待機たいき児童じどう6000人にん余あまり減少げんしょう 10年ねんぶりに２に万まん人にん下回したまわる

保育ほいく所しょなどの空あきを待まっている「待機たいき児童じどう」は、ことし４月しがつの時点じてんで２に万まん人にんを下回したまわり、去年きょねんの同おなじ時期じきより6000人にん余あまり少すくなくなりました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、ことし４月しがつ時点じてんの待機たいき児童じどうは全国ぜんこくで１いち万まん9895人にんと去年きょねんの同おなじ時期じきよりおよそ6200人にん少すくなくなりました。

待機たいき児童じどうが２に万まん人にんを下回したまわったのは平成へいせい20年ねん以来いらい、10年ねんぶりです。

都道とどう府県ふけん別べつで最もっとも多おおかったのは東京とうきょうで5414人にんですが、去年きょねんに比くらべると3000人にん余あまり少すくなくなりました。

次ついで兵庫ひょうごが1988人にん、沖縄おきなわが1870人にん、埼玉さいたまが1552人にんなどとなっています。

一方いっぽう、待機たいき児童じどうがいなかったのは青森あおもり、富山とやま、石川いしかわ、山梨やまなし、岐阜ぎふ、それに鳥取とっとりの６むっつの県けんでした。

保育ほいく所しょなどの定員ていいんは、全国ぜんこくで294万まん4000人にん余あまりと去年きょねんよりおよそ11万まん人にん多おおくなっていて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは保育ほいくの受け皿うけざらを拡大かくだいした結果けっか、待機たいき児童じどうが減少げんしょうしたとしています。

一方いっぽうで、必要ひつような保育ほいく士しを確保かくほできず開設かいせつできなかったり、子こどもの受け入うけいれ数すうを減へらしたりする保育ほいく所しょが各地かくちで出でるなど、新あらたな課題かだいも浮かび上うかびあがっています。

政府せいふは、2020年度ねんど末まつまで保育ほいくの受け皿うけざらをさらに拡大かくだいし待機たいき児童じどうをゼロにする目標もくひょうを掲かかげていて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「引き続ひきつづき待機たいき児童じどう解消かいしょうに向むけて必要ひつような対策たいさくに取り組とりくむ」としています。

保育ほいく士し不足ふそくで開設かいせつできなかったケースも

保育ほいく士し不足ふそくで保育ほいく所しょを開設かいせつできなかったケースも出でています。

東京とうきょう・墨田すみだ区くでは、昨年度さくねんど５いつつの保育ほいく所しょを新あらたに開設かいせつし、合あわせて840人にん分ぶんの定員ていいんを拡大かくだいする計画けいかくでした。

ところが、このうち去年きょねん12月つきに161人にんの定員ていいんで開設かいせつ予定よていだった保育ほいく所しょは、保育ほいく士しを確保かくほできずオープンできなかったということです。

また、去年きょねん10月つきに開設かいせつした保育ほいく所しょでも保育ほいく士し不足ふそくのため当初とうしょの予定よていより定員ていいんを28人にん減へらしてオープンしたということです。

取材しゅざいに対にたいして２ふたつの保育ほいく所しょを運営うんえいする企業きぎょうは「質しつの高たかい人材じんざいの採用さいようを目指めざした結果けっか、十分じゅうぶんな保育ほいく士しの確保かくほができなかった。引き続ひきつづき採用さいようを進すすめたい」としています。

墨田すみだ区く子こども施設しせつ課かの金子かねこ明あきら課長かちょうは「保育ほいく士しの数かずが限かぎられる中なか、多おおくの自治体じちたいが保育ほいく所しょをどんどん作つくっているので、人材じんざい確保かくほが難むずかしくなっている。区くとしても保育ほいく所しょの運営うんえい事業じぎょう者しゃが保育ほいく士しを確保かくほできるよう支援しえんに取り組とりくみたい」と話はなしていました。

「潜在せんざい保育ほいく士し」掘り起ほりおこしの制度せいど

保育ほいく士しの不足ふそくが深刻しんこくな課題かだいとなっていることを受うけて、茨城いばらき県けんはことし４月しがつ、保育ほいく士しの資格しかくを持もちながら子育こそだてなどで職場しょくばを離はなれている「潜在せんざい保育ほいく士し」の復帰ふっきを促うながそうと、人材じんざい派遣はけん会社かいしゃと連携れんけいして「いばらき保育ほいく人材じんざいバンク」という新あたらしい制度せいどを設もうけました。

この制度せいどは、県内けんないの「潜在せんざい保育ほいく士し」に事前じぜんに登録とうろくしてもらい、勤務きんむ時間じかんや収入しゅうにゅうなど希望きぼうする条件じょうけんに合あわせて人材じんざい派遣はけん会社かいしゃが県内けんないの保育ほいく所しょなどを紹介しょうかいする仕組しくみです。

復帰ふっきの際さいは、人材じんざい派遣はけん会社かいしゃの担当たんとう者しゃが付き添つきそう形かたちで採用さいよう面接めんせつが行おこなわれるうえ１いちか月かげつ間かんの研修けんしゅう期間きかんも設もうけられ、その間そのかんの給与きゅうよは県けんが補助ほじょすることになっています。

６ろく日にちは子こどもが小しょう学校がっこうに入学にゅうがくしたことを受うけてバンクに登録とうろくした女性じょせいが水戸みと市しの保育ほいく所しょの採用さいよう面接めんせつを受うけました。

面接めんせつを終おえた女性じょせいは「これまでも再ふたたび働はたらきたい気持きもちはあったが長時間ちょうじかんは働はたらけないのでためらっていた。派遣はけん会社かいしゃの方ほうと勤務きんむ時間じかんなど尋たずねにくい条件じょうけんを確認かくにんできたのでよかった」と話はなしていました。

保育ほいく所しょの理事りじ長ちょうは「周辺しゅうへんに新あらたな保育ほいく所しょができているため、今後こんごの人材じんざいの確保かくほが心配しんぱいだ。潜在せんざい保育ほいく士しには勤務きんむ時間じかんの制約せいやくがあっても働はたらける場所ばしょがあることを知しってもらいたい」と話はなしていました。

茨城いばらき県けんによりますと、制度せいどの開始かいしから５ごか月かげつが過すぎた先月せんげつ末まつまでに合あわせて41人にんの「潜在せんざい保育ほいく士し」が登録とうろくを行おこない、このうち７なな人にんが職場しょくばに復帰ふっきしたということです。

茨城いばらき県内けんないには「潜在せんざい保育ほいく士し」がおよそ１いち万まん人にんいるということで、県けんは資料しりょうの発送はっそうや相談そうだん会かいなどを通をつうじてバンクへの登録とうろくを呼よびかけています。

茨城いばらき県けん子こども未来みらい課かの阿部あべ将すすむ昭あきら課長かちょう補佐ほさは「人材じんざい派遣はけん会社かいしゃのノウハウを生いかして潜在せんざい保育ほいく士しの掘り起ほりおこしができている。保育ほいく所しょの定員ていいんや保育ほいくの質しつを確保かくほするため実際じっさいに働はたらく保育ほいく士しの数かずを増ふやしたい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース