ロシア国営こくえいテレビ職員しょくいん反戦はんせん訴うったえ“当局とうきょくが予備よび的てき捜査そうさ”国営こくえい通信つうしん社しゃ

ロシアの国営こくえいテレビで職員しょくいんがニュース番組ばんぐみ中ちゅうに反戦はんせんを訴うったえたことをめぐり、ロシア国営こくえいの通信つうしん社しゃは、捜査そうさ当局とうきょくが予備よび的てきな捜査そうさに着手ちゃくしゅしたと伝つたえました。言論げんろん統制とうせいを強つよめるプーチン政権せいけんが、国営こくえいテレビの職員しょくいんにどのように対応たいおうするかが焦点しょうてんとなります。

ロシア国営こくえいの「第だい1チャンネル」に勤つとめるマリーナ・オフシャンニコワさんは14日にち、ニュース番組ばんぐみの放送ほうそう中ちゅうに突然とつぜん、スタジオに入はいり「戦争せんそう反対はんたい」と書かいた紙かみを掲かかげて反戦はんせんを訴うったえました。

モスクワの裁判所さいばんしょは15日にち、オフシャンニコワさんに対にたいして、日本にっぽん円えんで3万まん円えん余あまりの罰金ばっきん刑けいを言い渡いいわたしましたが、ロシア国営こくえいのタス通信たすつうしんが情報じょうほう筋すじの話はなしとして伝つたえたところによりますと、この罰金ばっきん刑けいはオフシャンニコワさんが人々ひとびとに抗議こうぎ集会しゅうかいに加くわわるよう呼よびかける動画どうがメッセージをSNSに投稿とうこうしたことに対にたいするものだということです。

そして、ニュース番組ばんぐみ中ちゅうに反戦はんせんを訴うったえた行為こういについては、捜査そうさ当局とうきょくが予備よび的てきな捜査そうさに着手ちゃくしゅしたと伝つたえています。

今月こんげつ改正かいせいされた刑法けいほうでは「ロシア軍ぐんの活動かつどうについて、信頼しんらいできる報道ほうどうを装よそおい、うその情報じょうほうを拡散かくさん」した場合ばあい、それが社会しゃかい的てきに重大じゅうだいな影響えいきょうを及およぼすと判断はんだんされれば、懲役ちょうえきもしくは禁錮きんこ15年ねんが科かされるとしています。

ロシア政府せいふとしては、ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうに対にたいする抗議こうぎの声こえを押さえ込おさえこむねらいがありますが、今回こんかいのオフシャンニコワさんの行動こうどうに対にたいしては、ロシア国内こくないからもSNS上じょうで賛同さんどうや応援おうえんのメッセージが相次あいつぎ、反響はんきょうが広ひろがっています。

さらに、去年きょねんのノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうしたムラートフ氏しが編集へんしゅう長ちょうを務つとめる新聞しんぶん「ノーバヤ・ガゼータ」紙しは、16日にち付づけの紙面しめんで「国くにの名誉めいよを守まもれ」と題だいして、政権せいけんの意向いこうに沿そった報道ほうどうに勇気ゆうきをもって異ことを唱となえた行動こうどうに連帯れんたいを表明ひょうめいしています。

こうした中なかで、言論げんろん統制とうせいを強つよめるプーチン政権せいけんが、オフシャンニコワさんに重おもい刑事けいじ罰ばつを科かし、弾圧だんあつしていくのか、今後こんごの対応たいおうが焦点しょうてんとなります。

ロシアの独立どくりつ系けい新聞しんぶん 連帯れんたいを表明ひょうめい

ロシアの独立どくりつ系けい新聞しんぶん「ノーバヤ・ガゼータ」紙しは16日にち付づけの紙面しめんで「国くにの名誉めいよを守まもれ」と題だいして、政権せいけんの意向いこうに沿そった報道ほうどうに公然こうぜんと異ことを唱となえたオフシャンニコワさんへの連帯れんたいを表明ひょうめいしています。

1面めんではオフシャンニコワさんがニュース番組ばんぐみ中ちゅうに反戦はんせんを訴うったえたときの姿すがたを大おおきく掲載けいさいしていますが「戦争せんそう」を意味いみする英語えいごやロシア語ごの文字もじは読み取よみとれないように加工かこうされています。

これは、今月こんげつ改正かいせいされた、法律ほうりつの中なかでロシアのプーチン政権せいけんが主張しゅちょうする「特別とくべつな軍事ぐんじ作戦さくせん」を「戦争せんそう」や「侵攻しんこう」と表現ひょうげんすることを違法いほうとしたためですが、新聞しんぶんでは、それ以外いがいの「プロパガンダを信しんじないで。あなたはだまされている」といったロシア語ごの訴うったえはそのまま残のこし、政権せいけん側がわへの抵抗ていこうを示しめしています。

そして記事きじの中なかで、オフシャンニコワさんを15世紀せいきにフランスの危機ききを救すくったジャンヌ・ダルクじゃんぬだるくになぞらえ、みずからのキャリアを失うしなうリスクを負おいながらも、ロシア国内こくないで影響えいきょう力りょくのある国営こくえいテレビのニュース番組ばんぐみで政権せいけんに対にたいし反旗はんきを翻ひるがえした行為こういをたたえています。

そして「この行為こういを画面がめんで見みた何なん百ひゃく万まんもの人々ひとびとが、この卑劣ひれつな犯罪はんざいに対にたいして感かんじていたことは自分じぶんだけではなかったことに気付きづいたのだ」として、プーチン政権せいけんによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうに反対はんたいする声こえが広ひろがることに期待きたいを寄よせています。

「ノーバヤ・ガゼータ」紙しは、去年きょねんのノーベル平和へいわ賞しょうを受賞じゅしょうしたドミトリー・ムラートフ氏しが編集へんしゅう長ちょうを務つとめる新聞しんぶんで、政権せいけんに批判ひはん的てきな報道ほうどう姿勢しせいで知しられています。

ソース：NHK ニュース