介護かいご保険ほけん料りょうの負担ふたん見直みなおしなど制度せいど改正かいせいへ 本格ほんかく的てき議論ぎろん開始かいし 厚あつ労ろう省しょう

介護かいごにかかる費用ひようが増ふえ続つづける中なかで、65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃの介護かいご保険ほけん料りょうの負担ふたんの見直みなおしや、介護かいごサービスを受うけた際さいの自己じこ負担ふたんの引き上ひきあげなど、介護かいご保険ほけん制度せいどの改正かいせいに向むけた本格ほんかく的てきな議論ぎろんが、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か部会ぶかいで始はじまりました。厚生こうせい労働ろうどう省しょうは年内ねんないにも見直みなおしの方針ほうしんを固かためることにしています。

31日にちの部会ぶかいでは、
▽65歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃが支払しはらう介護かいご保険ほけん料りょうについて、一定いってい以上いじょうの所得しょとくがある高齢こうれい者しゃは引き上ひきあげ、所得しょとくが一定いってい以下いかの高齢こうれい者しゃは引き下ひきさげることで、支払しはらい能力のうりょくに応おうじた負担ふたんの見直みなおしを進すすめることや、
▽原則げんそく1割わり、所得しょとくに応おうじて2割わりまたは3割わりの負担ふたんとなる、介護かいごサービスを受うけた際さいの自己じこ負担ふたんの引き上ひきあげなど、
7つの項目こうもくが議題ぎだいとしてが示しめされました。

これに対にたいし、委員いいんからは「支払しはらい能力のうりょくのある人ひとに負担ふたんをお願おねがいすることは避さけられないが、医療いりょう費ひの自己じこ負担ふたんが増ふえている後期こうき高齢こうれい者しゃもいるので、自己じこ負担ふたんの引き上ひきあげの線引せんひきは慎重しんちょうに検討けんとうするべきだ」といった意見いけんや、「負担ふたんの増加ぞうかについては、高齢こうれい者しゃがサービスの利用りようを控ひかえることや、家族かぞくが介護かいごのために仕事しごとを辞やめることなど、社会しゃかいへのマイナス影響えいきょうについても考慮こうりょすべきだ」といった意見いけんも出でていました。

急速きゅうそくな高齢こうれい化かで、介護かいごが必要ひつような高齢こうれい者しゃは、ことし3月末げつまつの時点じてんでおよそ690万まん人にんと、年々ねんねん増ふえ続つづけていて、これに伴ともなって介護かいごにかかる費用ひようの今年度こんねんどの総額そうがくは、予算よさんベースで13兆ちょう3000億おく円えんと、介護かいご保険ほけん制度せいどが始はじまった2000年ねんと比くらべて3倍ばい以上いじょうに増ふえていて、今後こんごも増加ぞうかが続つづく見通みとおしです。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、再さい来年らいねんの制度せいど改正かいせいに向むけて、年内ねんないにも見直みなおしの方針ほうしんを固かため、来年らいねんの通常つうじょう国会こっかいに法案ほうあんを提出ていしゅつすることにしています。

街まちでは まざまな意見いけん

介護かいご保険ほけん制度せいどの改正かいせいに向むけた本格ほんかく的てきな議論ぎろんが始はじまったことについて、東京とうきょう 豊島としま区くの巣鴨すがもでは、さまざまな意見いけんが聞きかれました。

70歳さいの女性じょせいは「高齢こうれいの母ははは要よう支援しえん1で、週しゅうに1回かいデイサービスを利用りようしています。今後こんご、介護かいご度どが上あがって、週しゅうに何なん度どもサービスを利用りようするようになれば、どうしても支払しはらう金額きんがくが増ふえていくので、なるべく自己じこ負担ふたんが増ふえない方向ほうこうで議論ぎろんが進すすんでほしい」と話はなしていました。

足あしの治療ちりょうで形成けいせい外科げかに通とおった帰かえりだという83歳さいの女性じょせいは「今月こんげつから医療いりょう費ひの自己じこ負担ふたんが1割わりから2割わりになり、窓口まどぐちで支払しはらった金額きんがくが増ふえて高たかいと感かんじました。今いまは自分じぶんも90代だいの夫おっとも介護かいごサービスは受うけていませんが、この先さきどうなるかはわからず、家計かけいに余裕よゆうもない中なかで、介護かいごの費用ひようまで増ふえるのは不安ふあんです」と話はなしていました。

一方いっぽう、49歳さいの会社かいしゃ役員やくいんの男性だんせいは「ある程度あるていど、お金おかねを持もっている高齢こうれい者しゃの方ほうに負担ふたんしてもらうのはしかたがないと思おもうが、それは、これまで一生いっしょう懸命けんめい働はたらいたからであり、一概いちがいに賛成さんせいとまでは言いえず難むずかしい」と話はなしていました。

46歳さいの派遣はけん社員しゃいんの女性じょせいは「毎月まいつき、介護かいご保険ほけん料りょうを支払しはらっていますが、今いまの段階だんかいでも負担ふたんは大おおきいでので、ある程度あるていどの時期じきに見直みなおすことは必要ひつようだと思おもいます。現状げんじょうでは若わかい世代せだいは収入しゅうにゅうが上あがりにくくなっているのと思おもうので、それに基もとづいて制度せいどを見直みなおしてほしい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース