ウクライナ侵攻しんこう1か月かげつ キエフ近郊きんこうで反撃はんげき ロシア軍ぐん後退こうたいの見方みかたも

ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまってから24日にちで1か月かげつとなりました。
アメリカとイギリスの国防こくぼう当局とうきょくは首都しゅとキエフの近郊きんこうで、ウクライナ側がわが反撃はんげきに転てんじ、ロシア軍ぐんが後退こうたいする動うごきが見みられるとする分析ぶんせきを相次あいついで示しめしました。
一方いっぽう、東部とうぶマリウポリなどではロシア軍ぐんが激はげしい攻撃こうげきを続つづけていて、戦闘せんとうがさらに長期ちょうき化かする懸念けねんが強つよまっています。

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまってから24日にちで1か月かげつとなり、国連こくれん機関きかんのまとめによりますと、22日にちまでに、ウクライナでは少すくなくとも977人にんの市民しみんが死亡しぼうし、国外こくがいに避難ひなんした人ひとは362万まん人にんを超こえました。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは24日にち、英語えいごやロシア語ごを交まじえたビデオメッセージで、「ロシアによる戦争せんそうは自由じゆうに対にたいする戦争せんそうだ。ウクライナと自由じゆう、命いのちのため、声こえをあげよう」と述のべ、世界せかい各地かくちでロシアへの抗議こうぎ行動こうどうを行おこなうよう呼よびかけました。

最新さいしんの戦況せんきょうについて、アメリカの国防こくぼう総省そうしょうの高官こうかんは23日にち、首都しゅとキエフの北東ほくとう方向ほうこうから、中心ちゅうしん部ぶまで20キロから30キロの位置いちに迫せまっていたロシア軍ぐんの部隊ぶたいがおよそ55キロの位置いちにまで後退こうたいしているとの分析ぶんせきを明あきらかにしました。

またイギリスの国防こくぼう省しょうも、キエフの北東ほくとうにいるロシア軍ぐん部隊ぶたいは、物資ぶっしの補給ほきゅうや士気しきの低下ていかといった深刻しんこくな問題もんだいに直面ちょくめんしているほか、ウクライナ軍ぐんがキエフ近郊きんこうの複数ふくすうの町まちで反撃はんげきに転てんじ、北西ほくせいのブチャやイルピンではロシア軍ぐんを包囲ほういできる状況じょうきょうにあるとしています。

21日にちにNHKの取材しゅざいに応おうじたイルピンのマルクシン市長しちょうは「われわれにはこの戦たたかいに勝かつことしか選択せんたく肢しはない」と述のべて反転はんてん攻勢こうせいを続つづける決意けついを示しめしました。

一方いっぽう、ロシア軍ぐんが包囲ほういしている東部とうぶマリウポリでは、およそ10万まん人にんの市民しみんが取り残とりのこされているとみられ、深刻しんこくな人道じんどう危機ききが続つづいています。

アメリカ国防こくぼう総省そうしょうによりますと、ロシア軍ぐんはマリウポリに対にたいし、遠距離えんきょりからの激はげしい砲撃ほうげきを行おこなっているほか、地上ちじょう部隊ぶたいの一部いちぶが市内しないに入はいりウクライナ軍ぐんと戦闘せんとうを続つづけているということで、双方そうほうの一進一退いっしんいったいの攻防こうぼうが続つづく中なか、戦闘せんとうがさらに長期ちょうき化かする懸念けねんが強つよまっています。

こうした中なか、アメリカのブリンケン国務こくむ長官ちょうかんは23日にちの声明せいめいで「無む差別さべつ攻撃こうげきや市民しみんを意図いと的てきに標的ひょうてきにした攻撃こうげきについて、信頼しんらいに足たる多おおくの報告ほうこくがある」としたうえで、アメリカ政府せいふとしてロシア軍ぐんの行為こういを公式こうしきに戦争せんそう犯罪はんざいと見みなすことを明あきらかにし、責任せきにんを追及ついきゅうする姿勢しせいを鮮明せんめいにしました。

またアメリカなどは、ロシア軍ぐんが、戦況せんきょうを打開だかいするため、生物せいぶつ・化学かがく兵器へいきなどを使用しようするおそれもあるとみていて、警戒けいかいを一段いちだんと強つよめています。

ソース：NHK ニュース