首都近郊からのロシア軍の撤退にともない、激しい戦闘が伝えられた地域の被害の実態が明らかになっています。
ロイター通信が、首都キーウの北西にあるブチャの様子を2日に撮影した映像では、多くの建物が焼けて倒壊し、軍用車両が放置されているのが確認できます。
住民の男性は「2週間地下室にいたが、光がなく、暖まるための暖房もなかった」と話していました。
また、ブチャの市長は、ロイター通信の取材に対し、300人以上の住民が殺害されたと明らかにしたうえで「犠牲者の遺体は、まだ路上に多く残されている。手を縛られ、頭を撃たれた人もいる。この地域でいかに違法なことが行われていたのか想像できる」と話しています。
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【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(3日の動き)
2022-04-03 03:37:17

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる3日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ブチャ市長「300人超の住民殺害」
英外相「ロシア軍の残虐行為にがく然 責任を追及する」
イギリスのトラス外相は2日、ツイッターに「ブチャやそのほかの町における残虐行為にがく然としている。ロシア軍が無実の市民を標的にしていたという報告は忌まわしいものだ」と投稿しました。
そして「イギリス政府は、国際刑事裁判所が行う戦争犯罪の捜査のため各国と協力して証拠を集め、責任を追及する」としています。
ロイター通信やAP通信が配信した首都キーウの北にあるブチャの映像では、武装したり軍服を着たりはしていない複数の遺体が道路脇などに横たわっているのが確認できます。
そして「イギリス政府は、国際刑事裁判所が行う戦争犯罪の捜査のため各国と協力して証拠を集め、責任を追及する」としています。
ロイター通信やAP通信が配信した首都キーウの北にあるブチャの映像では、武装したり軍服を着たりはしていない複数の遺体が道路脇などに横たわっているのが確認できます。
ザポリージャ州で捕虜の交換 ウクライナの公共放送伝える
ウクライナの公共放送は動画投稿サイト、ユーチューブで現地の状況を連日、国内外に英語で発信しています。
2日に公開された放送では、4月1日に南東部ザポリージャ州でウクライナ軍とロシア軍の捕虜の交換が行われ、86人ずつが相手方に引き渡されました。
ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官によりますと、ウクライナ兵86人のうち、15人は女性だということで、捕虜だった人たちは医療など必要な支援を受けたということです。
2日に公開された放送では、4月1日に南東部ザポリージャ州でウクライナ軍とロシア軍の捕虜の交換が行われ、86人ずつが相手方に引き渡されました。
ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官によりますと、ウクライナ兵86人のうち、15人は女性だということで、捕虜だった人たちは医療など必要な支援を受けたということです。
首都キーウ近郊 ウクライナ軍が奪還 ロシア軍 “地雷設置”

首都キーウ近郊ではウクライナ軍が複数の町を奪還するなど戦闘の主導権を握っているとみられますが、ロシア軍は撤退する際に地雷を設置しているとして、ウクライナのゼレンスキー大統領は住民たちに戻らないよう呼びかけています。
イギリス国防省は2日、ウクライナ軍が首都キーウの東にある複数の村を奪還したほか、北西にあるイルピンから、さらに北のブチャやホストメリに向けて前進を試みていると指摘し、首都近郊で戦闘の主導権を握っていると分析しています。
ウクライナ政府は30を超える町や村を奪還したとしていて、ゼレンスキー大統領は2日に発表した声明で、北部にいたロシア軍は少しずつ撤退していると明らかにしました。
ただ「ロシア軍は地雷をあらゆる場所に埋めている」として、安全を丁寧に確認する必要があるとして避難している住民に対し、まだ戻らないよう呼びかけています。
イギリス国防省は2日、ウクライナ軍が首都キーウの東にある複数の村を奪還したほか、北西にあるイルピンから、さらに北のブチャやホストメリに向けて前進を試みていると指摘し、首都近郊で戦闘の主導権を握っていると分析しています。
ウクライナ政府は30を超える町や村を奪還したとしていて、ゼレンスキー大統領は2日に発表した声明で、北部にいたロシア軍は少しずつ撤退していると明らかにしました。
ただ「ロシア軍は地雷をあらゆる場所に埋めている」として、安全を丁寧に確認する必要があるとして避難している住民に対し、まだ戻らないよう呼びかけています。
ロシア軍 ウクライナ東部の作戦を強化

ロシア軍はウクライナ東部での作戦を強化し、ロシア国防省は2日、ハルキウ州とドニプロペトロウシク州にある鉄道の駅の付近をミサイルで攻撃し、ウクライナ軍の装甲車や燃料タンクなどを破壊したと発表しました。
ロシア国営のタス通信によりますと、ロシア大統領府のペスコフ報道官は2日「ウクライナの軍事インフラの大部分を破壊した。軍事作戦の目的が一刻も早く達成され、敵対行為が停止されることを望む」と述べ、東部地域の解放を理由に戦闘を続けると改めて強調しました。
ロシア国営のタス通信によりますと、ロシア大統領府のペスコフ報道官は2日「ウクライナの軍事インフラの大部分を破壊した。軍事作戦の目的が一刻も早く達成され、敵対行為が停止されることを望む」と述べ、東部地域の解放を理由に戦闘を続けると改めて強調しました。
マリウポリからの住民避難 4217人

またロシア軍が包囲し、深刻な人道危機が起きている東部の要衝マリウポリからの住民の避難について、ロイター通信は2日、ウクライナのベレシチュク副首相の話として4217人が戦闘地域から避難したと伝えました。
ただ、いまだおよそ10万人以上が取り残されているとみられ、水や電気の供給が止まり医薬品なども届かない中、住民の避難を加速させられるかが大きな課題となっています。
ただ、いまだおよそ10万人以上が取り残されているとみられ、水や電気の供給が止まり医薬品なども届かない中、住民の避難を加速させられるかが大きな課題となっています。
フランシスコ教皇 首都キーウ訪問「検討している」

ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は2日、ウクライナ政府が首都キーウ訪問を要請していることについて記者団に問われ、「検討している」と明らかにしました。
このあと、フランシスコ教皇は訪問先の地中海の島国マルタで行った演説でウクライナの状況について「私たちは他国への侵略や残酷な市街戦、それに核の脅威は過去の恐ろしい記憶だと考えてきた。しかし今回の戦争は、死と破壊と憎しみだけをもたらし、多くの人々の命と暮らしを徹底的に奪い去った」と述べました。
そのうえで「残念ながら一部の権力者は時代錯誤にも自国の利益を主張することにとらわれ、紛争を誘発してあおっている。人類は戦争に直面しているが、どうか平和の夢を消し去らないようにしよう」と訴えました。
このあと、フランシスコ教皇は訪問先の地中海の島国マルタで行った演説でウクライナの状況について「私たちは他国への侵略や残酷な市街戦、それに核の脅威は過去の恐ろしい記憶だと考えてきた。しかし今回の戦争は、死と破壊と憎しみだけをもたらし、多くの人々の命と暮らしを徹底的に奪い去った」と述べました。
そのうえで「残念ながら一部の権力者は時代錯誤にも自国の利益を主張することにとらわれ、紛争を誘発してあおっている。人類は戦争に直面しているが、どうか平和の夢を消し去らないようにしよう」と訴えました。
原発がある南東部の都市 エネルホダルで住民集会中に爆発音

ウクライナ国営の原子力企業は、南東部のザポリージャ原発がある都市エネルホダルで、2日に撮影されたとする映像をSNS上で公開しました。
住民たちが広場で集会を開いていたところ、突然、大きな爆発音や銃声が響き渡ったということです。
映像では、大きな爆発音が何度も聞こえ、白い煙がいくつも立ち上っている様子が確認できます。
また、爆発現場の近くには多くの人が集まっている様子もわかります。
この爆発で4人がけがをしたということです。
住民たちが広場で集会を開いていたところ、突然、大きな爆発音や銃声が響き渡ったということです。
映像では、大きな爆発音が何度も聞こえ、白い煙がいくつも立ち上っている様子が確認できます。
また、爆発現場の近くには多くの人が集まっている様子もわかります。
この爆発で4人がけがをしたということです。
国連 “ウクライナで4月1日までに1325人の市民が死亡”
国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まったことし2月24日から4月1日までに、ウクライナで少なくとも1325人の市民が死亡したと発表しました。
このうち120人は子どもだということです。
死亡した人のうち
▽448人は東部の2つの州で、
▽877人はキーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで確認されています。
また、けがをした人は2017人に上るということです。
ただ、ロシア軍の激しい攻撃が続く東部マリウポリなどでは確認が取れていないため、実際の死者やけが人の数はこれよりはるかに多いとしています。
このうち120人は子どもだということです。
死亡した人のうち
▽448人は東部の2つの州で、
▽877人はキーウ州や東部のハルキウ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州などで確認されています。
また、けがをした人は2017人に上るということです。
ただ、ロシア軍の激しい攻撃が続く東部マリウポリなどでは確認が取れていないため、実際の死者やけが人の数はこれよりはるかに多いとしています。
ポーランド 避難した人への衣類の支援続く

ウクライナで家を追われた人の多くが避難生活が長引く中、国境に近いポーランド南東部のジェシュフでは、地元の人たちが寄付した服を無料で提供する取り組みが続けられています。
避難した人の多くが突然の攻撃で混雑する列車やバスに乗るためわずかな荷物しか持ち出せませんでした。
季節が冬から春へと移り変わるなかで、会場では春物の古着や靴などが所狭しと並べられていて訪れた人たちが手に取ってサイズを確認していました。
運営担当者によりますと避難先で新たな仕事を始めたり、子どもを学校に通わせたりするための衣類を必要とする人も多いということです。
また、寄付されるのは古着が多く、新品の下着や靴下などが最も不足しているということです。
避難した人の多くが突然の攻撃で混雑する列車やバスに乗るためわずかな荷物しか持ち出せませんでした。
季節が冬から春へと移り変わるなかで、会場では春物の古着や靴などが所狭しと並べられていて訪れた人たちが手に取ってサイズを確認していました。
運営担当者によりますと避難先で新たな仕事を始めたり、子どもを学校に通わせたりするための衣類を必要とする人も多いということです。
また、寄付されるのは古着が多く、新品の下着や靴下などが最も不足しているということです。
ソース:NHK ニュース