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ロシア ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうから1か月かげつ 2にん大統領だいとうりょう発言はつげん

2022-03-24 08:49:58

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ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうはじまってから24にちで1か月かげつとなりました。アメリカとイギリスの国防こくぼう当局とうきょく首都しゅとキエフの近郊きんこうで、ウクライナがわ反撃はんげきてんじ、ロシアぐん後退こうたいするうごられるとする分析ぶんせき相次あいついでしめしました。
一方いっぽう東部とうぶマリウポリなどではロシアぐんはげしい攻撃こうげきつづけていて、戦闘せんとうがさらに長期ちょうきする懸念けねんつよまっています。

この1か月かげつ、ウクライナとロシアの2にん大統領だいとうりょうが、なにかたってきたのかをていきます。

戦況せんきょう ロシア圧倒的あっとうてき優勢ゆうせいおもわれたがウクライナ反撃はんげき

侵攻しんこう当初とうしょ軍事ぐんじ大国たいこくロシアの圧倒的あっとうてき優勢ゆうせいかともおもわれたが、現実げんじつはまったくちがいました。

ウクライナはたい戦車せんしゃほうなど武器ぶき最大限さいだいげん活用かつようし、多大ただい犠牲ぎせいはらいながらも、抵抗ていこうつづけ、降伏ごうぶくするきざはありません。

首都しゅとキエフ近郊きんこうでは、ウクライナぐんがロシアぐん押し返おしかえし、最近さいきん反撃はんげきてんじているという分析ぶんせきもあります。

プーチン大統領だいとうりょう 発言はつげん一貫いっかんせい

ウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうめぐロシアのプーチン大統領だいとうりょう発言はつげんは、この1か月かげつ侵攻しんこう名目めいもくえるなど、一貫いっかんせいいてきました。

侵攻しんこうまえの2つき21にち、プーチン大統領だいとうりょうは「ウクライナ政府せいふは、東部とうぶ問題もんだい軍事ぐんじてき解決かいけつしようとしている」と主張しゅちょうし、東部とうぶ2しゅうしんロシア事実じじつじょう支配しはいしている地域ちいき独立どくりつ国家こっかとして一方いっぽうてき承認しょうにんするとともに「平和へいわ維持いじ」の名目めいもくでロシアぐん部隊ぶたい送り込おくりこかませました。

軍事ぐんじ侵攻しんこう踏み切ふみきった24にちもプーチン大統領だいとうりょうは、国民こくみんのテレビ演説えんぜつで「ウクライナ政府せいふによって8年間ねんかんしいたげられてきた人々ひとびと保護ほごするためだ」とべ、ロシアとゆかりがふか東部とうぶ住民じゅうみん保護ほごするための軍事ぐんじ作戦さくせんだと主張しゅちょうしました。

ただ、「ウクライナ領土りょうど占領せんりょう計画けいかくにない。武力ぶりょくさえつけるつもりはない」と強調きょうちょうしました。

ところがよく25にちひらかれた安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎでプーチン大統領だいとうりょうは、「民族みんぞく主義しゅぎしゃやネオナチは、キエフやハリコフなど主要しゅよう都市とし複数ふくすう重火器じゅうかき配備はいびしているのが確認かくにんされた。 民間みんかんじん犠牲ぎせい責任せきにんをロシアになすりつけようとしている」とべ、東部とうぶしんロシア支配しはい地域ちいきえた都市としへの攻撃こうげき正当せいとうしました。

そして、ウクライナぐんに対にたいしてゼレンスキー政権せいけん見限みかぎ権力けんりょく奪取だっしゅすることまでうながしました。今月こんげつ5にち、ロシアの大手おおて航空こうくう会社かいしゃ客室きゃくしつ乗務じょうむいんたちとの会合かいごうでプーチン大統領だいとうりょうは、「きびしい決断けつだんだった」と理解りかいもとめました。

そのうえで「欧米おうべい民族みんぞく主義しゅぎしゃ過激かげき条件じょうけん支援しえんしている以上いじょう武器ぶき弾薬だんやく装備そうび際限さいげんなく供給きょうきゅうされることになる」と主張しゅちょうしたうえで「わがぐんべつみちをとることにした。軍事ぐんじインフラをすべて破壊はかいする」とべウクライナ各地かくち軍事ぐんじ施設しせつなど攻撃こうげきする理由りゆう説明せつめいしました。

そして今月こんげつ16にち、プーチン大統領だいとうりょうは、「ウクライナが外国がいこく技術ぎじゅつ援助えんじょけて大量たいりょう破壊はかい兵器へいきれればロシアが標的ひょうてきなるのはあきらかだ」としてウクライナ政府せいふ核兵器かくへいき開発かいはつしようとしているなどと、一方いっぽうてき主張しゅちょうします。

さらに「ウクライナで生物せいぶつ兵器へいきがつくられたとしんじる理由りゆう十分じゅうぶんある」と強調きょうちょうし、アメリカなどは、ロシアぐん虚偽きょぎ主張しゅちょうをもとに生物せいぶつ兵器へいき化学かがく兵器へいき使用しようするおそがあるとして警戒けいかいつよめています。

この1か月かげつかんのプーチン大統領だいとうりょう発言はつげん変遷へんせんと、軍事ぐんじ侵攻しんこう計画けいかく想定そうていどおすすんでいないとされることへのあせほか、ロシア国内こくない反戦はんせんこえがるなか国民こくみんへの理解りかいもとめたい思惑おもわくなどもうかがえます。

ゼレンスキー大統領だいとうりょう 各国かっこくオンライン演説えんぜつ 共感きょうかんねら

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは、これまでイギリスやアメリカなど各国かっこく議会ぎかいでオンラインで演説えんぜつおこない、ウクライナ上空じょうくう飛行ひこう禁止きんし区域くいき設定せってい防空ぼうくうシステム供与きょうよなどさらなる軍事ぐんじてき支援しえんうったえてきました。

そのさい各国かっこく歴史れきし言及げんきゅうしたり、著名ちょめいじん言葉ことば引用いんようしたりするなどしていて、ウクライナがかれたきびしい状況じょうきょうへの共感きょうかんようというねらあるとみられます。

【イギリス】
今月こんげつ8にちのイギリス議会ぎかいでのオンライン演説えんぜつでは、まず、イギリスのげき作家さっか、シェークスピアの「ハムレット」の有名ゆうめい一節いっせつ引用いんようするかたちで、ウクライナの状況じょうきょうについて「きるべきか、べきか。返事へんじあきらかきるべきだ」と強調きょうちょうしました。そのうえで、だい2世界せかい大戦たいせんちゅうの1940ねん当時とうじのチャーチル首相しゅしょう議会ぎかいおこなった演説えんぜつになぞらえて「われわれはけっして降伏ごうぶくせず、けっして敗北はいぼくしない。どんな犠牲ぎせいはらおうともうみたたかい、そらたたかい、くにのためにたたかつづける」とうったえました。

アメリカ
さらに、アメリカ連邦れんぽう議会ぎかいで16にち、オンライン演説えんぜつおこなったさいには、人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱいうったえたキング牧師ぼくしの「わたしにはゆめがある」という歴史れきしてき演説えんぜつ一節いっせつれ「わたしには必要ひつようがある、それは、わたしたちのそらまもってくれること。あなたかた決意けつい、あなたかた支援しえんです」とべ、ロシア軍機ぐんきによる攻撃こうげきから国土こくど防衛ぼうえいするため、ウクライナ上空じょうくう飛行ひこう禁止きんし区域くいき設定せっていすることなどもとめました。

【イスラエル・ドイツ】
また、20にちのイスラエル議会ぎかい演説えんぜつでは、ロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうを、だい2世界せかい大戦たいせんちゅうのナチス・ドイツによるユダヤじん大量たいりょう虐殺ぎゃくさつ、ホロコーストになぞらえ「ロシアはいまナチスとおなことをしようとしている」と非難ひなんしたほか、ドイツの連邦れんぽう議会ぎかいでは17にち、「ヨーロッパには、ベルリンのかべではない、自由じゆう不自由ふじゆうかつかべがあり、われわれはへだてられている。わたしたちをたすけるはず平和へいわのための決断けつだんがなされないたびに、このかべおおきくなっている」とうったえました。

日本にっぽん
23にちよる日本にっぽん国会こっかいオンライン形式けいしき演説えんぜつおこない「日本にっぽんアジアはじめて平和へいわ取り戻とりもどためロシアに圧力あつりょくをかけてくれた」と日本にっぽん対応たいおう評価ひょうかしたうえで、「侵略しんりゃくの“津波つなみ”をめるためにロシアとの貿易ぼうえき禁止きんしし、ロシア市場しじょうから企業きぎょう撤退てったいさせなければなりません」とべ、ロシアに対にたいする制裁せいさい継続けいぞくびかけました。

【フランス】
23にちはフランス議会ぎかいでもオンライン形式けいしき演説えんぜつおこないました。
このなかでロシアぐん住宅じゅうたく病院びょういん学校がっこうなど無差別むさべつ攻撃こうげきしていると非難ひなんしました。そのうえで、フランスの理念りねんあらわした「自由じゆう平等びょうどう友愛ゆうあい」をきあいに「あなたたちは自由じゆう平等びょうどう友愛ゆうあいとはなにかをっている。ロシアが平和へいわもとめ、この精神せいしんはんする戦争せんそうをやめるよう、フランスのリーダーシップを期待きたいしている」とべました。

専門せんもん停戦ていせん交渉こうしょう 長期ちょうきそれ”

ロシアぐんがウクライナに侵攻しんこうして1か月かげつとなりました。双方そうほう停戦ていせん交渉こうしょう見通みとおについてNHKのインタビューおうじたウクライナの政治せいじジャーナリスト長期ちょうきするおそれある指摘してきしました。

インタビューおうじたのはウクライナのテレビなど解説かいせつをしている政治せいじジャーナリストのビタリ・ポルトニコフさんです。

ロシアぐん侵攻しんこうについてポルトニコフさんは「ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、当初とうしょほかおおのウクライナじんおなようにロシアが実際じっさい軍事ぐんじ侵攻しんこうするとはかんがえていなかったはずだ」と指摘してきしました。

そして侵攻しんこうから1か月かげつたった現在げんざい政府せいふない受け止うけとめについて「ウクライナがわ徹底てってい抗戦こうせんつづけていて、ゼレンスキー大統領だいとうりょう兵士へいし国民こくみん行動こうどうほこおもっているだろう」とべ、たか士気しき維持いじしていると分析ぶんせきしました。

停戦ていせん交渉こうしょう見通みとおについては士気しきたかウクライナがわがロシアがわ安易あんい妥協だきょうをする必要ひつようがないとして、「ロシアがわとは平和へいわ関係かんけいきづけず、ありえるのは一時いちじてき停戦ていせんだろう。ただ交渉こうしょう困難こんなん長期ちょうきするだろう」との見方みかたしめしました。

そのうえで「なによりもNATO=北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこう行動こうどうにかかっている。それくわえて、日本にっぽんやオーストラリアのように戦争せんそう惨禍さんか理解りかいしているくに連帯れんたいにかかっている」とべ、国際こくさい社会しゃかいどれだけ一致いっちしてロシアに向き合むきあえるかがかぎにぎっているとのかんがしめしました。
ソース:NHK ニュース