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WHO 新型しんがたコロナ「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん終了しゅうりょう発表はっぴょう今後こんご警戒けいかいを”

2023-05-05 19:24:24

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WHO=世界せかい保健ほけん機関きかんは、5にち新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいけてしていた「国際こくさいてき懸念けねんされる公衆こうしゅう衛生えいせいじょう緊急きんきゅう事態じたい」の宣言せんげん終了しゅうりょうすると発表はっぴょうしました。

一方いっぽう会見かいけんでテドロス事務じむ局長きょくちょうは「これ新型しんがたコロナは心配しんぱいないというメッセージ国民こくみんおくってはいけない」とべ、今後こんご警戒けいかいつづけるよう各国かっこくびかけました。

WHOのテドロス事務じむ局長きょくちょうは、本部ほんぶあるジュネーブで5にち会見かいけんひらき、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいけて2020ねん1つきからしていた「国際こくさいてき懸念けねんされる公衆こうしゅう衛生えいせいじょう緊急きんきゅう事態じたい」の宣言せんげん終了しゅうりょうすると発表はっぴょうしました。

WHOは、
死者ししゃすう世界せかいてき減少げんしょう
▼ワクチンの接種せっしゅ感染かんせんによる集団しゅうだん免疫めんえき向上こうじょう
医療いりょうシステムへの負担ふたん軽減けいげんなどまえて宣言せんげん終了しゅうりょう判断はんだんしたとしています。

会見かいけんでテドロス事務じむ局長きょくちょうは「緊急きんきゅう対応たいおう状態じょうたいからほか感染かんせんしょうとあわせて管理かんりする段階だんかい移行いこうする時期じきた」とべて、新型しんがたコロナが存在そんざいすることを前提ぜんていにした対応たいおうすすめるよう、各国かっこくもとめました。

一方いっぽうで「ウイルスはいのちうばつづけ、変異へんいつづけている。宣言せんげん終了しゅうりょうをもって各国かっこく国民こくみんに、新型しんがたコロナは心配しんぱいないというメッセージおくってはいけない」ともべ、今後こんご警戒けいかいつづけるよう、各国かっこくびかけました。

およそ3ねん3か月かげつにわたってされていた緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん終了しゅうりょうし、世界せかい新型しんがたコロナ対策たいさくおおきな節目ふしめむかえたことになります。

北海道ほっかいどう大学だいがく 喜田きたひろし 統括とうかつどう折り合おりあつけるかが重要じゅうよう

WHOが「緊急きんきゅう事態じたい」をつづけるべきかどうか議論ぎろんおこな専門せんもん委員いいんかいのメンバーで、今回こんかい議論ぎろんにも参加さんかした北海道ほっかいどう大学だいがくじんじゅう共通きょうつう感染かんせんしょう国際こくさい共同きょうどう研究所けんきゅうじょ喜田きたひろし統括とうかつは「新型しんがたコロナウイルスは全身ぜんしんえる可能かのうせいがあり、病原びょうげんせいよわくなったわけではない。しかし感染かんせんしゃすうかたゆるやかになっているほか、3ねんあまりものかん世界中せかいじゅう感染かんせんひろげてきたことで、おおひと免疫めんえきができ、重症じゅうしょうしにくくなっている。さらにワクチンやあたらしいくすり実用じつようされている。新型しんがたコロナを取り巻とりま状況じょうきょう好転こうてんしてきている」とべました。

そのうえで「新型しんがたコロナがあることを前提ぜんていにした『ウィズコロナ』の時代じだいはいったとかんがえていい時期じきになったとおもっている。これから新型しんがたコロナとどう折り合おりあをつけていくか、さらにかんがえることが重要じゅうようだ」とべました。

もう安全あんぜんだとはかんがえるべきではない」

一方いっぽうで「高齢こうれいしゃ基礎きそ疾患しっかんあるひとなど免疫めんえき機能きのう低下ていかしたひとなかには感染かんせんするとくなるひとがいる。致死ちしりつがっていることだけをて、新型しんがたコロナがもう安全あんぜんだとはかんがえるべきではない」とはなし、今後こんご警戒けいかい必要ひつようだと強調きょうちょうしました。

緊急きんきゅう事態じたい」とは?

新型しんがたコロナウイルスについて、WHOは「国際こくさい保健ほけん規則きそく」にもとづいて2020ねん1つき国際こくさいてき懸念けねんされる公衆こうしゅう衛生えいせいじょう緊急きんきゅう事態じたい」を宣言せんげんしました。

緊急きんきゅう事態じたい」の宣言せんげんには各国かっこく対策たいさく強化きょうかうなが意義いぎがあり、WHOはその後そのご各国かっこくに対にたい感染かんせん拡大かくだいふせための対策たいさくをとることやワクチンや治療ちりょうほう開発かいはつ促進そくしんし、ワクチン接種せっしゅすすめること、それに、変異へんいウイルスの監視かんし体制たいせいつよめることなどもとめ、国際こくさいてき枠組わくぐ途上とじょうこくに対にたいするワクチンや治療ちりょうやく供給きょうきゅうなどをすすめてきました。

WHOは新型しんがたコロナウイルスへの対応たいおうや「緊急きんきゅう事態じたい」にあたるかどうかについて3か月かげつに1かい専門せんもん委員いいんかいひらいて協議きょうぎしており、協議きょうぎ結果けっかをもとにテドロス事務じむ局長きょくちょう継続けいぞく解除かいじょかを判断はんだんしてきました。

世界せかいで7おくにんちょう感染かんせん ワクチン接種せっしゅは133おくかいちょう

WHOによりますと、5つき3にちまでで世界せかい累計るいけい感染かんせんしゃすうはおよそ7おく6500まんにん、およそ690まんにんくなった一方いっぽうで、ワクチンの接種せっしゅ回数かいすうは4つき29にちまでで133おく4000まんかい以上いじょうのぼります。

新型しんがたコロナは根絶こんぜつできず、今後こんご繰り返くりかえ感染かんせん拡大かくだいきるとみられますが治療ちりょう進歩しんぽ重症じゅうしょうふせやくてきていることから、感染かんせんした場合ばあい重症じゅうしょうしたり、くなったりするひと割合わりあいがっています。

日本にっぽん国内こくないでの対策たいさくについて、専門せんもん感染かんせんりょくつよ変異へんいウイルスが拡大かくだいしないか監視かんし体制たいせい維持いじし、感染かんせん拡大かくだいしたさいには医療いりょう体制たいせい強化きょうかできるようにするとともに、場面ばめんおうじたぬのマスク着用ちゃくよう換気かんきおこなこと、症状しょうじょうあるときは外出がいしゅつひかえることといった基本きほんてき感染かんせん対策たいさくつづける必要ひつようがあると指摘してきしています。

日本にっぽんではどうひろがった?

WHOが「緊急きんきゅう事態じたい」を宣言せんげんした2020ねん1つき30にち時点じてん日本にっぽん国内こくない感染かんせん確認かくにんされたひとかず厚生こうせい労働ろうどうしょうのまとめでは12にんでした。

それ以降いこう国内こくないではこれまでにわせて8かい感染かんせん拡大かくだいなみ経験けいけんし、5にちまでに感染かんせんしたひと累計るいけいは3400まんにんちかくなったひとは7まん5000にんちかくにのぼっています。

接触せっしょく機会きかい 最低さいてい7わりらして” 最初さいしょ緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん

日本にっぽん国内こくない最初さいしょ感染かんせん確認かくにんされたのは2020ねん1つき15にちで、4つき7にちには、政府せいふ東京とうきょうなど7都府県とふけん法律ほうりつもとづくはじめての「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」をして、ひとひととの接触せっしょく機会きかいを「最低さいてい7わり極力きょくりょく8わりらすようもとめるなど、きびしい行動こうどう制限せいげんおこなわれました。

感染かんせん拡大かくだいだい1では、2020ねん5つきまつまでに感染かんせんしゃすうはおよそ1まん7000にんくなったひとは892にんで、感染かんせんしゃのうちくなったひと割合わりあい致死ちしりつは5.34%とたか状態じょうたいでした。

致死ちしりつ徐々じょじょ低下ていか感染かんせんしゃすう桁違けたちが増加ぞうか

感染かんせん拡大かくだいなみはこれまでにあわせて8かいきましたが、致死ちしりつ徐々じょじょがる傾向けいこうで、感染かんせん対策たいさく社会しゃかい経済けいざい活動かつどう両立りょうりつさせるため、「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」は変異へんいウイルスのデルタかぶ拡大かくだいした2021ねんなつの「だい5」のあと、「まん延まんえん防止ぼうしとう重点じゅうてん措置そち」はオミクロンかぶ拡大かくだいした2022ねんはじからの「だい6」のあとはされなくなりました。

一方いっぽうで、感染かんせんりょくつよオミクロンかぶ拡大かくだい以降いこう感染かんせんしゃすう桁違けたちがおおくなり、医療いりょう体制たいせいひっ迫ひっぱくしてコロナだけでなく救急きゅうきゅうなど一般いっぱん医療いりょうにもおおきな影響えいきょうたほか、なるひとかずおおくなってきています。

このふゆだい8では致死ちしりつは0.23%ですが、くなったひとかずは2023ねん1つきにはいちにちで500にんえるあるなど過去かこ最多さいたとなり、2022ねん12つき以降いこう、ことし2つきまつまでの3か月かげつで2まん3000にんちかとなり、これまでにくなったひとの3わりめています。

当初とうしょ新型しんがたコロナウイルスへの感染かんせんおも肺炎はいえんとなってなるひとおおかったのが、現在げんざいではもともとおも持病じびょうある高齢こうれいしゃなど感染かんせんきっかけ状態じょうたい悪化あっかしてくなるケースおおくなっている可能かのうせいがあると専門せんもん指摘してきしています。

あつろうしょうちゅう長期ちょうきてき対策たいさくへの移行いこう日本にっぽんおな方向ほうこう

WHOが「緊急きんきゅう事態じたい」の宣言せんげんして以降いこう日本にっぽん国内こくないでも新型しんがたコロナの感染かんせん拡大かくだいふせためさまざまな対策たいさくおこなわれてきました。

2020ねん2つきには新型しんがたコロナを感染かんせんしょうほうじょうの「指定してい感染かんせんしょう」と検疫けんえきほうの「検疫けんえき感染かんせんしょう」に指定していするための政令せいれい施行しこうしました。そして感染かんせんしょうほうじょうで「2るい相当そうとう」に位置いちづけたことで、入院にゅういん勧告かんこく就業しゅうぎょう制限せいげんなどきびしい措置そちをとることができるようになりました。

しかし直近ちょっきん感染かんせん状況じょうきょうなどまえて新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんしょうほう位置いちづけ今月こんげつ8にち季節きせつせいインフルエンザとおな5るい移行いこうすることが正式せいしき決定けっていしています。

厚生こうせい労働ろうどうしょうは「WHOの新型しんがたコロナの対策たいさく危機きき管理かんりてき対策たいさくからちゅう長期ちょうきてき対策たいさく移行いこうしていくのは日本にっぽんおな方向ほうこうだと認識にんしきしている。今後こんごなつ感染かんせん拡大かくだい想定そうていされるので、高齢こうれいしゃなど重症じゅうしょうリスクたかひとへのワクチンの接種せっしゅ医療いりょう提供ていきょう体制たいせい整備せいびなどに取り組とりくとともに個人こじん適切てきせつ感染かんせん防止ぼうし対策たいさくがとれるように情報じょうほう提供ていきょうつとめていきたい」コメントとしています。

政府せいふ分科ぶんかかい 尾身おみ会長かいちょう判断はんだん適切てきせつ ただ終息しゅうそくではない」

政府せいふ分科ぶんかかい尾身おみしげる会長かいちょうは「世界せかいてき感染かんせんしゃすうすこずつり、直近ちょっきんではくなるひとかずって医療いりょう負荷ふか軽減けいげんされてきている。日本にっぽんでも感染かんせんしょうほうじょう位置いちづけを『5るい』に移行いこうする対応たいおうをとるなかでもあり、WHOの判断はんだん適切てきせつなのではないか」とべました。

そのうえで「ただこれ新型しんがたコロナの感染かんせんわった、終息しゅうそくしたというわけではない。今後こんご感染かんせんひくレベルにかっていくことを期待きたいしたいが、これから感染かんせんしゃすう急増きゅうぞうし、医療いりょうひっ迫ひっぱくする事態じたいになってしまうこともあり市民しみん自身じしん個人こじん判断はんだんで、いままでの経験けいけんもと感染かんせんリスクのたか行動こうどうひかえめにするなど対応たいおうをとることが、これまでとわらず有効ゆうこう対策たいさくなるおも」と指摘してきしました。
ソース:NHK ニュース