ロシア ウクライナ東部南部で攻勢強化 欧米さらなる軍事支援へ
2022-04-08 11:20:56

ロシア国防省は8日、ウクライナ東部ドネツク州で各地の鉄道の駅をミサイルで攻撃し、この地域に運ばれてきたウクライナ軍の兵器や装備品を破壊したほか、黒海に面する南部の港湾都市オデーサの北東にある「外国人の傭兵訓練センター」をミサイルで破壊したと発表しました。
戦況を分析するイギリス国防省は8日、東部と南部の都市でロシア軍が砲撃を続けていて、東部ハルキウ州にある戦略上重要な都市、イジュームを支配下に置いたあと、さらに南下していると指摘しています。そして、首都キーウ近郊から撤退した部隊の一部が東部に投入されるとみられ、この再配備にむけた補充に少なくとも1週間かかる見通しであると分析しています。
また、アメリカ軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は7日、議会上院の公聴会で「ロシア軍は南東部に戦力を集めており、大規模な戦闘はこれからだ」と述べたうえで、戦闘が長期化する可能性があるという見方を示しました。
そして、ウクライナへの軍事支援について、欧米側からこれまでに対戦車兵器およそ6万基と、対空兵器およそ2万5000基を供与したと明らかにし、そのうえで、今後の大規模な戦闘に向けて、ウクライナ軍は装甲車や迫撃砲といった兵器を求めていると指摘し、関係国と調整する考えを示しました。
NATO=北大西洋条約機構も7日、外相会合を開き、兵器の追加供与など、ウクライナに対する軍事支援の強化で一致しています。
一方、ロシアは、アメリカなどのこうした動きを強く警戒していて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は7日、「ウクライナに様々な形式の兵器を提供することは、ロシアとウクライナの交渉の成功につながらない。非常に悪い結果になることは間違いない」と述べて、ウクライナとの停戦交渉に影響が及ぶと、けん制しています。