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名古屋大 論文にデータねつ造など研究不正50か所 処分検討
2022-03-16 08:32:36

名古屋大学は、世界初の成果として発表した炭素素材の合成に関する論文など3本の論文について、データのねつ造などの研究不正が50か所余りあったと公表し、今後、関係者の処分を検討するとしています。
名古屋大学によりますと、研究不正が明らかになったのは、大学院理学研究科の伊丹健一郎教授らのグループが発表した、「グラフェンナノリボン」という炭素素材の合成方法などに関する3本の論文です。
次世代の半導体の材料などとして期待された「グラフェンナノリボン」は、合成が難しく、3年前に発表された論文は、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されるなど世界初の成果として注目を集めましたが、その後、データに不審な点があることが分かり、論文は撤回されたうえで大学は専門の調査委員会を設けて調べていました。
その結果、3本の論文でデータのねつ造や改ざんなどの不正が54か所で確認され、研究成果の根拠が存在しないことが分かったということです。

大学によりますと、一連の不正はすべて大学院を修了して博士号を取得した元大学院生1人が行っていて、実験ノートを破棄するなどの隠蔽も確認されたとしていますが、本人は関与を否定しているということです。
また、論文の責任著者となっている伊丹教授と別の准教授については、注意義務違反があったとして今後、懲戒処分を検討するということです。
伊丹教授は、調査委員会の聞き取りに対して「関係の皆様に多大なご迷惑と失望を与えて大変申し訳ない。今後は再発防止に全力で取り組み、より一層真摯(しんし)に研究に向き合いたい」と話しているということです。
また、論文の責任著者となっている伊丹教授と別の准教授については、注意義務違反があったとして今後、懲戒処分を検討するということです。
伊丹教授は、調査委員会の聞き取りに対して「関係の皆様に多大なご迷惑と失望を与えて大変申し訳ない。今後は再発防止に全力で取り組み、より一層真摯(しんし)に研究に向き合いたい」と話しているということです。
ソース:NHK ニュース