“新規しんき感染かんせん者しゃ数すうが増加ぞうか傾向けいこう リバウンド注視ちゅうし” 厚あつ労ろう省しょう専門せんもん家か会合かいごう

新型しんがたコロナウイルス対策たいさくについて助言じょげんする厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうが開ひらかれ、全国ぜんこくの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは直近ちょっきんで増加ぞうか傾向けいこうとなっていて感染かんせんの再さい拡大かくだい、リバウンドにつながらないか注視ちゅうしする必要ひつようがあると指摘してきしました。感染かんせん者しゃのうち20代だいが占しめる割合わりあいが顕著けんちょになっていて、多おおくの人ひとが集あつまる機会きかいが増ふえる新しん年度ねんどに向むけてワクチンの追加ついか接種せっしゅと感染かんせん対策たいさくの徹底てっていが必要ひつようだとしています。

“この数すう日にちで増加ぞうか傾向けいこう 20代だいの割合わりあい増加ぞうか”

専門せんもん家か会合かいごうは全国ぜんこくの感染かんせん状況じょうきょうについて1か月かげつ以上いじょう緩ゆるやかな減少げんしょうが続つづいていたものの、この数すう日にちで増加ぞうか傾向けいこうとなり、これまでも感染かんせん拡大かくだいの初期しょきに起おきた20代だいの割合わりあいの増加ぞうかがみられるとしています。

特とくに増加ぞうか傾向けいこうとなっている鹿児島かごしま県けんや沖縄おきなわ県けんで20代だいの増加ぞうかが顕著けんちょで東京とうきょう都とでも検査けんさの陽性ようせい率りつが増加ぞうかするなどリバウンドの兆候ちょうこうの可能かのう性せいがあり、注意ちゅういが必要ひつようだと強調きょうちょうしました。

1. 感染かんせん増加ぞうかの要因よういん

専門せんもん家か会合かいごうは今後こんご、感染かんせんが増加ぞうかする要因よういんとして
▽まん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちの解除かいじょ後ごに夜間やかんの繁華はんか街がいの人出ひとでが全国ぜんこくで増加ぞうかしていて花見はなみや謝恩しゃおん会かい、歓送かんそう迎むかえ会かいなどの時期じきを迎むかえて接触せっしょく機会きかいが増ふえることや
▽オミクロン株かぶのうち、さらに感染かんせん力りょくが高たかいとされる『BA.2』に置き換おきかわることといった要因よういんがあると指摘してきしました。

2. 感染かんせん抑制よくせいの要因よういん

一方いっぽうで、感染かんせんが抑制よくせいされる要因よういんとして
▽ワクチンの3回かい目めの接種せっしゅが高齢こうれい者しゃで進すすんでいて若わかい世代せだいでも進すすむことが期待きたいされることや
▽気温きおんが上あがっていくことで換気かんきしやすくなることがあり
こうした増加ぞうか要因よういんと抑制よくせい要因よういんが今後こんごの感染かんせん状況じょうきょうに影響えいきょうするとしていて、ワクチンの追加ついか接種せっしゅを着実ちゃくじつに実施じっしすることや不ふ織お布ぬのマスクの正ただしい着用ちゃくよう、消毒しょうどくや換気かんき、密みつを避さけるといった対策たいさくの徹底てっていが必要ひつようだとしています。

専門せんもん家か会合かいごうは現在げんざいの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは去年きょねん夏なつのピークよりも多おおい状況じょうきょうが続つづいていて、新しん年度ねんどを迎むかえてこれまでも感染かんせんが拡大かくだいするきっかけとなってきた多おおくの人ひとが集あつまる機会きかいが増ふえることから、特とくに入社にゅうしゃや入学にゅうがくで人ひとの移動いどうや研修けんしゅうが行おこなわれる際さいの感染かんせん対策たいさくに注意ちゅういするよう呼よびかけました。

脇田わきた座長ざちょう「リバウンドの兆候ちょうこうが見みえ始はじめている可能かのう性せいある」

会合かいごうのあと開ひらかれた記者きしゃ会見かいけんで脇田わきた隆たかし字じ座長ざちょうは現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうについて「感染かんせんが増加ぞうかする要因よういんとしては『重点じゅうてん措置そち』が解除かいじょされ夜よるの人出ひとでが増ふえていることや春休はるやすみや花見はなみなど接触せっしょくが増ふえる時期じきになっていること、それに感染かんせん力りょくの強つよい『BA．2』への置き換おきかわりが進すすんでいることなどがある。一方いっぽうで3回かい目めのワクチン接種せっしゅや暖あたたかくなって換気かんきをしやすくなったことなど感染かんせんが抑制よくせいされる要因よういんもあり、これらのバランスの中なかで今後こんごどうなっていくかということになる。データを見みると20代だいで感染かんせん者しゃが少すこし増ふえ始はじめ飲食いんしょく店てんでの感染かんせんの割合わりあいが増ふえている。また東京とうきょうや大阪おおさかで検査けんさの陽性ようせい率りつが上あがっていることなどリバウンドの兆候ちょうこうが見みえ始はじめている可能かのう性せいがある。ただ今ただいまは感染かんせんの拡大かくだい期きに入はいったとまでは言いえる状況じょうきょうではない」と指摘してきしました。

そして今後こんご再さい拡大かくだいした場合ばあいにどういった対策たいさくを取とるべきかについては「感染かんせん対策たいさくにはさまざまな意見いけんがあると思おもうが、これまで日本にっぽんでは重症じゅうしょう者しゃ数すうや死亡しぼう者しゃ数すうを減へらすため医療いりょうにひっ迫ひっぱくの徴候ちょうこうがあれば対策たいさくをとってきた。ただ行動こうどう制限せいげんを行おこなうと経済けいざいへのダメージも大おおきい。重点じゅうてん措置そちなどが出だされていない現状げんじょうでは経済けいざい活動かつどうは抑制よくせいせずに感染かんせんリスクを避さける行動こうどうや3回かい目めのワクチン接種せっしゅなどの対策たいさくをしっかりやっていくということになる。個人こじん的てきな意見いけんだが今後こんご感染かんせんが拡大かくだいして医療いりょうのひっ迫ひっぱくが確実かくじつに起おこるというような場合ばあいは、感染かんせんを抑おさえる対策たいさくが必要ひつようだと考かんがえている。その場合ばあいはさまざまな関係かんけい者しゃがしっかりと合意ごういをして進すすめていくべきだ」と話はなしていました。

新規しんき感染かんせん者しゃ数すう 前週ぜんしゅう比ひ1.04倍ばい 約やく1か月かげつ半はんぶりに増加ぞうかに転てんじる

厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会合かいごうで示しめされた資料しりょうによりますと、29日にちまでの1週間しゅうかんの新規しんき感染かんせん者しゃ数すうは全国ぜんこくでは前まえの週しゅうと比くらべて1.04倍ばいと2月つき上旬じょうじゅん以来いらいおよそ1か月かげつ半はんぶりに増加ぞうかに転てんじ、35の都道とどう府県ふけんで増加ぞうかしています。

3月つき21日にちにまん延まんえん防止ぼうし等とう重点じゅうてん措置そちが解除かいじょされた地域ちいきのうち、首都しゅと圏けんの1都と3県けんでは東京とうきょう都とは1.05倍ばい、埼玉さいたま県けんは1.01倍ばいと前まえの週しゅうより増ふえていて、神奈川かながわ県けんは0.86倍ばい、千葉ちば県けんは0.95倍ばいと減少げんしょうしています。

関西かんさいでは大阪おおさか府ふは1.08倍ばい、兵庫ひょうご県けんは1.03倍ばい、京都きょうと府ふは0.99倍ばい、東海とうかいでは愛知あいち県けんは1.15倍ばい、岐阜ぎふ県けんは1.29倍ばいといずれも横よこばいから増加ぞうかとなっています。

また北海道ほっかいどうは1.07倍ばい、青森あおもり県けんは1.05倍ばい、栃木とちぎ県けんは1.25倍ばい、群馬ぐんま県けんは1.04倍ばい、香川かがわ県けんは1.00倍ばい、熊本くまもと県けんは1.02倍ばいと横よこばいから増加ぞうかとなっている一方いっぽう、茨城いばらき県けんは0.80倍ばい、石川いしかわ県けんは0.76倍ばい、静岡しずおか県けんは0.93倍ばいと減少げんしょうしています。

全国ぜんこくの都道とどう府県ふけんのうち新規しんき感染かんせん者しゃ数すうが前まえの週しゅうよりも増加ぞうかしたのは重点じゅうてん措置そちの適用てきようがなかった地域ちいきを含ふくめた35の都道とどう府県ふけんにのぼり、秋田あきた県けんで1.40倍ばい、佐賀さが県けんで1.34倍ばい、大分おおいた県けんで1.39倍ばい、鹿児島かごしま県けんで1.71倍ばい、沖縄おきなわ県けんで1.35倍ばいなどと増加ぞうかの幅はばが比較的ひかくてき大おおきくなっているところもあります。

現在げんざいの感染かんせん状況じょうきょうを人口じんこう10万まんあたりの直近ちょっきん1週間しゅうかんの感染かんせん者しゃ数すうでみると、沖縄おきなわ県けんが全国ぜんこくで最もっとも多おおく394.01人にん、次ついで東京とうきょう都とが357.84人にん、埼玉さいたま県けんが324.75人にん、大阪おおさか府ふが290.59人にん、青森あおもり県けんが284.01人にん、そして全国ぜんこくでは240.00人にんとなっていて感染かんせん者しゃ数すうが多おおい水準すいじゅんが続つづく中なかで前まえの週しゅうより増加ぞうかしています。

ソース：NHK ニュース