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現地げんちいま】「マリウポリ病院びょういん物資ぶっしない」国境こっきょうなき医師いしだん

2022-03-29 08:00:48

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医療いりょう物資ぶっしとどけるのは時間じかんとのたたかです」

取材しゅざいおうじてくれたのは、国境こっきょうなき医師いしだんのトーマス・ベンドルさんです。はげしい戦闘せんとうによって、市民しみん犠牲ぎせいしゃつづけているウクライナでの支援しえん状況じょうきょうはなしてくれました。

現地げんちではどんな活動かつどうを?

わたし広報こうほう担当たんとうとして、3つき6にちから現地げんち活動かつどうしています。

最初さいしょはポーランドとウクライナの国境こっきょうにいましたが、9にちからリビウにいます。国境こっきょうなき医師いしだんは、現在げんざい、100にん以上いじょうのスタッフがウクライナ国内こくない国境こっきょう周辺しゅうへん活動かつどうしています。

具体ぐたいてきにどんな支援しえんを?

現在げんざい薬品やくひん医療いりょう器具きぐなどの医療いりょう物資ぶっしをウクライナの病院びょういん提供ていきょうするのがおも活動かつどうです。

わたしがいるリビウ、そしてドニプロに医療いりょう物資ぶっし保管ほかんする倉庫そうこがあります。そこから、首都しゅとキエフや東部とうぶ病院びょういんなどりない物資ぶっし提供ていきょうします。いまは、深刻しんこく状況じょうきょうある東部とうぶ優先ゆうせんしています。

いま各地かくちおくっている物資ぶっし手術しゅじゅつよう医療いりょう器具きぐです。戦争せんそうはじまってから、外科げか治療ちりょう必要ひつようとする患者かんじゃえていて、現場げんばではこうした医療いりょう器具きぐ不足ふそくしている状態じょうたいつづいています。

また持病じびょうある患者かんじゃ治療ちりょう継続けいぞくすることが困難こんなんになっています。そうした患者かんじゃくすり提供ていきょうしています。結核けっかくなどさまざまな治療ちりょうやく現場げんばおくっています。

とく支援しえんむずかしい地域ちいきは?

各地かくちのスタッフから現地げんち状況じょうきょういていると、もっと深刻しんこく状況じょうきょうなのがマリウポリです。食料しょくりょうみずがほとんどない生活せいかつつづいています。

現地げんちスタッフとも連絡れんらくりづらく、すこまえはなしをしたときには、マリウポリでは、みちばたにはおおのご遺体いたいかれたり、にわあなって、埋葬まいそうしているということをきました。埋葬まいそう間に合まにあわないほど、おお犠牲ぎせいしゃがいると報告ほうこくけています。

マリウポリの病院びょういん状況じょうきょうは?

病院びょういん薬局やっきょくでは薬品やくひんなど物資ぶっし完全かんぜんになくなっているとのことです。医療いりょう従事じゅうじしゃはいますが、物資ぶっしがないため、救急きゅうきゅう医療いりょう提供ていきょうできない状況じょうきょうです。

わたしとく心配しんぱいしているのはどもたちです。インフラも通信つうしんもう遮断しゃだんされ、病院びょういんでもみずおもように使つかえない状況じょうきょうのようです。みず確保かくほできない状態じょうたいつづと、脱水だっすい症状しょうじょうこします。そして下痢げりをしたら、さらに症状しょうじょう悪化あっかする危険きけんせいがあり、最悪さいあく場合ばあいいたります。

この戦闘せんとう長期ちょうきすると、よりおおひと治療ちりょうけられなくなり、たくさんひといのち危険きけんにさらされます。住宅じゅうたく病院びょういんなどへの攻撃こうげきつづいていて、わたしたちも医療いりょう物資ぶっしとどけられていません。

心配しんぱいしていることは?

われわれが一番いちばんおそれていることは、この戦闘せんとうつづき、戦争せんそう前線ぜんせん拡大かくだいし、マリウポリできていることがほかの都市としでもきることです。これはさらなる混乱こんらんまねきます。

おお国内こくない避難ひなんみんがいるリビウには、われわれ国境こっきょうなき医師いしだんふくめ、たくさん人道じんどう支援しえん団体だんたい拠点きょてんいています。東部とうぶ南部なんぶ都市としくらべたら落ち着おちついているとおもいます。

それでもすこはなれた場所ばしょ空爆くうばくあるなど戦争せんそうかんじる瞬間しゅんかんはあります。戦争せんそう前線ぜんせんがかわり、こちらちかづいてくるのではないかと、地元じもとひとたちも恐怖きょうふかんじています。

今後こんごどのような活動かつどう予定よていされているのですか?

現在げんざい、マリウポリ以外いがい都市とし物資ぶっし提供ていきょうできています。安全あんぜんじょうけなくなるまえに、よりおお病院びょういん物資ぶっしおくろうとしています。できるかぎ物資ぶっしおくっていますが、それでも現場げんばにとっては、りないとおもいます。

国内こくない各地かくち医療いりょう物資ぶっしおくのは、もはや時間じかんとのたたかです。また避難ひなんみんへの医療いりょう提供ていきょう大切たいせつになってくるとおもいます。ウクライナ国内こくないそして国境こっきょうでの活動かつどう重要じゅうようになってきます。

ウクライナのおおひとたちがなにたずに避難ひなんしています。各地かくちのスタッフからは、避難ひなんみんなかには、妊婦にんぷおおいていて、安全あんぜん出産しゅっさんできる場所ばしょ確保かくほすることも課題かだいとなっています。

どうやったら安全あんぜん場所ばしょ提供ていきょうできるか、国境こっきょうなき医師いしだんとしても検討けんとうしないといけないかもしれません。戦況せんきょうどうなっていく次第しだいだとおもいますが、われわれの活動かつどうつづきます。
ソース:NHK ニュース