サイバー攻撃こうげき受うけた大阪おおさかの病院びょういん 外来がいらい診療しんりょうや緊急きんきゅう以外いがいの手術しゅじゅつ停止ていし

「ランサムウエア」と呼よばれる身代金みのしろきん要求ようきゅう型がたのウイルスによるサイバー攻撃こうげきを受うけた大阪おおさか急性きゅうせい期き・総合医療センターそうごういりょうせんた-では、11月つき1日にちも緊急きんきゅう以外いがいの手術しゅじゅつを停止ていしするなど影響えいきょうが続つづいています。
病院びょういんを訪おとずれた患者かんじゃからは「どこかに情報じょうほうが流出りゅうしゅつしてしまったら怖こわい」などと不安ふあんの声こえが聞きかれました。

大阪おおさか 住吉すみよし区くの大阪おおさか急性きゅうせい期き・総合医療センターそうごういりょうせんた-では、10月つき31日にち、「ランサムウエア」とよばれる身代金みのしろきん要求ようきゅう型がたのウイルスによるサイバー攻撃こうげきを受うけ、電子でんしカルテなどのシステムに障害しょうがいが発生はっせいして閲覧えつらんなどができなくなっています。

このため、病院びょういんでは、10月つき31日にちに続つづき、11月つき1日にちも朝あさから通常つうじょうの外来がいらい診療しんりょうや緊急きんきゅう以外いがいの手術しゅじゅつを停止ていししているほか、救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれもできない状況じょうきょうだということです。

病院びょういんには、午前ごぜん中ちゅうから診察しんさつの予約よやくをしていた患者かんじゃが訪おとずれ、職員しょくいんから説明せつめいを受うけたりしていました。

影響えいきょうは、電子でんしカルテ以外いがいに会計かいけいや薬くすりの処方しょほうのためのシステムにも及およんでいて、病院びょういんでは紙かみのカルテを作成さくせいするなどして対応たいおうしています。

病院びょういんによりますと、カルテなどのデータのバックアップは取とっているということです。

現在げんざい、専門せんもんの業者ぎょうしゃに依頼いらいして、サイバー攻撃こうげきの侵入しんにゅう経路けいろや被害ひがいを受うけた範囲はんいの特定とくていなどを急いそいでいますが、復旧ふっきゅうのめどは立たっておらず、当面とうめん、通常つうじょうの診療しんりょうができない見通みとおしだということです。

病院びょういんを訪おとずれた40代だいの男性だんせい患者かんじゃは「何なんとか診察しんさつはしてもらえましたが、すごく不安ふあんです。どこかに私わたしの情報じょうほうが流出りゅうしゅつしてしまったら怖こわい。1分ふん1秒びょうでも早はやく復旧ふっきゅうしていただきたい」と話はなしていました。

大阪おおさか急性きゅうせい期き・総合医療センターそうごういりょうせんた-は「診療しんりょうに影響えいきょうを来きたす事態じたいとなり申し訳もうしわけありません。原因げんいんを究明きゅうめいし、早期そうきに復旧ふっきゅうを図はかりたいと思おもいます」とコメントしています。

警察けいさつ 捜査そうさ員いんを派遣はけん

警察けいさつによりますと、10月つき31日にち、大阪おおさか急性きゅうせい期き・総合医療センターそうごういりょうせんた-から、ネットワーク障害しょうがいが起おきていて、外部がいぶからの攻撃こうげきかもしれないという相談そうだんがあったということです。

このため捜査そうさ員いんを病院びょういんに派遣はけんし、これまでに電子でんしカルテのシステムに障害しょうがいが発生はっせいしていることを確認かくにんしたということで、さらに情報じょうほう収集しゅうしゅうを進すすめています。

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかん「早期そうきの診療しんりょう再開さいかいへ支援しえん」

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは、記者きしゃ会見かいけんで「現在げんざい、医療いりょう機関きかんにおいて、復旧ふっきゅうに向むけて調査ちょうさや作業さぎょうを行おこなっていると承知しょうちしている。政府せいふとしても、現場げんばに専門せんもん家かを派遣はけんし、情報じょうほう収集しゅうしゅうや早期そうきの診療しんりょう再開さいかいに向むけた支援しえんに努つとめていく」と述のべました。

攻撃こうげき防ふせぐための対策たいさくは？

ランサムウエアの被害ひがいにあった企業きぎょうの対応たいおう支援しえんなどを行おこなっているS＆Jの三輪みわ信雄のぶお社長しゃちょうは「ランサムウエアによる事件じけんは相次あいついでいるが、今回こんかいは救急きゅうきゅうに関かかわる病院びょういんだったことや大だい都市としで起おきたことで影響えいきょうが非常ひじょうに大おおきかったと考かんがえられます。侵入しんにゅう経路けいろなどは報道ほうどうに出でている情報じょうほうだけではよく分わかりませんが、外部がいぶから組織そしき内ないのサーバーにアクセスするVPNと呼よばれる接続せつぞく機器ききが狙ねらわれるケースが多おおいため、今回こんかいも同おなじような経緯けいいではないかと推測すいそくしています」と指摘してきしています。

そのうえで、攻撃こうげきを防ふせぐための対策たいさくとして
▽VPNのソフトウエアを最新さいしんのバージョンにしておくことや
▽パスワードを複雑ふくざつなものにしておくことなどを挙あげたほか、
速すみやかな復旧ふっきゅうが求もとめられる医療いりょう機関きかんでは
▽データだけでなくシステムのバックアップもとっておくことが重要じゅうようだとしています。

さらに、三輪みわさんによりますと、サーバーの保守ほしゅ点検てんけんなどを依頼いらいしている外部がいぶの業者ぎょうしゃが設置せっちしたVPN機器ききが、病院びょういん側がわがきっちりと把握はあくしないままセキュリティーがぜい弱ぜいじゃくな状態じょうたいで放置ほうちされ、侵入しんにゅう経路けいろになるケースも多おおいということです。

三輪みわさんは「高度こうどな攻撃こうげきを防ふせぐのを医療いりょう機関きかんだけに任まかせるというのはやはり難むずかしいため、委託いたく先さきの事業じぎょう者しゃとしっかりコミュニケーションを取とって緊密きんみつに協力きょうりょくしながら、セキュリティーを高たかめていく姿勢しせいが大事だいじだと思おもいます」と指摘してきしています。

ソース：NHK ニュース