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くわしく】新型しんがたコロナ 感染かんせんしゃすうはなぜ増加ぞうかだい7」は

2022-03-31 10:26:22

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1か月かげつ以上いじょうにわたってゆるやか減少げんしょうつづいていた全国ぜんこく新型しんがたコロナウイルスの新規しんき感染かんせんしゃすう今週こんしゅう増加ぞうかてんじました。なぜ増加ぞうかしているのか、そして感染かんせんの「だい7」がはじまっているのか、現状げんじょう整理せいりするとともに専門せんもん取材しゅざいしました。

1か月かげつはんぶりに増加ぞうか

感染かんせん拡大かくだいの「だい6」では2022ねん1つき感染かんせんしゃすう急激きゅうげきえ、2つき上旬じょうじゅんに1週間しゅうかん平均へいきん感染かんせんしゃすうが9まん3000にんあまとなったのちゆるやか減少げんしょうつづいていました。

しかし、NHKのまとめで、3つき30にちまでの1週間しゅうかん新規しんき感染かんせんしゃすう全国ぜんこくまえしゅうくらべて1.15ばいと、およそ1か月かげつはんつづいた減少げんしょうから増加ぞうか傾向けいこうてんじました。
まえしゅうより増加ぞうかした地域ちいきは42の都道とどう府県ふけんのぼりました。

首都しゅとけん
東京とうきょうで1.21ばい
神奈川かながわけんで0.95ばい
埼玉さいたまけんで1.17ばい
千葉ちばけんで1.07ばい

関西かんさい
大阪おおさかで1.11ばい
京都きょうとで1.23ばい
兵庫ひょうごけんで1.11ばい

などとなっています。

なかには
秋田あきたけんで1.35ばい
三重みえけんで1.47ばい
佐賀さがけんで1.49ばい
大分おおいたけんで1.45ばい
鹿児島かごしまけんで1.74ばい
沖縄おきなわけんで1.36ばい
など九州きゅうしゅう中心ちゅうしん増加ぞうかはば比較的ひかくてきおおきくなっているところもあります。

鹿児島かごしまけんでは3つき30にちいちにち感染かんせんしゃすうが776にんと、2にち連続れんぞく過去かこ最多さいた更新こうしんしました。

いま増加ぞうか要因よういん

どうしていま感染かんせんしゃすうえてきているのか。

3つき30にちひらかれた厚生こうせい労働ろうどうしょう専門せんもん会合かいごう要因よういんとして指摘してきされたのが、

▽3つき19にちからの3連休れんきゅうや、年度替ねんどがわりによる卒業そつぎょうイベントや歓送かんそうむかえかいなどひととの接触せっしょく機会きかいえたこと

まん延まんえん防止ぼうしとう重点じゅうてん措置そちが3つき21にち期限きげん解除かいじょされて以降いこう全国ぜんこくてき夜間やかん繁華はんかがい人出ひとでえていることです。
そして、こうしたことにともなって20だい感染かんせんしゃすう増加ぞうかし、とく飲食いんしょくてんでの感染かんせん割合わりあい増加ぞうか傾向けいこうあるとしています。

活動かつどう活発かっぱつな20だいでの感染かんせん増加ぞうかは、これまでも感染かんせん拡大かくだいきる初期しょきられ、そこから幅広はばひろ世代せだい感染かんせんひろがる傾向けいこうあるため、注意ちゅういする必要ひつようがあるとしています。

またその一方いっぽうで、介護かいご福祉ふくし施設しせつ医療いりょう機関きかんでの高齢こうれいしゃ感染かんせんまだつづいているとしています。

だい7

専門せんもん会合かいごう検査けんさすうった3連休れんきゅう影響えいきょうで、3月下げっかしゅんではまえしゅうくらべて、数値すうちじょうえているようにえることに注意ちゅうい必要ひつようとはしつつ、いま増加ぞうか傾向けいこう感染かんせんさい拡大かくだい、リバウンドに、つながらないか、注視ちゅうしする必要ひつようあるとしています。
いちにち新規しんき感染かんせんしゃすうは、だい6のピークから半減はんげんしたとはえ、2021ねんなつだい5のピークの2ばいちかのぼっています。

いまはまだだい6のさなかだという指摘してきもあり、このまま「だい7」になると、これまでよりもおおきな感染かんせん拡大かくだいになるおそれがある専門せんもん指摘してきしています。
専門せんもん会合かいごう脇田わきたたかし 座長ざちょうは3つき30にち記者きしゃ会見かいけんで「20だい感染かんせんしゃすこはじめ、飲食いんしょくてんでの感染かんせん割合わりあいえている。また東京とうきょう大阪おおさか検査けんさ陽性ようせいりつがっていることなど、リバウンドの兆候ちょうこうはじめている可能かのうせいがあるただいまは、感染かんせん拡大かくだいはいったとまではえる状況じょうきょうではない」とべました。
また専門せんもん会合かいごうメンバー国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがく和田わだ耕治こうじ教授きょうじゅは「いまだに過去かこにない規模きぼ感染かんせんきているなかで今後こんご拡大かくだいつづけば、だい6よりたかなみことも想定そうていしないといけない」と指摘してきしています。

今後こんごどうなるのか

今後こんご感染かんせん状況じょうきょうについて専門せんもん会合かいごうは、感染かんせん増加ぞうかさせる要因よういん抑制よくせいする要因よういんがあり、そのバランスどちら優勢ゆうせいになるかが影響えいきょうするとしています。

増加ぞうかさせる要因よういんとして専門せんもん会合かいごう

夜間やかん繁華はんかがい人出ひとで増加ぞうか

▽オミクロンかぶのうち、さらに感染かんせんりょくたかとされる「BA.2」への置き換おきかわり
げていて

感染かんせん抑制よくせいする要因よういんとして

▽3かいのワクチン接種せっしゅりつ向上こうじょうし、さらにこれまでに感染かんせんして抗体こうたいひとおおくなっていることや

気温きおん上昇じょうしょうし、換気かんきしやすくなること
げています。

増加ぞうか要因よういん1 「夜間やかん繁華はんかがい人出ひとで増加ぞうか

新型しんがたコロナウイルスはマスクなしでの会話かいわなどを通をつうじて感染かんせんひろがることから、夜間やかん繁華はんかがい人出ひとで増加ぞうかしたあと感染かんせん拡大かくだいするパターン繰り返くりかえされてきました。

重点じゅうてん措置そち解除かいじょ夜間やかん繁華はんかがい人出ひとではおおむね全国ぜんこくてき増加ぞうかしています。

このなかで、活動かつどう活発かっぱつわか世代せだい感染かんせんえてきていて、感染かんせんしゃ情報じょうほう集約しゅうやくする厚生こうせい労働ろうどうしょうシステム「HER-SYS」のデータによりますと、新規しんき感染かんせんしゃすうめる20だい割合わりあい全国ぜんこくでは2つき以降いこうは13%ほどだったのが3つき中旬ちゅうじゅん以降いこう徐々じょじょ上昇じょうしょうし、16%から17%ほどとなっています。
また現在げんざい人口じんこうたり感染かんせんしゃすうもっとおお沖縄おきなわけんのデータでは、20だい感染かんせんしゃすう今月こんげつ27にちまでの1週間しゅうかんまえしゅうくらべて4わり増加ぞうかし、全体ぜんたいめる割合わりあいではおよそ22%にのぼっています。

増加ぞうか要因よういん2 「『BA.2』へのり」

オミクロンかぶのうち、さらに感染かんせんりょくたかとされる「BA.2」に置き換おきかわると、感染かんせん増加ぞうかにつながるそれある指摘してきされています。

国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょによりますと、民間みんかん検査けんさ機関きかんおこなわれたコロナウイルスの検査けんさ結果けっかでは「BA.2」は3つき7にちからの1週間しゅうかんで20%前後ぜんごめていて、

今週こんしゅう3つき28にちからのしゅうにはおよそ60%

▽4つき25にちからのしゅうでは90%あま

たっする推定すいていされています。

イギリスなどでは、BA2へのわり感染かんせん増加ぞうかてんじ、重症じゅうしょうしゃくなるひとかず増加ぞうかしているとしています。

抑制よくせい要因よういん1 「3かいのワクチン接種せっしゅりつ向上こうじょう

3かいのワクチン接種せっしゅりつは、2022ねん1つき初旬しょじゅん段階だんかいでは、65さい以上いじょう高齢こうれいしゃでも接種せっしゅりつは1%にもたない状況じょうきょうでしたが、3つき31にち時点じてんで65さい以上いじょう高齢こうれいしゃでは80%をえていて、人口じんこう全体ぜんたいでも40%をえ、今後こんごわか世代せだいでもさらに接種せっしゅすすことが期待きたいされています。

長崎ながさき大学だいがくなどおこなった研究けんきゅうでは、新型しんがたコロナウイルスに対にたいするワクチンの3かい接種せっしゅ発症はっしょう予防よぼうする効果こうかはオミクロンかぶひろがった時期じきでも68.7%と推計すいけいされ、専門せんもん会合かいごうは3かい接種せっしゅによって有効ゆうこうせい回復かいふくするとしています。

さらに、だい6感染かんせんおおきく拡大かくだいした地域ちいきでは新型しんがたコロナウイルスに対にたいする抗体こうたいひと一定いってい程度ていどいて、今後こんご感染かんせん拡大かくだいおさえられることにつながる可能かのうせいがあると指摘してきしています。

抑制よくせい要因よういん2「気温きおん上昇じょうしょう換気かんきしやすく」

新型しんがたコロナウイルスは、おもまつや「マイクロまつ」や「エアロゾル」とばれる密閉みっぺいされた室内しつないただよ、ごくちいさなまつを通をつうじて感染かんせんするため、換気かんき重要じゅうよう対策たいさくとなってきました。

専門せんもん会合かいごう今後こんご気温きおん上昇じょうしょう飲食いんしょくてんなど換気かんきしやすくなることや、屋内おくないごす時間じかんことも感染かんせん拡大かくだい抑制よくせいする要因よういんとしてかんがえられるとしています。

専門せんもん会合かいごうは、こうした感染かんせん増加ぞうか要因よういん抑制よくせい要因よういん変化へんか感染かんせん状況じょうきょう影響えいきょうするとしていて、感染かんせんおさえるためには、ワクチンの追加ついか接種せっしゅ着実ちゃくじつ実施じっしすることやぬのマスクただしい着用ちゃくよう消毒しょうどく換気かんきみつけるといった対策たいさく徹底てってい必要ひつようだとしています。

専門せんもん

国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがく和田わだ教授きょうじゅは「わか世代せだいでのワクチン追加ついか接種せっしゅをさらにすすめるなど感染かんせん抑制よくせい結び付むすびつ要素ようそいつけば急激きゅうげき増加ぞうかおさえられる可能かのうせいもある。追加ついか接種せっしゅける機会きかいのがさず、なるべくはやけてほしい。のどのいたみ、発熱はつねつなど体調たいちょうすこでもおかしいときには感染かんせんしているとかんがえてひとわないようにしてほしい」とはなしています。

そして今後こんごそなについては「どこかのタイミングだい7がくることを前提ぜんていとした準備じゅんび必要ひつようだ。とく一般いっぱん医療いりょう機関きかんでは、けがや病気びょうき治療ちりょう必要ひつよう患者かんじゃがコロナに感染かんせんしていても対応たいおうできる環境かんきょうととのえることが非常ひじょう重要じゅうようだ。自分じぶんのところで対応たいおうができず転院てんいんもままならなければ救急きゅうきゅう搬送はんそう困難こんなん事例じれいえてきて、それ一般いっぱん医療いりょうひっ迫ひっぱく直結ちょっけつする。だい6教訓きょうくんまえ、地域ちいきごとに医療いりょう体制たいせいさい点検てんけん整備せいびいそ必要ひつようある」と指摘してきしています。
また専門せんもん会合かいごう脇田わきた座長ざちょうは「感染かんせん対策たいさくにはさまざまな意見いけんあるおもが、これまで日本にっぽんでは重症じゅうしょうしゃすう死亡しぼうしゃすうらすため医療いりょうひっ迫ひっぱく兆候ちょうこうがあれば対策たいさくをとってきた。ただ行動こうどう制限せいげんおこな経済けいざいへのダメージもおおきい重点じゅうてん措置そちなどがされていない現状げんじょうでは、経済けいざい活動かつどう抑制よくせいせずに感染かんせんリスクをける行動こうどうや3かいのワクチン接種せっしゅなどの対策たいさくしっかりやっていくということになる個人こじんてき意見いけんだが、今後こんご感染かんせん拡大かくだいして医療いりょうひっ迫ひっぱく確実かくじつこるというような場合ばあい感染かんせんおさえる対策たいさく必要ひつようだとかんがえている。その場合ばあいは、さまざまな関係かんけいしゃがしっかりと合意ごういをしてすすめていくべきだ」とはなしています。
ソース:NHK ニュース