新型しんがたコロナ 女児じょじ死亡しぼう 急性きゅうせい脳症のうしょうの症状しょうじょうは 異変いへんに気付きづくには

栃木とちぎ県けんで基礎きそ疾患しっかんのない10歳さい未満みまんの女の子おんなのこが新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし、先月せんげつ29日にち、亡なくなりました。

子こどもは新型しんがたコロナで重症じゅうしょう化かしにくいとされ、厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと10歳さい未満みまんの子こどもで亡なくなったのは先月せんげつ26日にちまでで4人にんと極きわめてまれです。

栃木とちぎ県けんによると、今回こんかい亡なくなった原因げんいんは急性きゅうせい脳症のうしょう。

急性きゅうせい脳症のうしょうとは。

どんな点てんに気きをつければいいのか、専門せんもん家かに聞ききました。

基礎きそ疾患しっかんのない10歳さい未満みまんの女の子おんなのこが急性きゅうせい脳症のうしょうで死亡しぼう

栃木とちぎ県けんによりますと、女の子おんなのこは先月せんげつ下旬げじゅん、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし発熱はつねつなどの症状しょうじょうはあったものの、軽症けいしょうだったため保健所ほけんじょの指示しじで自宅じたくで療養りょうようしていたということです。

しかし、その後そのご、容体ようだいが急変きゅうへんして病院びょういんに救急きゅうきゅう搬送はんそうされ集中しゅうちゅう治療ちりょう室しつで治療ちりょうを受うけていましたが、先月せんげつ29日にち、感染かんせんによる「急性きゅうせい脳症のうしょう」で死亡しぼうしたということです。

栃木とちぎ県けんによりますと、女の子おんなのこは新型しんがたコロナウイルスのワクチンを接種せっしゅできる5歳さいに達たっしていましたが、これまでに接種せっしゅはしていなかったということです。

急性きゅうせい脳症のうしょうの症状しょうじょうとは

急性きゅうせい脳症のうしょうとはどんな症状しょうじょうなのでしょうか。

「小学しょうがく生せいくらいまで報告ほうこくがあり注意ちゅうい必要ひつよう」

小児しょうに科か医いで臨床りんしょうウイルス学がくが専門せんもんの北里きたざと大学だいがくの中山なかやま哲夫てつお特とく任にん教授きょうじゅは「急性きゅうせい脳症のうしょうは新型しんがたコロナウイルスに特有とくゆうの症状しょうじょうではなく、さまざまな感染かんせん症しょうで起おきる。感染かんせん症しょうにかかった場合ばあいに体内たいないで最初さいしょに働はたらく免疫めんえきの仕組しくみ『自然しぜん免疫めんえき』が働はたらき、『炎症えんしょう性せいサイトカイン』という物質ぶっしつが過剰かじょうに出でることで起おきる。5歳さい以下いかでの報告ほうこくが多おおいが、たとえばインフルエンザによる脳症のうしょうは小学しょうがく生せいくらいまで報告ほうこくがあり、注意ちゅういが必要ひつようだ」と指摘してきしました。

特徴とくちょう的てきな症状しょうじょうとして「意識いしき障害しょうがい」

脳症のうしょうの特徴とくちょう的てきな症状しょうじょうとして「意識いしき障害しょうがい」があるということで中山なかやま特とく任にん教授きょうじゅは「子こどもがとろとろとして眠ねむりたがる様子ようすがみられるときや、名前なまえを呼よんだりつねったりしたときに、いっとき目めを開あけてもまた眠ねむってしまうような様子ようすがみられるときにはすぐに医療いりょう機関きかんを受診じゅしんしてほしい。親おやから見みて『ふだんと違ちがう』と感かんじるなら受診じゅしんしてほしい。子こどもの場合ばあい、急きゅうに症状しょうじょうが悪化あっかすることがあるので、状況じょうきょうをこまめにみてあげてほしい」と話はなしています。

新型しんがたコロナワクチン「反応はんのうを和やわらげることは期待きたいできる」

また、脳症のうしょうに対にたいする新型しんがたコロナワクチンの効果こうかについては「脳症のうしょうはウイルスが脳のうに入はいるわけではないので、ワクチンを接種せっしゅして抗体こうたいができても、直接ちょくせつ、脳症のうしょうを防ふせげるわけではないが、ワクチン接種せっしゅで感染かんせんのリスクを下さげたりウイルスの増殖ぞうしょくを抑おさえたりすることで『炎症えんしょう性せいサイトカイン』の量りょうが減へり、反応はんのうを和やわらげることは期待きたいできる」と話はなしています。

「クループ」と呼よばれる症状しょうじょうに注意ちゅうい

さらに、特とくに、鼻はなやのどといった上気じょうき道どうの炎症えんしょうを引き起ひきおこしやすいオミクロン株かぶの場合ばあい、脳症のうしょうだけでなくのどの奥おく、気管きかんの入り口いりくち付近ふきんに炎症えんしょうが起おきる「クループ」と呼よばれる症状しょうじょうに注意ちゅういが必要ひつようだとしています。

『ケンケンケン』『ウーッ』乾かわいたせき 緊急きんきゅうに医療いりょう機関きかんへ

中山なかやま特とく任にん教授きょうじゅは「クループが起おきると、息いきが吸すえなくなり、呼吸こきゅう障害しょうがいを起おこしてしまうことがある。『ケンケンケン』といった乾かわいたせきや、『ウーッ』という見みるからに苦くるしそうな乾かわいたせき、それに息いきを吸すうのも苦くるしそうなせきが出でていれば、緊急きんきゅうに医療いりょう機関きかんを受診じゅしんしてほしい」と呼よびかけています。

ソース：NHK ニュース