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マリウポリ 製鉄所から避難直後にロシア軍が攻撃か
2022-05-02 10:29:24

ロシアの軍事侵攻が続くウクライナでは、東部のマリウポリにある製鉄所から5月1日、第1陣の市民が避難しましたが、ウクライナ側はその直後にロシア軍が攻撃を行ったと主張しています。
一方、ロシアのラブロフ外相は今月9日のナチス・ドイツに対する戦勝記念日のあとも戦闘を継続する方針を示しました。
一方、ロシアのラブロフ外相は今月9日のナチス・ドイツに対する戦勝記念日のあとも戦闘を継続する方針を示しました。
ロシア国防省は5月2日、空軍がウクライナ各地の軍事施設38か所をミサイルで攻撃し、東部ハルキウ州イジュームの周辺で地対空ミサイルシステムを破壊したとしたほか、東部ドネツク州のスラビャンスク近郊ではウクライナ軍のミグ29戦闘機を撃墜したと発表するなど、東部を中心に攻撃を続けています。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、東部の要衝マリウポリにある製鉄所からの市民の避難が2日も行われる予定だと明らかにしました。
製鉄所には数百人の市民がとどまっているとされ、1日にはこのうちおよそ100人が第1陣として出発していました。
ただ、マリウポリでロシア軍と抗戦を続けている部隊の担当者は、「最初の市民が避難し終わると、ロシア軍はあらゆる武器を使って攻撃を再開した」と主張しています。
製鉄所には数百人の市民がとどまっているとされ、1日にはこのうちおよそ100人が第1陣として出発していました。
ただ、マリウポリでロシア軍と抗戦を続けている部隊の担当者は、「最初の市民が避難し終わると、ロシア軍はあらゆる武器を使って攻撃を再開した」と主張しています。
ロシア軍の参謀総長がウクライナ東部を訪問 米の有力紙
一方、5月1日付けのアメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズはウクライナ政府高官らの話として、ロシア軍の制服組トップのゲラシモフ参謀総長が戦闘の最前線であるウクライナ東部を極秘に訪れていたと伝えました。
先週、数日間にわたってウクライナ東部に滞在し、4月30日にはハルキウ州イジュームのロシア軍が拠点とする学校を訪れたということです。
ゲラシモフ参謀総長はプーチン大統領の側近で、ニューヨーク・タイムズは軍の最高幹部が戦闘の最前線に入るのは極めて異例だとしたうえで、「低迷するロシアの攻勢をばん回するためだった」とする見方を伝えています。
またイギリス国防省は2日、「ロシア軍が展開している地上部隊は4分の1以上が無力化されたようだ。空てい部隊を含むエリート部隊も兵員の損失に苦しんでいる」という分析を明らかにしています。
先週、数日間にわたってウクライナ東部に滞在し、4月30日にはハルキウ州イジュームのロシア軍が拠点とする学校を訪れたということです。
ゲラシモフ参謀総長はプーチン大統領の側近で、ニューヨーク・タイムズは軍の最高幹部が戦闘の最前線に入るのは極めて異例だとしたうえで、「低迷するロシアの攻勢をばん回するためだった」とする見方を伝えています。
またイギリス国防省は2日、「ロシア軍が展開している地上部隊は4分の1以上が無力化されたようだ。空てい部隊を含むエリート部隊も兵員の損失に苦しんでいる」という分析を明らかにしています。
ロシア外相「5月9日はいつものように厳粛に祝う」
ロシアでは、9日に第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利した戦勝記念日が迫っています。
ラブロフ外相は、5月1日のイタリアのテレビ局のインタビューで、「われわれの軍は戦勝記念日を含む特定の日に基づき行動を調整することはない。5月9日はいつものように厳粛に祝う」と述べました。
ロシア側の苦戦が浮き彫りとなる中、戦勝記念日ではプーチン大統領が、「戦争状態だ」と宣言し、国民にさらに動員をかける可能性があるという見方もでていて、ラブロフ外相は軍事作戦を完了させず、戦勝記念日のあとも戦闘を継続する方針を改めて示した形です。
ラブロフ外相は、5月1日のイタリアのテレビ局のインタビューで、「われわれの軍は戦勝記念日を含む特定の日に基づき行動を調整することはない。5月9日はいつものように厳粛に祝う」と述べました。
ロシア側の苦戦が浮き彫りとなる中、戦勝記念日ではプーチン大統領が、「戦争状態だ」と宣言し、国民にさらに動員をかける可能性があるという見方もでていて、ラブロフ外相は軍事作戦を完了させず、戦勝記念日のあとも戦闘を継続する方針を改めて示した形です。
製鉄所からの避難実現の背景には国連外交

マリウポリの製鉄所から市民の避難が始まった背景には、国連のトップによる外交努力がありました。
ウクライナへの侵攻をめぐっては、ロシアが国連の安全保障理事会で拒否権を持つ常任理事国であることから国連として停戦への有効な対応をとることができず、機能不全や限界が改めて露呈していました。
ウクライナへの侵攻をめぐっては、ロシアが国連の安全保障理事会で拒否権を持つ常任理事国であることから国連として停戦への有効な対応をとることができず、機能不全や限界が改めて露呈していました。

こうした中で、グテーレス事務総長は、4月26日にモスクワを訪れ、ロシアのプーチン大統領と会談した際、人道的な見地から、マリウポリでの市民の避難を実現するよう働きかけ、国連が関与することで原則合意しました。

その後、28日にグテーレス事務総長はウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会談し、記者会見で「安保理だけが国連ではない。各地の紛争地で人々を支援しているスタッフも国連だ」と述べて、避難の実現に全力をあげると強調しました。
これに対しゼレンスキー大統領は、国連の取り組みを見守る姿勢を示しました。
こうした中で、今回、ようやく市民の避難が始まりました。
現地の国連関係者からも進展があったことを歓迎する声が出ていて、国連は声明で、製鉄所に加えて、マリウポリから避難を希望する全ての人が脱出できるよう支援を続けるとしています。
ただ、避難に向けた協議には国連や赤十字国際委員会のほか、ロシア政府も参加しています。
国連の事務総長報道官は4月28日、キーウでNHKのインタビューに応じ、「協議は非常に複雑だ。国連が公式に発言することで、避難がうまくいかなくなるようなことがあってはならず、避難をめぐる日程など詳細は明らかにできない」と述べ、難しい交渉が行われていることをうかがわせていました。
これに対しゼレンスキー大統領は、国連の取り組みを見守る姿勢を示しました。
こうした中で、今回、ようやく市民の避難が始まりました。
現地の国連関係者からも進展があったことを歓迎する声が出ていて、国連は声明で、製鉄所に加えて、マリウポリから避難を希望する全ての人が脱出できるよう支援を続けるとしています。
ただ、避難に向けた協議には国連や赤十字国際委員会のほか、ロシア政府も参加しています。
国連の事務総長報道官は4月28日、キーウでNHKのインタビューに応じ、「協議は非常に複雑だ。国連が公式に発言することで、避難がうまくいかなくなるようなことがあってはならず、避難をめぐる日程など詳細は明らかにできない」と述べ、難しい交渉が行われていることをうかがわせていました。
アゾフ大隊の副司令官「避難が続くことを臨んでいる」

ウクライナ東部の要衝マリウポリにあるアゾフスターリ製鉄所から市民の避難が始まったとゼレンスキー大統領が明らかにする中、ロシア軍と抗戦を続けるウクライナの「アゾフ大隊」の副司令官が5月1日、AP通信のインタビューに応じ「避難が続くことを望んでいます。製鉄所にはけがをした兵士が残されているほか、高齢者や女性、子どもたちも多くいます」と述べて、ほかの人たちの避難についても進めてほしいと訴えました。
ソース:NHK ニュース