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新型しんがたコロナ「BA.2」「XE」とは?っておきたいこと【4/11】

2022-04-11 10:42:06

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新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんまた徐々じょじょえつつあります。
つぎの「だい7」で主流しゅりゅうなるとみられているのが、オミクロンかぶの1つでより感染かんせんりょくたかとされる「BA.2」。さらにイギリスなどではべつ変異へんいウイルス「XE」も徐々じょじょひろがりをみせ、日本にっぽん国内こくないでもはじめて検疫けんえき確認かくにんされました。
あら変異へんいウイルスの現状げんじょうそして必要ひつよう対策たいさくとはどんなことなのでしょうか。

■「BA.2」 世界せかいひろがる

新型しんがたコロナウイルスは世界中せかいじゅうひろがるなか変化へんか繰り返くりかえしています。そのなかいま世界せかい各国かっこくもっとひろがっているのがオミクロンかぶの1つ「BA.2」というウイルスです。「BA.1」からさらに、ウイルスの表面ひょうめん突起とっき細胞さいぼう感染かんせんするさいあしがかりなる「スパイクたんぱく質たんぱくしつなど遺伝子いでんし変異へんいしています。

●“えい93%・べい72%が「BA.2」”
あら確認かくにんされた感染かんせんしゃのうち「BA.2」のめる割合わりあい
▽イギリスでは保健ほけん当局とうきょくが2022ねん3つき27にちまでの1週間しゅうかんで93.9%にのぼったとしていて
アメリカではCDC=疾病しっぺい対策たいさくセンターが2022ねん4つき2にちまでの1週間しゅうかんで72.2%だと推定すいていしています。

●“日本にっぽん 5つきには93%が「BA.2」に”
日本にっぽん国内こくないでは国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ民間みんかん検査けんさ会社かいしゃデータをもとに全国ぜんこくでの「BA.2」の割合わりあい推定すいていしたところ、2022ねん3つきなか時点じてんで30%程度ていどでしたが、5つきだい1しゅうには93%、6つきだい1しゅうには100%をめるとみられるということです。
「BA.1」では2021ねん12つき下旬げじゅん市中しちゅう感染かんせん確認かくにんされてからすう週間しゅうかんの2022ねん1つき中旬ちゅうじゅんにはそれまでのデルタかぶからほぼ置き換おきかわりました。

「BA.2」は2つき中旬ちゅうじゅん東京とうきょう市中しちゅう感染かんせん確認かくにんされ「BA.1」に置き換おきかわったときくらべる急激きゅうげきではありませんが、わりすすんでいます。

特徴とくちょう1. “「BA.1」より感染かんせんりょくつよまっている”WHO

WHO=世界せかい保健ほけん機関きかんは「BA.2」はだい6主流しゅりゅうだったオミクロンかぶの「BA.1」とくらべて感染かんせんりょくつよまっているとしています。デンマークのデータ使つかった分析ぶんせきでは「あるひと感染かんせんしてからほかひと感染かんせんさせるまでの時間じかん」=「世代せだい時間じかん」は「BA.1」より15%みじかく「1にんなんにん感染かんせんひろげるか」をしめ実効じっこうさい生産せいさんすう」は26%たかとされています。

特徴とくちょう2. 重症じゅうしょうりつひく

重症じゅうしょうりつひくいとみられ、WHOはイギリスでの分析ぶんせき結果けっかとして「BA.1」に感染かんせんしたひとと「BA.2」に感染かんせんしたひと入院にゅういんいたリスクにかったとしています。

特徴とくちょう3. 「BA.1」感染かんせん→「BA.2」感染かんせん

「BA.1」に感染かんせんしたひとでも「BA.2」に感染かんせんする可能かのうせいはあります。

■ワクチンの効果こうか

ワクチンの効果こうかはイギリスの保健ほけん当局とうきょく研究けんきゅうしゃがまとめたデータによりますと、発症はっしょう予防よぼう効果こうかは3かい接種せっしゅから
▽1週間しゅうかん時点じてんで「BA.1」は71.3%だったのに対にたい「BA.2」は72.2%でおおきくはわりませんでした。
一方いっぽう
▽15週間しゅうかん以上いじょうたった時点じてんでは大幅おおはばがり「BA.1」で45.5%「BA.2」で48.4%でした。

いま感染かんせんしゃすう増加ぞうか “「BA.2」への置き換おきかわりがつよ影響えいきょう

2022ねん4つき6にちひらかれた厚生こうせい労働ろうどうしょう専門せんもん会合かいごうは、いま感染かんせんしゃすう増加ぞうかについて「接触せっしょく機会きかい増加ぞうかと『BA.2』系統けいとうへの置き換おきかわりがつよ影響えいきょうしているとかんがえられる」としています。
国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ鈴木すずきはじめ 感染かんせんしょう疫学えきがくセンターちょうは「(つぎの)だい7では『BA.2』が主体しゅたいなる見込みこだ。『BA.1』よりも感染かんせんりょくややつよことから、だい6よりもなみたかくなる可能かのうせいかんがえて医療いりょう体制たいせい準備じゅんびする必要ひつようある」としています。

だい6でオミクロンかぶの「BA.1」がひろがりはじめたとき、デルタかぶくらべて重症じゅうしょうしにくいことがかり警戒けいかいかんうすれたのではないかとかんがえられています。しかし感染かんせんしゃすうはそれまでの感染かんせん拡大かくだいより格段かくだんおおくなったため結果けっかてきなるひと増加ぞうかしました。「BA.2」でもおなことがきないか懸念けねんされています。

■ワクチン3かい接種せっしゅ進展しんてんで…

その一方いっぽうだい6はじまった2022ねん1つきことなるのがワクチンの3かい接種せっしゅ進展しんてんです。政府せいふ発表はっぴょうによりますと、国内こくないで3かい接種せっしゅえたひとは4つき11にち時点じてんで65さい以上いじょう高齢こうれいしゃでおよそ85%にのぼり、人口じんこう全体ぜんたいでも45%ほどとなっています。

とく高齢こうれいしゃで3かい接種せっしゅすすほどくなるひとかずらすことにつながるとかんがえられ、重症じゅうしょうするひとくなるひとかずおさえられる可能かのうせいがあります。実際じっさいに2かい接種せっしゅすすんだ2021ねんなつには、ワクチンの効果こうか高齢こうれいしゃくなるひとらせたと厚生こうせい労働ろうどうしょう専門せんもん会合かいごう分析ぶんせきしています。
海外かいがい感染かんせんしょう状況じょうきょうくわしい東京とうきょう医科いか大学だいがく濱田はまだ篤郎とくろうとくにん教授きょうじゅは「世界せかいてきにはほとんどくにで『BA.2』系統けいとう置き換おきかわっていて、ヨーロッパでは9わりえているくにもある日本にっぽんでも今後こんご接触せっしょく機会きかいらしながら予防よぼう対策たいさくもう少もうすこつよめにおこなことや、ワクチンの追加ついか接種せっしゅすすめることなど大事だいじだ。とく20だい感染かんせんしゃおおくなっているので、この世代せだいへの対策たいさくさい増加ぞうかかるくできるかどうかのカギになるのではないか」とはなしています。

しんタイプ「XE」 日本にっぽんでもはつ確認かくにん

さらにあら変異へんいウイルスで複数ふくすうのウイルスがわさった「XE」とばれるタイプがイギリスなど報告ほうこくされています。日本にっぽん国内こくないでも検疫けんえきはじめて確認かくにんされました。

1. 「XE」国内こくない検疫けんえき確認かくにん 成田なりた到着とうちゃく女性じょせい

厚生こうせい労働ろうどうしょうは4つき11にち「XE」が国内こくない検疫けんえきはじめて確認かくにんされたと発表はっぴょうしました。感染かんせん確認かくにんされたのはアメリカから入国にゅうこくした30だい女性じょせいで、3つき26にち成田なりた空港くうこう到着とうちゃくしたあと検疫けんえきしょでの検査けんさ陽性ようせいとなり、国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ検体けんたい遺伝子いでんし解析かいせきした結果けっか「XE」と確認かくにんされたということです。

2. 「XE」…「BA.1」+「BA.2」

ウイルスはちいさな変異へんい繰り返くりかえあら性質せいしつ獲得かくとくしますが、それとはべつ1にんひと複数ふくすうタイプ感染かんせんすることで遺伝子いでんし組み換くみかきて複数ふくすうのウイルスがわさったあらたなウイルスができることがあります。
「XE」は複数ふくすうのウイルスがわさってできたタイプで、オミクロンかぶの「BA.1」と「BA.2」がわさっています。ウイルスの表面ひょうめんにあり、ひと細胞さいぼう感染かんせんするさいあしがかりなるスパイクたんぱく質たんぱくしつふくほとんどの部分ぶぶんが「BA.2」ほか部分ぶぶんが「BA.1」となっています。

3. 「XE」感染かんせんひろがるスピード “「BA.2」より12.6%はや

WHOは「XE」をオミクロンかぶ一種いっしゅとしていて、イギリスの保健ほけん当局とうきょく資料しりょうによりますと、イギリスで2022ねん1つき19にち最初さいしょ報告ほうこくされて以降いこう、4つき5にちまでに1179けん報告ほうこくされています。しょう規模きぼのクラスター報告ほうこくされていますが、解析かいせきおこなわれたウイルス全体ぜんたいめる割合わりあいは1%未満みまんとなっています。

3つき30にちまでのデータもとづいて数理すうりモデル使つかった解析かいせきおこなった結果けっか「XE」の感染かんせんひろがるスピードは「BA.2」よりも12.6%はや試算しさんされたとしています。

複数ふくすうわさったウイルスまだほかにも…

複数ふくすうのウイルスがわさったタイプのウイルスはほかにもあり、このうち「XD」と「XF」は去年きょねんなつの「だい5」でひろがったデルタかぶと、オミクロンかぶの「BA.1」というタイプがわさったタイプです。

1. 「XD」…ほとんどデルタかぶ+スパイクたんぱく質たんぱくしつが「BA.1」

「XD」はスパイクたんぱく質たんぱくしつ部分ぶぶんが「BA.1」それ以外いがいのほとんどがデルタかぶとなっていて、イギリスの保健ほけん当局とうきょく資料しりょうによりますと、最初さいしょ検出けんしゅつされたのは2021ねん12つき13にちで、2022ねん4つき1にち時点じてんでフランスで66けん、デンマークで8けん、ベルギーで1けん報告ほうこくされているということです。

WHOは「XD」を感染かんせんりょく感染かんせんしたさい重症じゅうしょう、ワクチンの効果こうかなどに対にたいする影響えいきょう度合どあはっきりからない「VUM」=監視かんし変異へんいかぶ位置いちづけていますが、感染かんせんひろがり限定げんていてきだとしています。

2. 「XF」…一部いちぶがデルタかぶだい部分ぶぶんが「BA.1」

また「XF」はスパイクたんぱく質たんぱくしつふくめただい部分ぶぶんが「BA.1」で一部いちぶがデルタかぶとなっています。イギリスの保健ほけん当局とうきょくは2022ねん1つき7にち以降いこう、イギリスで39けんつかっているものの2つき14にち以降いこう報告ほうこくはなく感染かんせんひろがりられていないとしています。

3. 「BA.4」「BA.5」も確認かくにん

さらにこのほかタイプでもスパイクたんぱく質たんぱくしつ遺伝子いでんし変異へんいしている「BA.4」や「BA.5」とばれる変異へんいウイルスも南アフリカみなみあふりかなど確認かくにんされています。まだ感染かんせんりょく感染かんせんした場合ばあい重症じゅうしょうよくわかっていません。

WHOは複数ふくすうのウイルスがわさるなどしてあら変異へんいウイルスがまれるリスクはいまたかく、ウイルスの遺伝子いでんし解析かいせきしてデータ共有きょうゆうすることは引き続ひきつづかせないとしています。

東京とうきょう医科いか大学だいがく濱田はまだとくにん教授きょうじゅは「『BA.4』や『BA.5』は『BA.2』とおなじくオミクロンかぶがたの1つで、ひとのオミクロンかぶ感染かんせんして増殖ぞうしょくする過程かてい変異へんいして出現しゅつげんしてきた。感染かんせん拡大かくだいして脅威きょういなるのか、それほど感染かんせんひろがらないかはまだからないが監視かんしをしていくことが非常ひじょう重要じゅうようだ。2つの変異へんいウイルスがわさったタイプうち『XE』は感染かんせんりょくたかとされているが、おおきな流行りゅうこう引き起ひきおこすどうかというといま段階だんかいでは判断はんだんむずかしい。むしろオミクロンかぶとはまったべつあら変異へんいウイルスが出現しゅつげんする可能かのうせい警戒けいかいすべきで、ゲノム解析かいせきなど監視かんし体制たいせいつづけることが重要じゅうようだ」とはなしています。

専門せんもん基本きほんてき日常にちじょう対策たいさくわらない」

現在げんざい新規しんき感染かんせんしゃすう去年きょねんなつだい5のピークよりたか状況じょうきょうつづいています。厚生こうせい労働ろうどうしょう専門せんもん会合かいごうは、さらにリバウンドの可能かのうせい懸念けねんされるとしていて
▽ワクチンの追加ついか接種せっしゅをさらにすすめること
外出がいしゅつさいには混雑こんざつした場所ばしょ換気かんきわる感染かんせんリスクのたか場所ばしょけること
ぬのマスクただしい着用ちゃくよう消毒しょうどく換気かんきみつける
といった対策たいさく徹底てっていするようあらためてびかけています。
厚生こうせい労働ろうどうしょう専門せんもん会合かいごうメンバーで、国際こくさい医療いりょう福祉ふくし大学だいがく和田わだ耕治こうじ教授きょうじゅは「まった予想よそうもしなかった変異へんいあるウイルスではない。注目ちゅうもくしていくことにはなる対策たいさくおおきな方針ほうしんわるといったことはなさそうだ。いまは『BA.2』が主流しゅりゅうになってきているが、XEかぶであっても基本きほんてき日常にちじょう対策たいさくわらない、3かいのワクチン接種せっしゅ引き続ひきつづすすめてほしいという方針ほうしんわらない」とはなしています。
ソース:NHK ニュース