スピードスケート 小平こだいら奈緒なお ことし10月つきで現役げんえき引退いんたいを表明ひょうめい

スピードスケートのピョンチャンオリンピック女子じょし500メートルで金メダルきんめだるを獲得かくとくし、4大会たいかい連続れんぞくでオリンピックに出場しゅつじょうした小平こだいら奈緒なお選手せんしゅが、ことし10月つきの全ぜん日本にっぽん距離きょり別べつ選手権せんしゅけんをもって現役げんえきを引退いんたいすることを表明ひょうめいしました。

小平こだいら選手せんしゅは12日にち、長野ながの市しで記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、ことし10月つきに長野ながの市しで行おこなわれる国内こくない開幕かいまく戦せん、全日本ぜんにほん距離きょり別べつ選手権せんしゅけんの女子じょし500メートルをもって現役げんえきを引退いんたいすることを明あきらかにしました。

去年きょねんの夏なつごろから引退いんたいの時期じきを考かんがえていたという小平こだいら選手せんしゅは、決断けつだんした理由りゆうについて「スケートだけで人生じんせいを終おわりたくないという気持きもちが強つよく、自分じぶんが知しらない世界せかいがあることに興味きょうみを持もった。長ながい人生じんせいを考かんがえたときに、このぐらいがちょうどいいんじゃないかと考かんがえ、ゴールラインを決きめることにした」と話はなしました。

10月つきの大会たいかいを最後さいごのレースに選えらんだことについては「シーズンの開幕かいまく戦せんなので次つぎの世代せだいにバトンタッチするのにいい時期じきだということと、最後さいごに自分じぶんのスケートを表現ひょうげんしたい場所ばしょがやはり地元じもとだった」と述のべて地元じもと・長野ながのへの思おもいを語かたりました。

北京ぺきんオリンピック前まえのことし1月つきにけがをした右みぎ足首あしくびの状態じょうたいは回復かいふくしつつあると明あかしたうえで、最後さいごのレースに向むけて「滑すべりというよりは、心こころが動うごかされる空間くうかんをつくりたい。スケート競技きょうぎを最後さいごまでやりとげたい」と意気込いきごみを話はなしました。

小平こだいら選手せんしゅは今後こんご、10月つきまではトレーニングをしながら、講演こうえん活動かつどうなどを行おこなう予定よていだということです。

小平こだいら奈緒なお選手せんしゅとは

小平こだいら選手せんしゅは、長野ながの県けん茅野ちの市し出身しゅっしんの35歳さい。
日本にっぽん女子じょしの短距離たんきょりのエースで女子じょし500メートルの日本にっぽん記録きろく保持ほじ者しゃです。

オリンピックには2010年ねんのバンクーバー大会たいかいで初はじめて出場しゅつじょうし、女子じょし団体だんたいパシュートで銀メダルぎんめだるを獲得かくとくしました。

4年ねん前まえのピョンチャン大会たいかいは、女子じょし500メートルでオリンピック記録きろくを更新こうしんしてこの種目しゅもくで日本にっぽんの女子じょし史上しじょう初はつとなる金メダルきんめだるを獲得かくとくし、女子じょし1000メートルで銀メダルぎんめだるを獲得かくとくしました。

ワールドカップでは、去年きょねん12月つきに通算つうさん34勝しょう目めをあげて清水しみず宏保ひろやすさんが持もつ日本にっぽん選手せんしゅの最多さいた勝利しょうり数すうに並ならびました。

ことし2月つきには4回かい目めのオリンピックとなる北京ぺきん大会たいかいに臨のぞみましたが、右みぎ足首あしくびのけがの影響えいきょうで女子じょし500メートルで17位い、女子じょし1000メートルは10位いでした。

地元じもと 長野ながのへの特別とくべつな思おもい

現役げんえき最後さいごのレースに長野ながので開ひらかれる大会たいかいを選えらぶなど、小平こだいら選手せんしゅにとって自身じしんを支ささえてきた地元じもとへの思おもいは特別とくべつなものです。

今回こんかいの会見かいけんも長野ながの市しで開ひらき「自分じぶんの中なかでは大おおきな決断けつだんを地元じもと・信州しんしゅうの皆みなさんの前まえで報告ほうこくすることができて幸しあわせに感かんじる」と話はなしました。

小平こだいら選手せんしゅがオリンピックを強つよく意識いしきするきっかけとなったのが、1998年ねんの長野ながのオリンピックです。

男子だんし500メートルで清水しみず宏保ひろやすさんが金メダルきんめだるを獲得かくとく。

女子じょし500メートルでは岡崎おかざき朋美ともみさんが銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

小平こだいら選手せんしゅは、録画ろくがしたビデオを繰り返くりかえし再生さいせいし「いつかあの景色けしきを見みてみたい」と目めに焼き付やきつけたといいます。

高校こうこう卒業そつぎょう後ごに選えらんだのも地元じもとの信州しんしゅう大学だいがくでした。

今いまも師事しじする結城ゆうき匡ただし啓けいコーチの指導しどうのもと、長野ながのを拠点きょてんに力ちからを付つけて4回かいのオリンピック出場しゅつじょうにつなげました。

その思い入おもいいれのある地元じもとを3年ねん前まえ、台風たいふう19号ごうが襲おそいました。

小平こだいら選手せんしゅは、みずから被災ひさいした地域ちいきでボランティア活動かつどうに参加さんかし復旧ふっきゅう作業さぎょうを手伝てつだいました。

このとき知り合しりあったリンゴ農家のうかとの交流こうりゅうは現在げんざいも続つづいていて、会見かいけんでは「ラストレースの10月つきは、リンゴの収穫しゅうかく時期じきだから観戦かんせんに来きてもらえるかな」と気遣きづかっていました。

ソース：NHK ニュース