつ、中東ちゅうとう・ドバイで開ひらかれる国際こくさい大会たいかいへの遠征えんせいを余儀よぎなくされました。

もう1人にんの伊藤いとう智也ともや選手せんしゅ（57）は、免疫めんえきに異常いじょうが生しょうじる難病なんびょうで感染かんせんすると重症じゅうしょう化かしやすく命いのちに危険きけんが及およぶおそれがあるとして、遠征えんせいを断念だんねんせざるをえませんでした。

伊藤いとう選手せんしゅは「選手せんしゅに命懸いのちがけの行動こうどうを強しいるパラリンピックが選手せんしゅファーストの大会たいかいと言いえるのか」と疑問ぎもんを投なげかけています。

日本にっぽんパラ陸上りくじょう競技きょうぎ連盟れんめい理事りじで国際こくさいクラス分わけ委員いいんを務つとめる指宿いぶすき立りつさんは「パラリンピックのために選手せんしゅを命いのちの危険きけんにさらすべきではない。IPC＝国際こくさいパラリンピック委員いいん会かいは救済きゅうさい措置そちを設もうけるべきだ」と指摘してきしています。

IPCはNHKの取材しゅざいに対にたいし「クラス分わけはパラリンピックの要ようであり、各かく競技きょうぎの国際こくさい団体だんたいが安全あんぜんかつ確実かくじつに行おこなわれるように手順てじゅんを定さだめている。競技きょうぎの健全けんぜん性せいを守まもるためには、大会たいかい前まえに受うける必要ひつようがありその機会きかいを提供ていきょうするため、各かく競技きょうぎ団体だんたいとともにあらゆるシナリオを検討けんとうしている」とコメントしています。

ソース：NHK ニュース