【随時ずいじ更新こうしん】ロシア ウクライナに軍事ぐんじ侵攻しんこう（10日にちの動うごき）

ロシアによるウクライナに対にたいする軍事ぐんじ侵攻しんこうが続つづいています。

ウクライナの各地かくちでロシア軍ぐんとウクライナ軍ぐんが戦闘せんとうを続つづけていて、大勢たいせいの市民しみんが国外こくがいへ避難ひなんしています。戦闘せんとうの状況じょうきょうや関係かんけい各国かっこくの外交がいこうなどウクライナ情勢じょうせいをめぐる10日にち（日本にっぽん時間じかん）の動うごきを随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

（日本にっぽんとウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間じかんの時差じさがあります）

ゼレンスキー大統領だいとうりょう「外交がいこうで解決かいけつの機会きかいあるなら逃のがしたくない」

ウクライナでは、避難ひなんするために多おおくの人ひとが集あつまっていた東部とうぶの駅えきがミサイルで攻撃こうげきを受うけて子こども5人にんを含ふくむ合あわせて52人にんが死亡しぼうするなど、市民しみんの犠牲ぎせいが増ふえ続つづけています。イギリス国防省こくぼうしょうは、ロシア軍ぐんが市民しみんを巻き添まきぞえにする危険きけん性せいが高たかいインフラ攻撃こうげきを続つづけ、道路どうろ脇わきに仕掛しかける簡易かんいの爆弾ばくだんも使つかっていると分析ぶんせきし、ロシアへの非難ひなんがさらに強つよまっています。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは9日にち、首都しゅとキーウの大統領だいとうりょう府ふでAP通信つうしんのインタビューに応おうじ「国民こくみんに拷問ごうもんを加くわえた人ひとたちと誰だれも交渉こうしょうを望のぞんではいない」と述のべる一方いっぽう「外交がいこうで解決かいけつする機会きかいがあるのなら逃のがしたくはない」と強調きょうちょうし、ロシア軍ぐんによる攻撃こうげきで市民しみんが巻き込まきこまれる中なかでも交渉こうしょうを通つうじた停戦ていせんは模索もさくしていく姿勢しせいを示しめしました。

そのうえでゼレンスキー大統領だいとうりょうは「要衝ようしょうマリウポリや東部とうぶ地域ちいきの戦闘せんとうで立場たちばが強つよくなれば交渉こうしょうのテーブルが近ちかづき、有利ゆうりな交渉こうしょうができる」と述のべ、停戦ていせん交渉こうしょうで弱よわい立場たちばに置おかれないようロシアへの反撃はんげきを続つづけるとして、欧米おうべいに対にたいしさらなる軍事ぐんじ支援しえんを求もとめました。

ブチャから避難ひなんの女性じょせい「ロシア兵へいの行為こうい 人間にんげんのものとは思おもえず」

多おおくの住民じゅうみんが犠牲ぎせいとなったウクライナの首都しゅとキーウ近郊きんこうのブチャから隣国りんごくポーランドに逃のがれたタチアナ・ガルクーシャさん（26）が7日にち、NHKのインタビューに応おうじました。

ガルクーシャさんは、ロシア軍ぐんがウクライナに侵攻しんこうした2日にち後ごのことし2月末げつまつ、身みの危険きけんを感かんじて家族かぞくとともに車くるまで避難ひなん。避難ひなんした時ときの様子ようすを振り返ふりかえり、「移動いどうしている途中とちゅう、前方ぜんぽうから炎上えんじょうしながら道みちを逆ぎゃく走はしする車くるまを見みました。乗のっている人ひとは生いきていないようで、彼かれらを救すくうことはできませんでした。自分じぶんたちも同おなじ目めにあわないよう無事ぶじに避難ひなんできるよう祈いのりながら移動いどうしました」と話はなしました。

そしてブチャの状況じょうきょうについて、現地げんちに残のこっていた住民じゅうみんから聞きいた話はなしとして「住民じゅうみんたちは長ながくシェルターに隠かくれていたため食料しょくりょうや水みずがなくその場ばで多おおくの人ひとが亡なくなりました。また、亡なくなった人ひとの遺体いたいに爆弾ばくだんがしかけられていることもあり、遺体いたいを埋うめようと持ち上もちあげただけで爆発ばくはつし、犠牲ぎせいになる住民じゅうみんもいました」と証言しょうげんしました。

さらに、「ロシア兵へいが子こどもたちの目めの前まえで親おやを撃ち殺うちころすケースもありました。彼かれらは『ロシア側がわの主張しゅちょうを認みとめれば命いのちは奪うばわない』などと子こどもたちに迫せまったといいます。残のこされた子こどもたちはこれからどうやって生いきていけばいいのでしょうか。ロシア兵へいの行為こういは人間にんげんのものとは思おもえずまるで獣ししのようです。人ひとの命いのちを軽かるんじているとしか思おもえません」と語かたり、ロシア兵へいの残虐ざんぎゃく行為こういに対にたいし怒いかりをあらわにしました。

ウクライナ内相ないしょう“多おおくの家いえに爆発ばくはつ物ぶつ 恐おそろしい状況じょうきょう“

ウクライナの公共こうきょう放送ほうそうは動画どうが投稿とうこうサイト、ユーチューブで現地げんちの状況じょうきょうを連日れんじつ、英語えいごで国内外こくないがいに発信はっしんしています。9日にちに公開こうかいされた放送ほうそうでは、東部とうぶドネツク州しゅうのクラマトルスクで、8日にち、鉄道てつどうの駅えきがミサイル攻撃こうげきを受うけ、子こども5人にんを含ふくむ少すくなくとも52人にんが死亡しぼうしたことについて取り上とりあげています。

また北部ほくぶのチェルニヒウ州しゅうではロシア軍ぐんから銃撃じゅうげきを受うけた複数ふくすうの遺体いたいが見みつかったとしていて、両手りょうてを縛しばられていたり後頭部こうとうぶを撃うたれたりしているケースもあると伝つたえています。

さらに首都しゅとがあるキーウ州しゅうでは専門せんもんの部隊ぶたいがこれまでにおよそ1万まんにのぼる爆発ばくはつ物ぶつの処理しょりにあたったとしています。現地げんちを視察しさつしたデニス・モナスティルスキー内相ないしょうは連日れんじつ、4000を超こえる爆発ばくはつ物ぶつを発見はっけんしているとしたうえで「多おおくの家いえに爆発ばくはつ物ぶつが仕掛しかけられている。恐おそろしい状況じょうきょうだ」と話はなしています。

英えい ジョンソン首相しゅしょう キーウでゼレンスキー大統領だいとうりょうと会談かいだん

イギリスのジョンソン首相しゅしょうは、9日にち、ウクライナの首都しゅと、キーウを訪問ほうもんし、ゼレンスキー大統領だいとうりょうと会談かいだんしました。イギリスの首相しゅしょう官邸かんていによりますと、会談かいだんで、ジョンソン首相しゅしょうはウクライナに対にたいするさらなる軍事ぐんじ支援しえんとして、装甲車そうこうしゃ両りょう120台だいや、対たい艦かんミサイルシステムなどを供与きょうよする方針ほうしんを伝つたえたということです。

ジョンソン首相しゅしょうは、前日ぜんじつの8日にち、対たい戦車せんしゃミサイルなど1億おくポンド、日本にっぽん円えんで160億おく円えん余あまりに相当そうとうする軍事ぐんじ支援しえんをすでに打ち出うちだしています。またゼレンスキー大統領だいとうりょうもイギリスによる支援しえんに謝意しゃいを示しめしたうえで「制裁せいさいという形かたちでロシアに圧力あつりょくをかける必要ひつようがある。そして、いまこそロシアのエネルギー資源しげんを完全かんぜんに禁輸きんゆするときだ」と各国かっこくに強つよく呼よびかけました。

ジョンソン首相しゅしょうのキーウへの訪問ほうもんは、EU＝ヨーロッパ連合れんごうのフォンデアライエン委員いいん長ちょうとボレル上級じょうきゅう代表だいひょうに続つづくもので、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご、G7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのうとしては初はじめてです。

“避難ひなん民みんへの資金しきん協力きょうりょくを” 各国かっこくが1兆ちょう2000億おく円えん余よの支援しえん表明ひょうめい

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうによって住すまいを追おわれ、ウクライナの国内外こくないがいに避難ひなんしている人ひとたちへの資金しきん協力きょうりょくを呼よびかける会合かいごうが9日にち、ポーランドの首都しゅとワルシャワで開ひらかれました。会合かいごうはEU＝ヨーロッパ連合れんごうとカナダの呼よびかけで開ひらかれ、EUのフォンデアライエン委員いいん長ちょうは、大勢たいせいの市民しみんが殺害さつがいされているのが見みつかったウクライナのブチャを前日ぜんじつに訪おとずれたことに触ふれ「ブチャのひどい状況じょうきょうにはことばもない。ウクライナの人々ひとびとは私わたしたちの自由じゆうのために戦たたかっている。ウクライナのために立ち上たちあがろう」と述のべました。会合かいごうでは各国かっこく政府せいふや企業きぎょうなどが合あわせておよそ90億おくユーロ、日本にっぽん円えんで1兆ちょう2000億おく円えん余あまりの支援しえんを表明ひょうめいしました。

少すくなくとも市民しみん1766人にんが死亡しぼう 国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょ

国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょは、ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまったことし2月つき24日にちから今月こんげつ8日にちまでに、ウクライナで少すくなくとも1766人にんの市民しみんが死亡しぼうしたと発表はっぴょうしました。このうち139人にんは子こどもだということです。また、けがをした人ひとは2383人にんにのぼるということです。多おおくの人ひとたちは砲撃ほうげきやミサイル、空爆くうばくなどによって命いのちを落おとしたり、負傷ふしょうしたりしたということです。

今回こんかいの発表はっぴょうには、ロシア軍ぐんの激はげしい攻撃こうげきを受うけている東部とうぶマリウポリなどで、確認かくにんがとれていない犠牲ぎせい者しゃの数かずは含ふくまれておらず、国連こくれん人権じんけん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょは、実際じっさいの数かずはこれよりはるかに多おおいとしています。

444万まん人にん余よが国外こくがいに避難ひなん 国連こくれん難民なんみん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょ

UNHCR＝国連こくれん難民なんみん高等こうとう弁務べんむ官かん事務所じむしょのまとめによりますと、ロシア軍ぐんの侵攻しんこうを受うけてウクライナから国外こくがいに避難ひなんした人ひとの数かずは、8日にちの時点じてんで444万まん人にん余あまりとなっています。主おもな避難ひなん先さきはポーランドがおよそ256万まん人にん、ルーマニアがおよそ67万まん人にん、ハンガリーがおよそ41万まん人にん、モルドバがおよそ40万まん人にんなどとなっています。またロシアに避難ひなんした人ひとは、およそ38万まん人にんとなっています。

ソース：NHK ニュース