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居合道 昇段審査で現金渡し合格依頼 剣道連盟が処分
2018-08-17 03:20:02

全日本剣道連盟が実施する居合道の昇段などの審査で、審査員に現金を渡して合格を依頼する不適切な金銭の受け渡しがあったとして、剣道連盟が審査の受験者や審査員などに、連盟の会員資格や段位の自主返納などの処分を行ったことがわかりました。
全日本剣道連盟によりますと、不適切な金銭の受け渡しは、居合道の八段と八段の合格後、一定の年数が経過したあとに受験できる最高位の「範士」の審査で行われていました。
八段の審査は実技により2次まで実施され、審査員は1次が6人、2次が9人で行われます。
また、範士の審査は審査員10人が実績や人格面を考慮した書面によって、合格するかどうかを判断します。審査員はいずれも主に範士が務めているということです。
剣道連盟ではおととし、昇段などの審査で金銭の受け渡しが行われているとのうわさがあったことから、元裁判官などからなる綱紀委員会を設けて、関係者への聞き取りなどを進めた結果、平成24年の「範士」の審査の際に、7人の審査員などに対して合わせて100万円余りが渡ったことが確認されたということです。
また、おととし5月には、八段の審査を希望していた受験者が、およそ200万円を指導者に渡し、その後、返却されたことも確認されたということです。
剣道連盟は「審査が近い時期に金銭を授受する不適切な慣行が古くから存在した」と認定し、去年11月以降、受験者や審査員など、9人に対して会員資格と段位の自主返納などの処分を決めました。
一方で、処分の対象者のほとんどについて「金銭の授受を素直に認め、深く反省している」として、処分の執行を猶予しているということです。
全日本剣道連盟の中谷行道常任理事は「連盟にとって段位というのは権威の源であり、大変重要なもので、金銭の授受は絶対に許してはいけない。問題が発覚したあと、厳しく調査し、厳しく処分した」と話し、審査員の氏名を漏らさないよう情報管理を徹底化するなど、再発防止策を取っていることを明らかにしました。
八段の審査は実技により2次まで実施され、審査員は1次が6人、2次が9人で行われます。
また、範士の審査は審査員10人が実績や人格面を考慮した書面によって、合格するかどうかを判断します。審査員はいずれも主に範士が務めているということです。
剣道連盟ではおととし、昇段などの審査で金銭の受け渡しが行われているとのうわさがあったことから、元裁判官などからなる綱紀委員会を設けて、関係者への聞き取りなどを進めた結果、平成24年の「範士」の審査の際に、7人の審査員などに対して合わせて100万円余りが渡ったことが確認されたということです。
また、おととし5月には、八段の審査を希望していた受験者が、およそ200万円を指導者に渡し、その後、返却されたことも確認されたということです。
剣道連盟は「審査が近い時期に金銭を授受する不適切な慣行が古くから存在した」と認定し、去年11月以降、受験者や審査員など、9人に対して会員資格と段位の自主返納などの処分を決めました。
一方で、処分の対象者のほとんどについて「金銭の授受を素直に認め、深く反省している」として、処分の執行を猶予しているということです。
全日本剣道連盟の中谷行道常任理事は「連盟にとって段位というのは権威の源であり、大変重要なもので、金銭の授受は絶対に許してはいけない。問題が発覚したあと、厳しく調査し、厳しく処分した」と話し、審査員の氏名を漏らさないよう情報管理を徹底化するなど、再発防止策を取っていることを明らかにしました。
全日本剣道連盟の居合道 最高位の範士は49人
全日本剣道連盟には剣道と居合道、つえを用いる杖道の3つの部門があり、合わせておよそ185万人の会員が登録しています。
室町時代にその起源があると言われる居合道には多くの流派があり、日本刀の真剣や模擬の刀を使って演武を披露します。
全日本剣道連盟の居合道の会員数はおよそ9万人余りで、このうち最高位にあたる「範士」は、ことし5月現在で49人しかいません。
室町時代にその起源があると言われる居合道には多くの流派があり、日本刀の真剣や模擬の刀を使って演武を披露します。
全日本剣道連盟の居合道の会員数はおよそ9万人余りで、このうち最高位にあたる「範士」は、ことし5月現在で49人しかいません。
問題の背景は
全日本剣道連盟が定めている審査規則によりますと、居合道の段位や「範士」などの称号の審査は、段位の高い人や学識経験者などが審査員となります。
段位は初段から八段まで、称号は「錬士」「教士」「範士」の3つがあり、「範士」がすべての段位や称号の中での最高位と定められています。
このうち八段の審査は、実技により2次まで実施され、連盟が定めた技を披露して作法の正しさや技の正確さ、心の落ち着きや気迫に加えて、段位にふさわしい風格や品位が備わっているか総合的に判断して合否を決めるとしています。
また、範士の審査は八段に合格してから8年以上経過するなどの条件を満たすことで受験資格が得られ、審査員が、これまでの実績や、人物などの評価、それに居合道や武道の修業全般に関することなどを審査し、合否を判断するとしています。
全日本剣道連盟は今回の問題の背景として、審査会では評価の中に主観的な要素の占める割合が多く、審査員と面識があることが有利に働くと考えられていたことや、審査員が連盟の中にある居合道委員会の委員が兼務する状況が長年続いていたため、氏名が受験者に知れ渡っており容易に接触できたこと、いったん審査員に任命されると長年にわたって継続する慣例があったこと、大きな流派の頂点に立つ人物が審査に強い影響力を及ぼしていたことなどがあったとしています。
全日本剣道連盟では、これらの問題点に対応するため、審査員の氏名を漏らさないよう情報管理を徹底化する居合道委員会の委員を審査員から除外するなどの取り組みを実施しています。
段位は初段から八段まで、称号は「錬士」「教士」「範士」の3つがあり、「範士」がすべての段位や称号の中での最高位と定められています。
このうち八段の審査は、実技により2次まで実施され、連盟が定めた技を披露して作法の正しさや技の正確さ、心の落ち着きや気迫に加えて、段位にふさわしい風格や品位が備わっているか総合的に判断して合否を決めるとしています。
また、範士の審査は八段に合格してから8年以上経過するなどの条件を満たすことで受験資格が得られ、審査員が、これまでの実績や、人物などの評価、それに居合道や武道の修業全般に関することなどを審査し、合否を判断するとしています。
全日本剣道連盟は今回の問題の背景として、審査会では評価の中に主観的な要素の占める割合が多く、審査員と面識があることが有利に働くと考えられていたことや、審査員が連盟の中にある居合道委員会の委員が兼務する状況が長年続いていたため、氏名が受験者に知れ渡っており容易に接触できたこと、いったん審査員に任命されると長年にわたって継続する慣例があったこと、大きな流派の頂点に立つ人物が審査に強い影響力を及ぼしていたことなどがあったとしています。
全日本剣道連盟では、これらの問題点に対応するため、審査員の氏名を漏らさないよう情報管理を徹底化する居合道委員会の委員を審査員から除外するなどの取り組みを実施しています。
JOC 現時点でこれ以上の対応は考えず
JOC=日本オリンピック委員会は「問題の概要は把握している。全日本剣道連盟に問い合わせたところ、すでに調査をしたうえで処分を行ったと聞いている」と話し、現時点でこれ以上の対応は考えていないということです。
スポーツ界 競技団体めぐり不祥事相次ぐ
スポーツ界ではここ最近、競技団体をめぐる不祥事が相次いでいます。
全国のボクシング関係者で作るグループは、日本ボクシング連盟による選手への助成金の不適切な流用や、審判不正などについて問題を指摘し、スポーツ庁などに調査や連盟の処分を求めました。
その後、日本ボクシング連盟の当時の山根明会長が、暴力団関係者と交際していたことを認めるなど新たな問題も発覚し、山根氏は今月、会長などを辞任し、所属していたすべての連盟から退会しました。
また、ことし1月には日本レスリング協会の当時の栄和人強化本部長が、オリンピック4連覇を果たした伊調馨選手にパワーハラスメントを行っていたとして、内閣府に告発状が送られました。
レスリング協会や内閣府はパワハラを認定し、栄氏は強化本部長を辞任したほか、レスリング協会の常務理事や大学の監督の役職も解任され、レスリング界の発展に貢献してきた著名な指導者が指導の場を失う形となりました。
プロスポーツでも去年10月、大相撲で現役の横綱だった日馬富士が、巡業先でカラオケのリモコンで力士を殴るなどの傷害事件を起こし、日馬富士は責任を取って引退しました。
この事件では、被害を受けた力士の師匠の貴乃花親方が、調査の在り方をめぐって日本相撲協会と対立し、懲戒処分を受けるなど波紋が広がりました。
全国のボクシング関係者で作るグループは、日本ボクシング連盟による選手への助成金の不適切な流用や、審判不正などについて問題を指摘し、スポーツ庁などに調査や連盟の処分を求めました。
その後、日本ボクシング連盟の当時の山根明会長が、暴力団関係者と交際していたことを認めるなど新たな問題も発覚し、山根氏は今月、会長などを辞任し、所属していたすべての連盟から退会しました。
また、ことし1月には日本レスリング協会の当時の栄和人強化本部長が、オリンピック4連覇を果たした伊調馨選手にパワーハラスメントを行っていたとして、内閣府に告発状が送られました。
レスリング協会や内閣府はパワハラを認定し、栄氏は強化本部長を辞任したほか、レスリング協会の常務理事や大学の監督の役職も解任され、レスリング界の発展に貢献してきた著名な指導者が指導の場を失う形となりました。
プロスポーツでも去年10月、大相撲で現役の横綱だった日馬富士が、巡業先でカラオケのリモコンで力士を殴るなどの傷害事件を起こし、日馬富士は責任を取って引退しました。
この事件では、被害を受けた力士の師匠の貴乃花親方が、調査の在り方をめぐって日本相撲協会と対立し、懲戒処分を受けるなど波紋が広がりました。
ソース:NHK ニュース