ロシアで、5月9日は、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利したことを祝う「戦勝記念日」で、首都モスクワにある赤の広場では毎年、記念式典が開かれ、軍事パレードも行われています。
戦後77年のことしは、ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻を続ける中で行われ、ロシア国防省の発表では一方的に併合したウクライナ南部のクリミアを含む28の都市で実施されるとしています。
このうちモスクワでは、兵士およそ1万1000人が参加することになっていて、7日、これを前に、軍事パレードの予行演習が行われその様子が公開されました。
このなかではウクライナへの攻撃でも使用されている短距離弾道ミサイルの「イスカンデル」やアメリカのミサイル防衛網に対抗するICBM=大陸間弾道ミサイルの「ヤルス」など核弾頭も搭載できるロシア製のミサイルが登場しました。
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戦勝記念日前に軍事パレード予行練習 ロシア各地の市民の声は
2022-05-07 11:13:45

ロシアでは第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利したことを祝う「戦勝記念日」を前に、7日、首都モスクワで、軍事パレードの予行演習が行われ、ウクライナへの軍事侵攻に支持を訴える演出が披露されました。
5月9日は「戦勝記念日」
「Z」で国民に支持を訴える演出も
また、ロシアの主力戦闘機の「ミグ29」が8機で「Z」の文字を表す編成で飛行しウクライナへの軍事侵攻の象徴となっている「Z」を用いて、国民に支持を訴える演出が披露されました。
プーチン大統領は、戦勝記念日のパレードで国内外にロシアの軍事力をアピールするとともに、1年で愛国心がもっとも高まるこの日に、ウクライナでの戦闘の長期化が指摘されるなか、式典でどのような演説を行うか注目されています。
プーチン大統領は、戦勝記念日のパレードで国内外にロシアの軍事力をアピールするとともに、1年で愛国心がもっとも高まるこの日に、ウクライナでの戦闘の長期化が指摘されるなか、式典でどのような演説を行うか注目されています。
ロシア各地の市民の受け止めは
ウクライナへの軍事侵攻を続けるなかで、今月9日に「戦勝記念日」を迎えることについて、ロシア各地の市民は、複雑な心境で受け止めていることを
インタビューで明かしました。
インタビューで明かしました。
反対派の市民の声「パレードなどなくてよい」
このうちモスクワの20代の女性は、軍事パレードの予行演習を受けて「演習とは思えず恐ろしかった。今の状況でパレードなどなくてよい」と話し、ウクライナで戦闘が続く中で兵器を誇示するのはふさわしくないという考えを示しました。
およそ40年前、旧ソビエトによるアフガニスタン侵攻の際、ウクライナ東部のマリウポリ出身の男性とともに従軍したという男性は「ウクライナ人と戦うことなど想像もできない。軍事作戦の開始以来、当時を思い出してずっと頭痛に悩まされている。とてもつらい」と苦しい胸の内を明かしました。
モスクワ市内の公園で花を見に来ていた男性は「1日の戦争より1000日の交渉のほうがよいに決まっている。目的達成の手段が武器しかなかったような古代に生きているわけではない」と話し、時間をかけて外交による解決を図るべきだったとして政権側の対応を批判しました。
極東のウラジオストクを母親と訪れていたモスクワの大学に通う女性は「この祝日を汚しているようで悲しくなります。いま起きていることはひどいものです。政権はすべてを台なしにしているので、本当に悲しいです」と率直に話していました。
およそ40年前、旧ソビエトによるアフガニスタン侵攻の際、ウクライナ東部のマリウポリ出身の男性とともに従軍したという男性は「ウクライナ人と戦うことなど想像もできない。軍事作戦の開始以来、当時を思い出してずっと頭痛に悩まされている。とてもつらい」と苦しい胸の内を明かしました。
モスクワ市内の公園で花を見に来ていた男性は「1日の戦争より1000日の交渉のほうがよいに決まっている。目的達成の手段が武器しかなかったような古代に生きているわけではない」と話し、時間をかけて外交による解決を図るべきだったとして政権側の対応を批判しました。
極東のウラジオストクを母親と訪れていたモスクワの大学に通う女性は「この祝日を汚しているようで悲しくなります。いま起きていることはひどいものです。政権はすべてを台なしにしているので、本当に悲しいです」と率直に話していました。
支持派の市民の声「ウクライナは兄弟国なのに反ロシア的に」
一方、軍事侵攻を支持する声も多く、極東サハリンの中心都市ユジノサハリンスクで年金生活を送る女性は、9日の軍事パレードで行われる予定のプーチン大統領の演説について「気持ちを高ぶらせるようなことを言ってほしい。今こそ団結が必要だ」と期待を寄せていました。
また、曽祖父が従軍したというモスクワの20代の男性は、第2次世界大戦で勝利した歴史を後世に伝えることが重要だと強調したうえで「ウクライナは兄弟国なのに反ロシア的になってしまった。ネオナチを根絶やしにしなければいけない」と話し、政権側の主張そのままに答えていました。
また、曽祖父が従軍したというモスクワの20代の男性は、第2次世界大戦で勝利した歴史を後世に伝えることが重要だと強調したうえで「ウクライナは兄弟国なのに反ロシア的になってしまった。ネオナチを根絶やしにしなければいけない」と話し、政権側の主張そのままに答えていました。
ソース:NHK ニュース