ウクライナの首都キーウ・ロシア語でキエフ周辺に展開していたロシア軍について、アメリカ国防総省の高官は4日、再配置の動きが続いていると指摘し、これまでにおよそ3分の2の部隊が現地を離れたとする分析を明らかにしました。
ウクライナと国境を接するベラルーシに向けて北上しているか、すでにベラルーシへの移動を終えたとみられるということで、この高官は、これらの部隊が補給や人員の追加を受けたあと、ウクライナ東部などでの戦闘に再び投入される可能性があるという見方を示しています。
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キーウ近郊で市民死亡 欧米各国新たな制裁へ ロシアは関与否定
2022-04-05 03:32:17

ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウの近郊などで多くの市民が死亡しているのが見つかったことを受けて、アメリカが同盟国と連携してロシアへの新たな制裁を今週中に打ち出す見通しを示すなど、欧米各国は相次いで対応に乗り出しています。
一方、ロシア側は関与を否定し、欧米への対立姿勢を鮮明にしています。
一方、ロシア側は関与を否定し、欧米への対立姿勢を鮮明にしています。


一方、ロシア軍が撤退を進めてきたキーウの北西にあるブチャで、多くの市民が路上で死亡しているのが見つかったことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、公開したビデオメッセージで、300人以上の市民が殺害されたり、拷問を受けたりしたという情報があると明らかにしたうえで、死者の数はさらに増えるという見通しを示しました。
そのうえで、「犯罪に関与したロシア軍を一刻も早く特定するため、あらゆる手を尽くしている。彼らを罰するために、EU=ヨーロッパ連合や、国際刑事裁判所などの国際機関と協力していくことになる」と述べ、関係機関と連携してロシア軍の行為を厳しく追及していく考えを示しました。
そのうえで、「犯罪に関与したロシア軍を一刻も早く特定するため、あらゆる手を尽くしている。彼らを罰するために、EU=ヨーロッパ連合や、国際刑事裁判所などの国際機関と協力していくことになる」と述べ、関係機関と連携してロシア軍の行為を厳しく追及していく考えを示しました。

欧米各国は相次いで対応に乗り出していて、このうち、アメリカ・ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は4日、ロシアへの新たな制裁について「同盟国や友好国と具体的な内容を協議している」と述べ、今週中に同盟国などと連携して打ち出すことになるという見通しを示しました。
またフランスの外務省は4日、ロシアの外交官について、「われわれの安全保障上の利益と相反する行動をしている」として、多くのロシアの外交官を追放することを決めたと発表しました。
またフランスの外務省は4日、ロシアの外交官について、「われわれの安全保障上の利益と相反する行動をしている」として、多くのロシアの外交官を追放することを決めたと発表しました。

さらにドイツのベアボック外相も、4日の声明で、「ロシアの指導者たちの信じられないほどの残忍さを証明するものだ。この非人道的な行動に対抗しなければならない」として、首都ベルリンのロシア大使館に勤務する、かなりの数の外交官を追放する措置をとると発表しました。
こうした動きに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、「いかなる非難も断固として拒否する」と述べ関与を否定していて、ドイツによる外交官の追放についても、「われわれは、このドイツの悪意ある行為に対応する」として、対抗措置をとる考えを示すなど、欧米への対立姿勢を鮮明にしています。
こうした動きに対し、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、「いかなる非難も断固として拒否する」と述べ関与を否定していて、ドイツによる外交官の追放についても、「われわれは、このドイツの悪意ある行為に対応する」として、対抗措置をとる考えを示すなど、欧米への対立姿勢を鮮明にしています。
松野官房長官「状況踏まえつつ適切に対応」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「ウクライナで多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止め、強い衝撃を受けている。むこの民間人の殺害は重大な国際人道法違反であり、断じて許されず厳しく非難する」と述べました。
そのうえで「残虐な行為の真相は明らかにされ、ロシアの責任は厳しく問われなければならない。ロシアに対する制裁措置はこれまでG7=主要7か国を含む国際社会と連携し機動的に厳しい措置を講じてきたが、引き続き今後の状況を踏まえつつ適切に対応する」と述べました。
そのうえで「残虐な行為の真相は明らかにされ、ロシアの責任は厳しく問われなければならない。ロシアに対する制裁措置はこれまでG7=主要7か国を含む国際社会と連携し機動的に厳しい措置を講じてきたが、引き続き今後の状況を踏まえつつ適切に対応する」と述べました。
ソース:NHK ニュース