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くわしく解説かいせつ北朝鮮きたちょうせん 来週らいしゅう特別とくべつしゅう 10ねんに1節目ふしめ相次あいつ

2022-04-09 03:56:32

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来週らいしゅう北朝鮮きたちょうせんでは節目ふしめなる記念きねん相次あいつため、国威こくい発揚はつよう指導しどうしゃ権威けんいたかめる目的もくてきでさらなるミサイルの発射はっしゃかく実験じっけんなど踏み切ふみきのではないかという懸念けねんたかまっています。

北朝鮮きたちょうせん情勢じょうせいについて長年ながねん取材しゅざいしている国際こくさい高野たかのひろしデスクが解説かいせつします。

4つき11にちと4つき15にち 北朝鮮きたちょうせんにとってどんな

まず4つき11にちは、キム・ジョンウンそう書記しょき朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとうトップ就任しゅうにんしてから10ねんという節目ふしめです。

そして4つき15にちは、キムそう書記しょき祖父そふキム・イルソン主席しゅせき生誕せいたん110ねんで、こちらは「民族みんぞく最大さいだい祝日しゅくじつ」とされています。

北朝鮮きたちょうせんくにげていわ10ねんに1節目ふしめ相次あいつことから、来週らいしゅう特別とくべつしゅうだといえます。

重要じゅうよう節目ふしめ 過去かこにはどんなことが?

10ねんまえのキム主席しゅせき生誕せいたん100ねんときには、事実じじつじょう長距離ちょうきょり弾道だんどうミサイルを発射はっしゃしました。

そのさい北朝鮮きたちょうせんは「人工じんこう衛星えいせい打ち上うちあげる」として海外かいがいメディアはじめて発射はっしゃだい公開こうかい

わたし訪朝ほうちょうして現地げんち取材しゅざいしました。

たかさ50メートル発射はっしゃだいには事実じじつじょう長距離ちょうきょり弾道だんどうミサイルである3段式だんしきロケット据え付すえつけられていました。

200メートルくらいまでちかづけたんですが、責任せきにんしゃは、命令めいれいがありしだい燃料ねんりょう地下ちかから自動じどうてき注入ちゅうにゅう、すぐに発射はっしゃできる説明せつめいしていました。

来週らいしゅうもミサイルが発射はっしゃされる可能かのうせいはあるのか?

可能かのうせい十分じゅうぶんあるとおもいます。

北朝鮮きたちょうせん今年ことしはいって1つき、2つき、3つき毎月まいつき弾道だんどうミサイルを発射はっしゃ

今月こんげつもいつ発射はっしゃしてもおかしくありません。

キムそう書記しょき先月せんげつ固定こていしき発射はっしゃだい視察しさつし、偵察ていさつ衛星えいせいなど打ち上うちあげに施設しせつ改修かいしゅう拡張かくちょう指示しじしていて「人工じんこう衛星えいせい打ち上うちあげ」としょうしてICBMきゅう発射はっしゃすることもかんがえられます。

キム・ジョンウン政権せいけんになってから発射はっしゃされた弾道だんどうミサイルは、この10年間ねんかんで106はつと、ちちのキム・ジョンイル政権せいけんが17年間ねんかん発射はっしゃした16はつじつ6.6ばいのぼっています。
さらに、去年きょねん1つき打ち出うちだした「国防こくぼう5か年かねん計画けいかく」には、ただちに発射はっしゃできる固体こたい燃料ねんりょうもちいたICBMや、ミサイルに複数ふくすう弾頭だんとう弾頭だんとう」、戦術せんじゅつ核兵器かくへいきなど開発かいはつ盛り込もりこまれています。

技術ぎじゅつてき要求ようきゅうくわえ、国威こくい発揚はつよう指導しどうしゃ権威けんいづけを目的もくてき計画けいかく達成たっせいいそそれがあります。

もう1つの焦点しょうてん 今後こんごかく実験じっけん」に踏み切ふみきのか?

北朝鮮きたちょうせんは2018ねん以来いらいかく実験じっけん事実じじつじょう凍結とうけつしてきました。

こちらは、北朝鮮きたちょうせん北東ほくとうプンゲリにあるかく実験じっけんじょうです。

過去かこ6かいかく実験じっけんすべここでおこなわれてきましたが、2018ねん北朝鮮きたちょうせん史上しじょうはつべいちょう首脳しゅのう会談かいだんまえにして「閉鎖へいさした」としていました。

ところが最近さいきんこれまでいち使つかわれたことがない「3ばん坑道こうどう」であらうご衛星えいせい写真しゃしん確認かくにんされました。

核兵器かくへいき小型こがた軽量けいりょう実現じつげんしようと、7かいかく実験じっけん踏み切ふみき可能かのうせい指摘してきされています。

ウクライナ情勢じょうせいあたえる影響えいきょうは?

ウクライナがいま軍事ぐんじ侵攻しんこうけているのをたキムそう書記しょきが、「体制たいせいまもうえ核兵器かくへいきかせない」とあらためて確信かくしんしたとしても不思議ふしぎではありません。

ウクライナは、ソビエト崩壊ほうかいの1994ねん、アメリカ・イギリス・ロシアから安全あんぜん保障ほしょうけるとした「ブダペスト覚書おぼえがき」にサインし、きゅうソビエト時代じだいから保有ほゆうしてきた核兵器かくへいき放棄ほうきしました。

これによって今回こんかいのロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこう抑止よくしりょくはたらかなかったと、キムそう書記しょきかんがえている可能かのうせいがあります。

また国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかいはいわば“機能きのう不全ふぜん”の状態じょうたいで、先月せんげつ北朝鮮きたちょうせんによるICBMきゅう火星かせい17がた」の発射はっしゃでも、中国ちゅうごくとロシアの反対はんたい非難ひなん決議けつぎ採択さいたくされませんでした。

気兼きがなくかく・ミサイル開発かいはつすすめられる好機こうき到来とうらいしたととらえているのではないかとおもいます。

今後こんご北朝鮮きたちょうせんどうてくるのか?

北朝鮮きたちょうせんは、アメリカ・バイデン政権せいけんにおいて中国ちゅうごくやロシア、イランなどくら北朝鮮きたちょうせん優先ゆうせん順位じゅんいひくく、不満ふまんつよわれています。

対話たいわ局面きょくめん当面とうめんないとんで、挑発ちょうはつをエスカレートさせるそれがあります。

また韓国かんこく来月らいげつ、5ねんぶりの保守ほしゅ政権せいけん誕生たんじょうすることも影響えいきょうそうです。

ユン・ソギョル次期じき大統領だいとうりょうは、べいかん同盟どうめい基盤きばん北朝鮮きたちょうせんに対にたいする抑止よくしりょく強化きょうかするとしていて、朝鮮ちょうせん半島はんとう緊張きんちょうたかまることも予想よそうされています。

キムそう書記しょき現在げんざい38さいとみられます。

今後こんごすうじゅうねんにわたって政権せいけんひきいる可能かのうせいがあり、長期ちょうきせんかまです。

北朝鮮きたちょうせんがさらにかく・ミサイル開発かいはつ速度そくどげていくのか、来週らいしゅうその姿勢しせい見極みきわめるうえ重要じゅうようしゅうになりそうです。
ソース:NHK ニュース