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甲府こうふ夫婦ふうふ殺害さつがい事件じけん 19さい被告ひこく起訴きそ 改正かいせい少年しょうねんほう施行しこう氏名しめいはつ公表こうひょう

2022-04-08 06:04:14

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去年きょねん10つき甲府こうふ住宅じゅうたくで50だい夫婦ふうふ殺害さつがいされ住宅じゅうたく放火ほうかされた事件じけんで、甲府こうふ地方ちほう検察庁けんさつちょう刑事けいじ処分しょぶん相当そうとうとして家庭かてい裁判所さいばんしょから送り返おくりかえされた19さい被告ひこく殺人さつじんなどつみ起訴きそしました。

起訴きそされたのは事件じけん当時とうじ定時ていじせい高校こうこうかよっていた甲府こうふ遠藤えんどう裕喜ひろき被告ひこく(19)です。

起訴きそじょうなどによりますと、去年きょねん10つき市内しない住宅じゅうたく侵入しんにゅうこのいえ会社かいしゃいんおっと井上いのうえもりつかささん(55)とつま井上いのうえあきらめぐみさん(50)をナイフして殺害さつがいしたうえ、次女じじょにけがをわせ住宅じゅうたくをつけたとして殺人さつじん放火ほうかなどのつみわれています。

警察けいさつによりますと、被告ひこく夫婦ふうふ同居どうきょする長女ちょうじょ面識めんしきがあり逮捕たいほ調しらに対にたい好意こういがあったがおもどおりにならず、本人ほんにんその家族かぞく殺害さつがいするつもりだった」など供述きょうじゅつしていました。

先月せんげつ家庭かてい裁判所さいばんしょおくられましたが「凶器きょうき計画けいかくてき準備じゅんび証拠しょうこ隠滅いんめつするために放火ほうかした。資質ししつ成育せいいく過程かてい問題もんだい影響えいきょうおよぼした可能かのうせいもあるが反省はんせい謝罪しゃざい態度たいどられず結果けっか重大じゅうだいで、刑事けいじ処分しょぶん相当そうとうだ」として検察庁けんさつちょう送り返おくりかえされていました。

甲府こうふ地方ちほう検察庁けんさつちょうは、専門せんもんによる精神せいしん鑑定かんてい結果けっかなどまえ刑事けいじ責任せきにんえる判断はんだんして8にち起訴きそしました。

今月こんげつ施行しこうされた改正かいせい少年しょうねんほう事件じけん当時とうじ18さいと19さいの「特定とくてい少年しょうねん」が正式せいしき起訴きそされた場合ばあい実名じつめいでの報道ほうどう可能かのうとなり、検察けんさつは「重大じゅうだい事案じあん地域ちいき社会しゃかいあたえた影響えいきょう深刻しんこく」だとして今回こんかい氏名しめい公表こうひょうしました。改正かいせい少年しょうねんほう施行しこうはじめてです。

被告ひこく今後こんご成人せいじんおなように裁判さいばんいんによる刑事けいじ裁判さいばんけることになります。

改正かいせい少年しょうねんほうとは

少年しょうねんほう成人せいじん年齢ねんれい引き下ひきさわせて改正かいせいされ、今月こんげつ1にち施行しこうされました。

少年しょうねん」の健全けんぜん育成いくせい目的もくてきとする少年しょうねんほう刑罰けいばつあたえることよりも立ち直たちなお重視じゅうしして、20さい以上いじょうの「大人おとな」とはことなる特別とくべつ手続てつづさだめています。

成人せいじんとなった18さいと19さい引き続ひきつづ改正かいせい少年しょうねんほう適用てきようされますが、あらたに「特定とくてい少年しょうねん」と位置いちづけられ17さい以下いかとは一部いちぶことなる取り扱とりあつかけます。

警察けいさつ検察けんさつ捜査そうさけたあと家庭かてい裁判所さいばんしょおくられるのはおなですが「刑罰けいばつべき」として原則げんそく家庭かてい裁判所さいばんしょから検察けんさつ送り返おくりかえぎゃくおく」という手続てつづ対象たいしょう事件じけん拡大かくだいされました。

これまでは殺人さつじん傷害しょうがい致死ちしなど故意こいひと死亡しぼうさせたつみかぎられていましたが「特定とくてい少年しょうねん」については強盗ごうとう強制きょうせい性交せいこう放火ほうかなど法定ほうていけい下限かげんが1ねん以上いじょうつみ対象たいしょうになりました。

起訴きそされると大人おとなおなように裁判さいばんひらかれ、実刑じっけい確定かくていすれば立ち直たちなお教育きょういくおこな少年しょうねんいんではなく刑務所けいむしょなどけいふくことになります。

また少年しょうねんほうでは立ち直たちなおさまたにならないよう名前なまえかお写真しゃしんなど本人ほんにん推定すいていできる情報じょうほう報道ほうどう禁止きんししていますが「特定とくてい少年しょうねん」が起訴きそされた場合ばあいほうじることが可能かのうになりました。

一方いっぽう改正かいせいほう付帯ふたい決議けつぎでは「特定とくてい少年しょうねん健全けんぜん育成いくせい更生こうせいさまたとならないようじゅうふん配慮はいりょされなければならない」とされていて、最高さいこう検察庁けんさつちょう裁判さいばんいん裁判さいばん対象たいしょう事件じけんなど犯罪はんざい重大じゅうだい地域ちいき社会しゃかいあたえる影響えいきょう深刻しんこく事案じあん」を実名じつめい公表こうひょう検討けんとう対象たいしょうとするかんがしめしています。

被告ひこくとは

被告ひこく甲府こうふ市内しない中学校ちゅうがっこうかよっていましたが、途中とちゅうから登校とうこうになったといいます。中学校ちゅうがっこう同級生どうきゅうせいは「あまり学校がっこうておらず登校とうこうだったので、かれはなしはあまりいたことがなかった」とか「1年生ねんせいはや段階だんかいからなくなっちゃったというかんです。中学ちゅうがく1ねん夏休なつやすくらいの時期じきクラス友達ともだちとたまにあそんでいた印象いんしょうあるが、それ以降いこう印象いんしょうにない」とはなしていました。

中学校ちゅうがっこう卒業そつぎょう県内けんない定時ていじせい高校こうこう進学しんがくし、去年きょねん4つきからは生徒せいと会長かいちょうつとめていました。おな高校こうこう生徒せいとは「すごくまじめに取り組とりく生徒せいとで、みんなをまとめていたことが印象いんしょうてきだ。生徒せいと会長かいちょうをしていて学校がっこう活動かつどう積極せっきょくてきやしたり、いまよりあかるい学校がっこうにしたいと方針ほうしんはなしていた。すごくかなしく、やってはいけないことなのでしっかりつみつぐない、自分じぶんおかしたことに向き合むきあっていってほしい」とはなしていました。

以前いぜん近所きんじょんでいたという女性じょせい事件じけんについて「本当ほんとうおどろいた。おとなしくいいで、まさか事件じけんこすとはおもわなかった」とはなしていました。

事件じけんとは

起訴きそじょう警察けいさつなどへの取材しゅざいによる事件じけん経緯けいいです。

去年きょねん10つき12にち午前ごぜん3時半じはんごろ、事件じけんきました。現場げんばとなった甲府こうふ住宅じゅうたくには50だい夫婦ふうふと10だいむすめ2にん一家いっか4にんんでいました。

すうキロはなれた自宅じたくからあるいて被告ひこくは、住宅じゅうたくの1かいまどって侵入しんにゅうしたとみられています。そして夫婦ふうふあたまなどをなたでなんなぐったうえ、果物くだものナイフして殺害さつがいその後そのご鉢合はちあわせした次女じじょあたまもなたでなぐったとされています。

その後そのごむすめ2にんは2かいのベランダからげて警察けいさつ通報つうほう

被告ひこく住宅じゅうたくあぶらをまいてをつけたとされ、住宅じゅうたく全焼ぜんしょうしました。

現場げんばから立ち去たちさった被告ひこく自宅じたくくるま乗り換のりかえて逃走とうそうつづけましたが、午後ごご7ごろ、30キロほどはなれた山梨やまなしけん身延みのぶまち駐在ちゅうざいしょ出頭しゅっとうしました。

捜査そうさ関係かんけいしゃによりますと、出頭しゅっとうしたさいひところしてしまった」ときながらはなしていたということです。警察けいさつその後そのご放火ほうか夫婦ふうふ殺害さつがいしたうたが逮捕たいほしました。

甲府こうふ地方ちほう検察庁けんさつちょう事件じけん当時とうじ精神せいしん状態じょうたいなど調しらべるため、去年きょねん12つきからおよそ3か月かげつかん鑑定かんてい留置とめおきおこなったあと家庭かてい裁判所さいばんしょおくりました。

そして甲府こうふ家庭かてい裁判所さいばんしょ今月こんげつ4にち少年しょうねん審判しんぱんで「凶器きょうき計画けいかくてき準備じゅんび証拠しょうこ隠滅いんめつするために放火ほうかした。資質ししつ成育せいいく過程かてい問題もんだい影響えいきょうおよぼした可能かのうせいもあるが反省はんせい謝罪しゃざい態度たいどられず結果けっか重大じゅうだいで、刑事けいじ処分しょぶん相当そうとうだ」として検察庁けんさつちょう送り返おくりかえ決定けっていをしていました。
ソース:NHK ニュース