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半年はんとしたっても息苦いきぐるしさ「コロナで登山とざんもできないべつからだに」

2021-06-10 08:14:10

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「コロナでまったくべつからだになってしまった」

そうはな70だい男性だんせい北アルプスきたあるぷすだけ登頂とうちょうするなど登山とざん趣味しゅみで、体力たいりょくには自信じしんがありました。

しかし新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんして入院にゅういん急激きゅうげき症状しょうじょう悪化あっか一時いちじ覚悟かくごしました。

感染かんせんから半年はんとしちかたったいまも、息苦いきぐるしさがつづいているという男性だんせい

「コロナをあまてはいけない」切実せつじつうったです。

ねつにうなされ いきできないほどのせき

長野ながのけん70だい男性だんせい感染かんせん確認かくにんされたのは、去年きょねん年の瀬としのせでした。

職場しょくば同僚どうりょう感染かんせんし、ねんのためけた検査けんさ陽性ようせいとわかりました。

はじめは症状しょうじょうがなかったといいます。

自宅じたく療養りょうようつづけて4にちよる

39だいねつたため病院びょういん検査けんさをすると、すでに肺炎はいえんこしていて、そのまま入院にゅういんすることになりました。

男性だんせいもっとくるしめたのは、高熱こうねつはげしいせきでした。
男性だんせい
医師いしから1にち3かいまでとわれて解熱剤げねつざいんですけど、3かいんでも『もっとみたい』、『もっとまないとからだたない』とねつにうなされました。さらにいきができないほどのせきがて、もしかしたらこのままのかなと」

覚悟かくご 身の回みのまわ整理せいりについて息子むすこ電話でんわした

むかしったひとたちのかお走馬灯そうまとうのように思い出おもいだされたんです」

意識いしきがもうろうとするなか、「このまま症状しょうじょう悪化あっかした場合ばあい人工じんこう呼吸こきゅうかエクモを使つか意思いしはありますか」と医師いしからたずねられました。

覚悟かくごした男性だんせい息子むすこ電話でんわをしました。

自分じぶんんだあとの身の回みのまわ整理せいりについてつたえるためです。

男性だんせい
持ち家もちいえ処理しょり方法ほうほうとかどもたちもこまでしょうから知り合しりあ司法しほう書士しょし相談そうだんしてくれと。わたし職場しょくばに対にたいしてどんな手続てつづ必要ひつようかわからないとおもったので、上司じょうし名前なまえおしえて上司じょうしに従にしたがってやればいいからとつたえました」

はいあないて空気くうきける病気びょうき

男性だんせいは10にちほど高熱こうねつはげしいせきがつづき、はいあないて空気くうきける「気胸ききょう(ききょう)」という病気びょうきになっていたことがわかりました。

毎年まいとし健康けんこう診断しんだんけていましたが、それまでははい病気びょうきあるわれたことはいちもなかったといいます。

長年ながねんタバコをっていたこともあり、「肺気腫はいきしゅ」にもなったことを医師いしからげられました。

男性だんせい
医師いしからは『退院たいいんしても自力じりき呼吸こきゅうするのがむずかしく機械きかい酸素さんそ吸入きゅうにゅうする必要ひつようあるかもしれない』とわれました。なんとか一命いちめいはとりとめましたが仕事しごとには復帰ふっきできないとおもい、その後そのご入院にゅういん生活せいかつは、職場しょくば退職たいしょく手続てつづなどしてごしました」

退院たいいん息苦いきぐるしく あたまなかは「もや」のような状態じょうたい

男性だんせいはもともと体力たいりょくには自信じしんがありました。

登山とざん趣味しゅみで、おととしには北アルプスきたあるぷすだけ登頂とうちょう

日本にっぽんひゃく名山めいざんうち、57のやまのぼってきたといいます。

それなのに。

退院たいいんは、自宅じたくまえのおよそ100メートルさかのぼだけでも2かい休憩きゅうけい必要ひつようで、深呼吸しんこきゅうしないと息苦いきぐるしくなるといいます。

大好だいすだった登山とざんはあきらめざるをえませんでした。

さらにコロナに感染かんせんしたあとはつねあたまなかに「もや」がかかったような状態じょうたい思考しこう能力のうりょくおおきくちてしまったともかんじています。

さいわ肺気腫はいきしゅ』は重症じゅうしょうせず自力じりき呼吸こきゅうができていますが、息苦いきぐるしくて、長時間ちょうじかんはなしたり運動うんどうしたりすることはできなくなりました。コロナになってまったくべつからだになってしまったとかんじています」

意識いしきしてかんがわるもっときたい」

取材しゅざい最後さいご男性だんせいは5ねんまえいたというエンディングノートせてくれました。

当時とうじは、まえくるしいおもはしたくないとかんがえ、ノートには「延命えんめい治療ちりょうのぞまない」としるしていました。

でもコロナで意識いしきした経験けいけんをへて、いまではかんがわりました。

男性だんせい
本気ほんき覚悟かくごしましたがさいわにももどってくることができたので、すくわれたいのちかぎもっときたいとおもようになりました。つたえたいのは『コロナをあまてはいけない』ということ。わたし自分じぶん大丈夫だいじょうぶだという過信かしんがありましたが、本当ほんとうこわ病気びょうきだということをあらためてつよいたいです」


取材しゅざい:長野ながのきょく 記者きしゃ 牧野まきのまき太朗たろう
ソース:NHK ニュース