キーウ近郊きんこう 多おおくの市民しみん死亡しぼう ロシアに厳きびしい対応たいおう求もとめる声こえ強つよまる

ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづく中なか、ロシア軍ぐんが撤退てったいした首都しゅとキーウ近郊きんこうで多おおくの市民しみんが死亡しぼうしているのが見みつかりました。
ロシア側がわは関与かんよを否定ひていしていますが、ドイツのショルツ首相しゅしょうが追加ついかの制裁せいさいも示唆しさするなどロシアへの厳きびしい対応たいおうを求もとめる声こえが強つよまっています。

ウクライナに侵攻しんこうしたロシア軍ぐんは、首都しゅとキーウ、ロシア語ごでキエフの近郊きんこうまで部隊ぶたいを前進ぜんしんさせたもののウクライナ軍ぐんの抵抗ていこうを受うけて撤退てったいを進すすめていて、ウクライナの国防こくぼう次官じかんは2日にち、キーウ州しゅう全域ぜんいきを奪還だっかんしたと発表はっぴょうしました。

ところがロシア軍ぐんが撤退てったいしたキーウ北西ほくせいのブチャにロイター通信ろいた-つうしんなどの記者きしゃが入はいったところ、多おおくの市民しみんが路上ろじょうで死亡しぼうしているのが見みつかりました。

ブチャの市長しちょうはロイター通信ろいた-つうしんの取材しゅざいに対にたいし「手てを縛しばられ、頭あたまを撃うたれた人ひともいる」と話はなしています。

ウクライナのベネディクトワ検事けんじ総長そうちょうは3日にち、キーウ近郊きんこうでこれまでに410人にんの市民しみんの遺体いたいが運び出はこびだされたとしたうえで「ロシアによる残忍ざんにんな戦争せんそう犯罪はんざいの決定けってい的てきな証拠しょうこだ」と強つよく非難ひなんしました。

ロシア国防省こくぼうしょう “ウクライナや欧米おうべい側がわのねつ造ねつぞう”と反論はんろん

これに対にたいしロシア国防省こくぼうしょうは「ウクライナ側がわが発表はっぴょうした写真しゃしんや映像えいぞうは新あらたな挑発ちょうはつ行為こういにすぎない。ロシア軍ぐんが街まちを支配しはいしていた時ときに市民しみんに暴力ぼうりょくを振ふるったことはなく人々ひとびとは自由じゆうに行動こうどうできていた」などと否定ひていし、遺体いたいの映像えいぞうはウクライナや欧米おうべい側がわがねつ造ねつぞうしたものだと反論はんろんしました。

各国かっこく首脳しゅのうからロシア非難ひなんの声こえ相次あいつぐ

しかしイギリスのジョンソン首相しゅしょうが「プーチン大統領だいとうりょうやロシア軍ぐんが戦争せんそう犯罪はんざいを行おこなっていることを示しめすさらなる証拠しょうこだ」と指摘してきしたほか、フランスのマクロン大統領だいとうりょうも「ロシア当局とうきょくはこの犯罪はんざいに対にたいする報むくいを受うけなければならない」とコメントするなど各国かっこくの首脳しゅのうからロシアを非難ひなんする声こえが相次あいついでいます。

さらにドイツではショルツ首相しゅしょうが「同盟どうめい国こくなどとともに近ちかくさらなる措置そちを決きめる」と述のべて追加ついかの制裁せいさいを示唆しさし、ランブレヒト国防こくぼう相しょうも「このような犯罪はんざいをうやむやにしてはならない。EU＝ヨーロッパ連合れんごうはロシアからの天然てんねんガスの輸入ゆにゅう停止ていしも検討けんとうすべきだ」と述のべ、ロシアへの厳きびしい対応たいおうを求もとめる声こえが強つよまっています。

ウクライナとロシアとの停戦ていせん交渉こうしょうは4日にちも続つづけられることになっていますが、キーウ近郊きんこうでの凄惨せいさん（せいさん）な状況じょうきょうが明あきらかになったことで交渉こうしょうへの影響えいきょうが出でる可能かのう性せいもあり先行さきゆきは不透明ふとうめい感かんを増ましています。

ゼレンスキー大統領だいとうりょう「市民しみんが拷問ごうもん受うけ殺害さつがいされた」

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは3日にちに公開こうかいしたビデオメッセージで「何なん百ひゃく人にんもの市民しみんが拷問ごうもんを受うけて殺害さつがいされた。路上ろじょうには遺体いたいが並ならんでいる。そして遺体いたいにまで地雷じらいが設置せっちされている」と述のべ、ロシア軍ぐんが残虐ざんぎゃく行為こういを行おこなったと強つよく非難ひなんしました。そのうえで「世界せかいではこれまで多おおくの戦争せんそう犯罪はんざいが起おこってきたが、これで最後さいごにするために全力ぜんりょくを尽つくす時ときだ」と訴うったえました。

さらに「ロシアには追加ついかの制裁せいさいが科かされるだろうが、それだけでは足たりない」と述のべて、なぜウクライナがこれだけの被害ひがいを受うけたのか、その経緯けいいにも目めを向むけるよう国際こくさい社会しゃかいに求もとめました。

岸田きしだ首相しゅしょう「国際こくさい法ほう違反いはんの行為こういを厳きびしく批判ひはんする」

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんは4日にち午前ごぜん、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで記者きしゃ団だんに対にたいし「民間みんかん人じんに危害きがいを加くわえるという国際こくさい法ほう違反いはんの行為こういを厳きびしく批判ひはんする。国際こくさい社会しゃかいで非難ひなんが高たかまっていることを承知しょうちしており、日本にっぽんもこうした人道じんどう上じょう問題もんだいとなる行為こうい、国際こくさい法ほう違反いはんの行為こういを厳きびしく批判ひはんし非難ひなんしていかなければならない」と述のべました。

そのうえで「さらなる制裁せいさいについては全体ぜんたいの状況じょうきょうを見みながら国際こくさい社会しゃかいとしっかり連携れんけいし、わが国わがくにとしてやるべきことをしっかり行いっていきたい」と述のべました。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「強つよい衝撃しょうげきを受うけている」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは午前ごぜんの記者きしゃ会見かいけんで「ウクライナで多おおくの市民しみんが犠牲ぎせいになっていることを極きわめて深刻しんこくに受け止うけとめており強つよい衝撃しょうげきを受うけている。この民間みんかん人じんの殺害さつがいは国際こくさい人道じんどう法ほう違反いはんであり断だんじて許ゆるされず厳きびしく非難ひなんする。わが国わがくにとしても戦争せんそう犯罪はんざいが行おこなわれたと考かんがえられることを理由りゆうにウクライナの事態じたいを国際こくさい刑事けいじ裁判所さいばんしょに付託ふたくした。引き続ひきつづき同どう裁判所さいばんしょの検察官けんさつかんによる捜査そうさがしっかりと行おこなわれることに期待きたいする」と述のべました。

そのうえで「いずれにせよ今回こんかいのロシアによるウクライナに対にたいする侵略しんりゃくは明白めいはくな国際こくさい法ほう違反いはんであり、断だんじて許容きょようできず厳きびしく非難ひなんする。ロシアは責任せきにんをきちんととられるべきである」と強調きょうちょうしました。

さらに松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは記者きしゃ団だんからロシアへの追加ついかの制裁せいさいを行おこなうか問とわれたのに対にたいし「ロシアに対にたいする制裁せいさい措置そちについてはこれまでG7＝主要しゅよう7か国かこくを含ふくむ国際こくさい社会しゃかいと連携れんけいし機動きどう的てきに厳きびしい措置そちを講こうじてきたが、引き続ひきつづき今後こんごの状況じょうきょうを踏ふまえつつ適切てきせつに対応たいおうしていきたい」と述のべました。

ソース：NHK ニュース