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拉致被害者家族会が活動方針「即時帰国へ首脳会談早期開催を」
2022-03-13 08:31:15

北朝鮮による拉致被害者の家族会が今後の活動方針を取りまとめ、親の世代が健在なうちにすべての被害者の一刻も早い帰国を実現するため、政府に対し、日朝首脳会談の早期開催などを求めることを改めて確認しました。
13日、東京・港区で拉致被害者の家族や支援組織の会議が開かれ、去年12月に亡くなった飯塚繁雄さんの後を引き継いで家族会代表に就任した横田拓也さんが「飯塚さんがたびたび言っていた『あきらめない』ということばを深く理解し、必ず、すべての被害者を取り戻すという気持ちを一つにしたい」と話しました。
そして全員で飯塚さんに黙とうをささげたあと、家族会の今後の活動方針が取りまとめられました。
この中では、政府が拉致問題解決の定義としている「すべての被害者の即時一括帰国」「真相究明」「実行犯の引き渡し」の3項目のうち「すべての被害者の即時一括帰国」だけは家族会の絶対に譲れない一線だとしています。
そのうえで「親の世代が被害者と抱き合うことなしに拉致問題の解決はない」として、政府に対し、あらゆる手段を講じて日朝首脳会談を早期に開催することや、被害者救出のための工程や期限を具体的に示すことを求めています。

会議のあと横田拓也さんは「家族会の結成から今月で25年となったが、結成時のメンバーの中に被害者との再会を果たせず、他界した方がいるのは本当に残念で残酷だ。親世代の年齢を考えると時間は限られており、政府の具体的な取り組み、そして北朝鮮のキム・ジョンウン総書記の英断を求めたい」と話していました。
横田早紀江さん「長い年月、何にも動かず、何も見えない」

拉致被害者の家族会は今月25日で結成から25年となります。
会議のあとの記者会見で、横田めぐみさんの母親の早紀江さん(86)は「25年間、みんな頑張ってきましたが、これだけの長い年月、何にも動かず、何も見えない、この不思議さをどう解釈していいのか分かりません」としたうえで、「一刻も早く、トップどうしが心を込めて、真摯(しんし)に話してほしい」と、日朝首脳会談の早期開催を強く求めました。
会議のあとの記者会見で、横田めぐみさんの母親の早紀江さん(86)は「25年間、みんな頑張ってきましたが、これだけの長い年月、何にも動かず、何も見えない、この不思議さをどう解釈していいのか分かりません」としたうえで、「一刻も早く、トップどうしが心を込めて、真摯(しんし)に話してほしい」と、日朝首脳会談の早期開催を強く求めました。

また、市川修一さんの兄の健一さん(76)は「この25年、拉致問題が遅々として進展しないことに焦りと憤りを感じます。被害者も家族も高齢化が進み、一刻の猶予もありません。あらゆる手だてを講じて日朝首脳会談を実現してほしいと強く願っています」と訴えました。

このほか、去年12月に亡くなった家族会の前代表 飯塚繁雄さんに実の子として育てられた飯塚耕一郎さんは「前代表とは、なぜ、こんなに物事が進まず我慢しなければいけないのか、何をすれば被害者が帰ってくるのかと話をしてきましたが、被害者の帰国を見ることなく亡くなったことが悔やまれます。諦める気持ちはさらさらなく、岸田総理大臣は具体的に行動してほしい。これ以上、停滞を許してはならず、願わくば、ことし中に有本さんと早紀江さんがそれぞれの娘と抱き合う姿を見たい」と話していました。
残された家族の“命の期限”迫る
拉致被害者の家族が初めて顔を合わせ、会を結成したのは25年前。
それぞれの地元で街頭に立ち、近所を1軒1軒回って署名を呼びかけることから始めた活動ですが、先頭に立ってきた横田滋さんの姿はすでになく、代表を引き継いだ飯塚繁雄さんも去年12月にこの世を去りました。
家族会は3年前「全員の早期帰国が実現するなら、被害者から秘密を聞き出し、国交正常化の妨げになるようなことはしない」というキム総書記に宛てた初めてのメッセージを出し、去年「このメッセージには期限がある」と付け加えました。
最初の事件発生から9月で45年。
進展がないまま、残された家族の“命の期限”が迫る中、拉致問題は政府の戦略が厳しく問われる局面に入っています。
それぞれの地元で街頭に立ち、近所を1軒1軒回って署名を呼びかけることから始めた活動ですが、先頭に立ってきた横田滋さんの姿はすでになく、代表を引き継いだ飯塚繁雄さんも去年12月にこの世を去りました。
家族会は3年前「全員の早期帰国が実現するなら、被害者から秘密を聞き出し、国交正常化の妨げになるようなことはしない」というキム総書記に宛てた初めてのメッセージを出し、去年「このメッセージには期限がある」と付け加えました。
最初の事件発生から9月で45年。
進展がないまま、残された家族の“命の期限”が迫る中、拉致問題は政府の戦略が厳しく問われる局面に入っています。
ソース:NHK ニュース