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現地げんちいま食料しょくりょうみずそこを…マリウポリでなに

2022-03-15 09:49:23

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携帯けいたいがつながる場所ばしょすくなく、のは危険きけん隣り合となりあわせ」
ウクライナ南東なんとうマリウポリにひと家族かぞくつたえたまち状況じょうきょうです。

マリウポリでは、ウクライナがわによりますと、2000にんえる市民しみん死亡しぼうしました。
通信つうしんもう被害ひがいけ、情報じょうほうかぎられる「最大さいだい激戦げきせん」の現状げんじょうについて、住民じゅうみんその家族かぞく証言しょうげんから読み解よみときます。

ロシアぐんはなぜマリウポリに?

アメリカのシンクタンクの分析ぶんせきなどでは、ウクライナに侵攻しんこうしたロシアぐん都市としをじわじわと包囲ほういするようなうごをしています。

首都しゅとキエフ、だい2の都市としハリコフとならび、はげしい攻防こうぼう繰り返くりかえされているのが、マリウポリです。
黒海こっかい北部ほくぶある内海うちうみ・アゾフかいめんした人口じんこう40まんにんあま都市としは、東部とうぶしんロシア支配しはい地域ちいきと、ロシアが一方いっぽうてき併合へいごうしたクリミアをむす要衝ようしょうです。

激戦げきせんつづ理由りゆうについて、ウクライナのクレバ外相がいしょう
「ロシアぐんクリミア半島くりみあはんとう直接ちょくせつつながる陸路りくろ確保かくほするため、多大ただい犠牲ぎせいはらってでもマリウポリを占領せんりょうしようとしている。しかしそうなればウクライナはアゾフうみから遮断しゃだんされるため、はげしく抵抗ていこうしている」と説明せつめいしています。

差別さべつ攻撃こうげき市民しみん犠牲ぎせいは?

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは8にちに「過去かこすうじゅう年間ねんかんはじめておそらくナチス・ドイツの侵攻しんこう以来いらいはじめて、マリウポリで1にんども脱水だっすい症状しょうじょうくなった。パートナーの国々くにぐによ、どうかいてほしい。2022ねんども脱水だっすい症状しょうじょうくなったのだ」とうったえ、ロシアぐんによって都市とし封鎖ふうさされ、食料しょくりょうみず配送はいそう意図いとてき妨害ぼうがいされていると非難ひなんしました。

その後そのごも、ロシアぐん進撃しんげきつづきます。
「ロシアぐん差別さべつ攻撃こうげきうつくしいまちはほぼ破壊はかいされ、地元じもと当局とうきょくによると1582にん住民じゅうみん殺害さつがいされた。だい2世界せかい大戦たいせん以来いらいはじめて人々ひとびと集団しゅうだん墓地ぼち埋葬まいそうされている」
ーウクライナのキスリツァ国連こくれん大使たいしが11にち国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかい緊急きんきゅう会合かいごうべた現地げんち状況じょうきょうです。

13にちにはウクライナ議会ぎかいが、ロシアぐんによる攻撃こうげきこれまでに2187にん市民しみん死亡しぼうしたとあきらかにし「人道的じんどうてきだい惨事さんじきている。およそ100はつ爆弾ばくだん投下とうかされ、病院びょういんなどのインフラが破壊はかいされた」とうったえました。
さらに14にちにはEU=ヨーロッパ連合れんごうのボレル上級じょうきゅう代表だいひょうが、これまでに2400にん以上いじょう市民しみん犠牲ぎせいになったとべました。

砲撃ほうげき地下ちか閉じ込とじこめられ、2にんどもにました。だれかれすくことができませんでした」
そうはな女性じょせいのような被害ひがいしゃが、日に日ひにひえているのです。

ライフラインや食料しょくりょうは?生活せいかつできる

通信つうしんがつながりにくく、人々ひとびとらしについての情報じょうほうきわめてかぎられています。

現地げんち支援しえん活動かつどうつづけているICRC=赤十字せきじゅうじ国際こくさい委員いいんかいは12にち、マリウポリにいるスタッフからの報告ほうこくとして、
電気でんきガス水道すいどう寸断すんだんされ、食料しょくりょう飲料いんりょうすいそこをつきはじめていること、
▽スタッフは食料しょくりょうなど持ち寄もちよって事務所じむしょ避難ひなん生活せいかつつづけていることを、
ツイッターに投稿とうこうしました。

スタッフは「人々ひとびとさむさで病気びょうきになっています。本当ほんとうさむです。発電はつでんよう燃料ねんりょうのこっているため、1にちに3、4時間じかん電気でんき使つかことができますが、みずがなくなったらかわみずかして使つかうつもりです。ただほかひとたちとくらべれば、比較的ひかくてきめぐまれているとおもいます」とはなし、おおひとがさらに過酷かこく状況じょうきょう避難ひなんつづけていると説明せつめいしました。

ロシアぐん侵攻しんこうはじまった2つき24にちにマリウポリをはなれた女性じょせいは、から避難ひなんする予定よていだった60だい両親りょうしんと、まだえていません。
人道じんどう回廊かいろう」とばれる避難ひなんルートの安全あんぜん確保かくほされていないため、自宅じたくからはなれられなくなったというのです。

通信つうしん状態じょうたいわるく、携帯けいたいがつながる場所ばしょかぎられていますが、ロシアぐん砲撃ほうげきなど巻き込まきこまれるそれがあります。
女性じょせい両親りょうしんからの連絡れんらくしかありません。
これまでに、電気でんき水道すいどうなど生活せいかつインフラが被害ひがいけて使つかえない状態じょうたいだとかされ「両親りょうしんは、みせまっているため食料しょくりょうほとんどき、あめゆきすいにしています。救援きゅうえん物資ぶっしはロシアぐんさえぎられてとどかず、冷え込ひえこきびしくなっています」と窮状きゅうじょううったえていました。

マリウポリ出身しゅっしんのダリア・シャスツンさん(22)は、ボランティアでアフリカ滞在たいざいしていたときにロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうはじまったため、故郷こきょうもどことができなくなりました。
現在げんざいはバルト3こくのラトビアで避難ひなん生活せいかつおくっています。
マリウポリにのこ両親りょうしんからは、電気でんき水道すいどうガス次々つぎつぎまるなか、備蓄びちくしたわずかな食料しょくりょう井戸いどみずなどたよって生活せいかつしているといています。

シャスツンさんは「避難ひなんルートは合意ごういされているはずですが、まもられていません。ロシアぐんは『たない』とっていますが、実際じっさいにはってくるのです」とロシアを非難ひなんしました。

そして母親ははおやには『きっとえるから』とわれますが、すぐにえるかどうかわかりません。故郷こきょうかえりたいです」とはなしていました。

医療いりょう現場げんばは?

マリウポリの地元じもと当局とうきょくは、9にち産科さんかなどはい病院びょういんがロシアぐん攻撃こうげきけ、女の子おんなのこ1にんふく3にん死亡しぼう医師いしなど17にんがけがをしたと発表はっぴょうしました。
AP通信つうしんによりますと、病院びょういんから救出きゅうしゅつされた妊婦にんぷうち1にんが、その後そのご死亡しぼうしたということです。

治療ちりょうにあたった医師いし
当時とうじ女性じょせい3にん病院びょういん運び込はこびこまれ、このうち1にん骨盤こつばんしつぶされるなどしてショック状態じょうたいにあり、危険きけん状態じょうたいだった。帝王ていおう切開せっかい手術しゅじゅつおこなったがどもはすでにいきがなく、救命きゅうめい措置そちおこなったが、母子ぼしともにくなった」

人々ひとびといのちすくための医療いりょう機関きかんさえも標的ひょうてきになり、かろうじて機能きのうしている状況じょうきょうです。

停電ていでんくらなかけが人けがにん治療ちりょうつづけざるをず、男性だんせい医師いしは「電気でんきのない環境かんきょうはたらつづけています。もう1週間しゅうかん以上いじょうやすがありません」と、ぎりぎりの状態じょうたいある医療いりょう現場げんば状況じょうきょう説明せつめいしました。

国際こくさいNGO「国境こっきょうなき医師いしだん」も、現地げんちにいるスタッフのはなしつたえています。

今夜こんや砲撃ほうげきは、さらにはげしく、さらにちかまでた」
電気でんきみず暖房だんぼうもなく、携帯けいたい電話でんわもつながらない」
「きのうはゆき雨水あまみずあつめた」
薬局やっきょくにも、もはやくすりはない」
悲痛ひつうなことばがならびます。

避難ひなんルートは機能きのうしないのか?

国際こくさい社会しゃかいからの非難ひなんたかまるなか、ロシアは市民しみんがすための避難ひなんルートを設置せっちし、各地かくち避難ひなんつづいています。

しかしウクライナがわは11にち、マリウポリについては市民しみんそとげることも、支援しえん物資ぶっしなかとどけることもできないとロシアがわ非難ひなんしました。
戦車せんしゃなどによる攻撃こうげきけているというのです。

さらにベレシチュクふく首相しゅしょうは、12にち住民じゅうみんせるためにマリウポリにかった車両しゃりょうがロシアぐんに5時間じかんにわたって留め置とめおかれて到着とうちゃくできず、1にん避難ひなんさせられなかったとあきらかにしました。

地元じもと議会ぎかいは、14にちになってやっと、退避たいひするひとったくるますくなくとも160だい避難ひなんルートをとおってはじめて退避たいひできたとあきらかにしました。ただこのまま避難ひなんルートが機能きのうするのかは予断よだんゆるしません。

一方いっぽう議会ぎかいは、マリウポリに救援きゅうえん物資ぶっしおくろうとする車列しゃれつについてはロシアがわ妨害ぼうがいしていると非難ひなんしています。
現地げんち支援しえんにあたる赤十字せきじゅうじ国際こくさい委員いいんかいのフローリアン・セレックス広報こうほうかんは「状況じょうきょう本当ほんとう絶望ぜつぼうてきで、食料しょくりょうみず電気でんき暖房だんぼう設備せつびほとんどない状況じょうきょうだといている。みな生き残いきのこため必死ひっしになっているようだ」とべました。

そして避難ひなんルートについて「紛争ふんそう当事者とうじしゃ市民しみん安全あんぜん避難ひなんできるよう具体ぐたいてきかつ効率こうりつてき合意ごういおこな必要ひつようあるそれがいまもっと重要じゅうようだ」とべ、一刻いっこくはや避難ひなん実現じつげんうったえています。
ソース:NHK ニュース