聖母せいぼとキリストの木像もくぞう “修復しゅうふく” で毒々どくどくしい色いろに スペイン

スペインで、15世紀せいきに作つくられたキリストと聖母せいぼマリアをかたどった素朴そぼくな木彫きぼりの像ぞうを地元じもとの人ひとが修復しゅうふくしたところ、ピンクや黄き緑色りょくしょくといった派手はでな色彩しきさいで色いろづけされ、物議ぶつぎを醸かもしています。

物議ぶつぎを醸かもしているのは、スペイン北部ほくぶの小ちいさな集落しゅうらくの教会きょうかいにある、15世紀せいきに作つくられた幼おさないキリストと聖母せいぼマリアをかたどった素朴そぼくな木彫きぼりの像ぞうです。

地元じもとの女性じょせいが修復しゅうふくにあたったところ、キリストの服ふくは黄き緑色りょくしょくに、聖母せいぼマリアはピンクに色いろづけられ、目元めもとにアイラインまで入はいり、元もとの姿すがたとは似にても似につかない派手はでな仕上しあがりとなりました。

修復しゅうふくにあたった女性じょせいは「教会きょうかいから許可きょかを得えたし、みんなも気に入きにいっている」と主張しゅちょうしているということですが、地元じもとの自治体じちたいは仕上しあがりには満足まんぞくしておらず、法的ほうてきな手段しゅだんも検討けんとうしているということです。

スペインではことし６月ろくがつにも勇敢ゆうかんな姿すがたが特徴とくちょうだった16世紀せいきの騎士きし像ぞうが修復しゅうふくの結果けっか、気きの抜ぬけた表情ひょうじょうに変かわったほか、2012年ねんにも一般いっぱんの女性じょせいが修復しゅうふくした宗教しゅうきょう画ががキリストに似にても似につかない表情ひょうじょうになったと批判ひはんが集あつまり、文化財ぶんかざいの保存ほぞんにあたる団体だんたいは「大事だいじな遺産いさんが次々つぎつぎと壊こわされることをいつまで黙だまって見みているのか」とツイッターに書き込かきこみ、憤いきどおりをあらわにしています。

一方いっぽうで、ひどい修復しゅうふくがきっかけで観光かんこう客きゃくが増ふえたところもあり、メディアからは「今回こんかいも成り行なりゆきを見守みまもってみては」という皮肉ひにくな声こえも出でています。

ソース：NHK ニュース