「嫡出ちゃくしゅつ否認ひにん」夫おっとにのみ認みとめる… 民法みんぽう規定きてい ２に審しんも合憲ごうけん判断はんだん

夫おっとと子こどもの親子おやこ関係かんけいを法的ほうてきに否定ひていする手続てつづきを夫おっとには認みとめる一方いっぽうで、妻つまや子こどもには認みとめていない民法みんぽうの規定きていが憲法けんぽうに違反いはんするか争あらそわれた裁判さいばんで、２に審しんの大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょは「夫おっとにのみ認みとめることには一応いちおうの合理ごうり性せいがある」として、１いち審しんに続つづいて憲法けんぽうに違反いはんしないという判断はんだんを示しめしました。

民法みんぽうでは妻つまが妊娠にんしんした場合ばあい、夫おっと以外いがいの男性だんせいとの間の子あいのこどもだとしても、法律ほうりつ上じょう、父親ちちおやは夫おっとと推定すいていすると定さだめられていて、この親子おやこ関係かんけいを法的ほうてきに否定ひていする「嫡出ちゃくしゅつ否認ひにん」という手続てつづきは、夫おっとには認みとめられている一方いっぽう、妻つまや子こどもには認みとめられていません。

これについて、神戸こうべ市しの60代だいの女性じょせいと子こどもなどが法ほうの下したの平等びょうどうを定さだめた憲法けんぽうに違反いはんすると主張しゅちょうして、国くにに賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしましたが１いち審しんは退しりぞけていました。

30日にちの２に審しんの判決はんけつで、大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょの江口えぐちとし子としこ裁判さいばん長ちょうは「夫おっとは父ちちと子この関係かんけいにおいて扶養ふようなどで直接ちょくせつ、法的ほうてき義務ぎむが生しょうじる立場たちばなので、夫おっとにのみ嫡出ちゃくしゅつ否認ひにんを認みとめることは一応いちおうの合理ごうり性せいがある」として、民法みんぽうの規定きていは憲法けんぽうに違反いはんしないという判断はんだんを示しめしました。

そのうえで「妻つまや子こどもにも嫡出ちゃくしゅつ否認ひにんを認みとめるかどうかは家族かぞくに関にかんする制度せいど設計せっけいの在り方ありかたの問題もんだいで、国会こっかいの立法りっぽう裁量さいりょうに委ゆだねられるべきだ」と述のべ、１いち審しんに続つづいて訴うったえを退しりぞけました。

原告げんこくの女性じょせい「非常ひじょうに残念ざんねん」

裁判さいばんで原告げんこく側がわは妻つまや子こどもに嫡出ちゃくしゅつ否認ひにんを認みとめていない民法みんぽうの規定きていが戸籍こせきのない子こどもを生しょうじさせる原因げんいんとなっていると訴うったえてきました。

判決はんけつ後ごに会見かいけんした原告げんこくの60代だいの女性じょせいは「もっと女性じょせいの立場たちばに立たった判決はんけつが出だされると期待きたいしていたが、合憲ごうけんという判断はんだんで非常ひじょうに残念ざんねんだ」と話はなしました。

また、原告げんこく側がわの作花さっか知とも志こころざし弁護士べんごしは最高さいこう裁判所さいばんしょに上告じょうこくする方針ほうしんを明あきらかにしたうえで「最高裁さいこうさいの審理しんりと並行へいこうして法務省ほうむしょうには無む戸籍こせきの子こどもが生うまれないよう法ほう改正かいせいをしてほしい。そして最高裁さいこうさいはこの問題もんだいの法的ほうてきな評価ひょうかを出だしてほしい」と述のべました。

ソース：NHK ニュース