天皇皇后両陛下 石川 輪島市を訪問 豪雨被災者をお見舞い
2024-12-17 07:28:46

両陛下は、17日午前11時半前に、特別機で石川県の能登空港に到着されました。
能登半島の被災地への訪問は、3月と4月の地震被害のお見舞いに続きことし3回目で、両陛下はまず馳知事から県内の被災状況などについて説明を受けられました。
輪島市では、能登半島全体の死者の3分の2にあたる11人が亡くなり、1260棟余りの住宅が壊れたり水につかったりしていて、両陛下は、車で市内を移動し、川の氾濫で大きな被害が出た現場を訪ねられました。
この地区では、塚田川の氾濫によって押し寄せた濁流に住宅などが流されて中学生など4人が亡くなっていて、両陛下は、流された住宅の基礎やがれきが残る現場で、輪島市の坂口茂市長から当時の様子などについて説明を受けたあと、川の上流に向かって深く一礼されました。
続いて両陛下は、避難所生活を終えて移り住んだ仮設住宅が豪雨で浸水したため再び避難所に身を寄せることになった人など、50人余りが暮らしている市内の中学校を訪ねられました。
おふたりは、かがんで被災した人たちと同じ目の高さになって、「大変な思いをされて」とか「お体を大切に」などとことばをかけられていました。
側近によりますと、両陛下は、地震と豪雨の二重被災で厳しい生活を送っている人たちを案じていて、今回の訪問では、災害対応にあたった関係者をねぎらうほか、この時の豪雨で被害を受けた珠洲市と能登町の市長や町長からも話を聴かれる予定です。
沿道に多くの人が集まり天皇皇后両陛下を歓迎
石川県輪島市では、沿道に多くの人が集まり、手を振って天皇皇后両陛下を歓迎する姿が見られました。
このうち、ことし9月の豪雨で浸水被害が相次いだ輪島市宅田町では、午後0時半すぎから商業施設の近くの道路沿いに多くの人が集まりました。
そして、午後1時40分ごろ、両陛下を乗せたバスが通りかかると、100人以上の人たちが一斉に歓声をあげたり手を振ったりして歓迎しました。
両陛下は、バスの窓を開けて、笑顔で手を振られていました。
珠洲市の仮設住宅から訪れたいずれも85歳の夫婦は、「初めてお顔を見ることができました。被災地に足を運んでくださったことで、勇気をもらえたような気がしますし、これから頑張っていこうと思います」と話していました。
避難者「ことばをかけてもらい元気をいただきました」
石川県輪島市の避難所で天皇皇后両陛下とことばを交わした前原郁夫さん(85)は、「天皇陛下からは『大丈夫ですか』と、皇后陛下からは『これからの健康を気遣ってください』とおことばをいただきました。大変光栄で、感謝感激です」と話していました。
市中泰雄さん(86)と妻の邦子さん(82)は、「皇后さまから『地震大変でしたね』というおことばをいただきました。寒い輪島まで来ていただき、ありがたく、感謝しています。頑張ろうという気持ちになります」と話していました。
また、地震で自宅が全壊しさらに水害でも被災したという吉岡久美子さん(70)は、「この年齢になって自分が手に入れたものをすべてなくしてしまったとお話ししたところ、皇后さまから『おつらかったですね』というおことばをいただきました。温かみある声とまなざしでことばをかけてもらい、元気をいただきました」と話していました。