ウクライナ 巨大な「祖国の母像」の旧ソビエト国章を撤去
2023-08-01 20:55:00

ウクライナでは、軍事侵攻を続けるロシアに対する反発から、ロシアと共有する旧ソビエトの歴史に由来するシンボルなどを取り外す動きが加速していて、地名の変更や記念碑の撤去などが各地で行われています。
こうした中、首都キーウでは1日、中心部を流れるドニプロ川を見下ろす丘にある、高さ102メートルの巨大な「祖国の母像」が掲げる盾にあった旧ソビエトの国章を取り外す作業が行われました。
撤去作業の開始にあたって、カランジェーエフ文化情報相代行は記者団に対し「ウクライナの独立から30年という歳月を経て、われわれはようやく前線だけでなく文化的な面でも戦えると宣言できるようになった」と述べました。
作業員たちは、旧ソビエトの国旗にも描かれたつちと鎌のマークがついた中央部分を切断機を使って外したあと、星のマークも切り離され、それぞれ地上に降ろされました。
撤去された旧ソビエトの国章は、展示施設で保管されるほか、今月24日のウクライナの独立記念日までに、新たにウクライナの国章が盾に取り付けられることになっています。
撤去作業に参加し、最後に旧ソビエトを象徴する星のマークを取り外した作業員のワレンチン・レフチェンコさんは、作業に参加したことについて「誇りに思います。ウクライナの国章に取り替えることにも誇りを感じます。旧ソビエトの国章は、もはやウクライナに存在してはならず、新しい国章に取って代わられるべきです」と話しました。
防空警報のたびに作業中断も
撤去作業は、現地時間の1日の午前9時半すぎから午後5時すぎまで行われましたが、この間に防空警報が3回鳴り、そのたびに作業が中断されました。
作業員や取材していた報道陣も像の地下にあるシェルターへの避難を余儀なくされ、取材する地元メディアの記者たちからも、ロシアに対するいらだちの声が多く聞かれました。