停電ていでんで乳ちちを搾しぼれず 乳牛にゅうぎゅうに乳房ちぶさ炎えん広ひろがる 北海道ほっかいどう 別海べっかい町まち

地震じしんによる停電ていでんの影響えいきょうで、北海道ほっかいどう別海べっかい町まちでは乳ちちを搾しぼれずに体調たいちょうを崩くずした乳牛にゅうぎゅうに「乳房ちぶさ炎えん」という病気びょうきが広ひろがり、酪農らくのう家かからは影響えいきょうを懸念けねんする声こえが上あがっています。

別海べっかい町まちで70頭とうの乳牛にゅうぎゅうを飼育しいくしている牧場ぼくじょうでは、停電ていでんの影響えいきょうで最大さいだいで５ご時間じかん、搾乳さくにゅうが遅おくれ、ストレスで体調たいちょうを崩くずした３さん頭とうが「乳房ちぶさ炎えん」になったということです。14日にちは症状しょうじょうが長引ながびく１いち頭とうに獣しし医師いしが抗生こうせい剤ざいと点滴てんてきを投与とうよしました。

「乳房ちぶさ炎えん」は乳ちちが搾しぼられなかったりストレスを受うけたりして体調たいちょうを崩くずした乳牛にゅうぎゅうの乳房ちぶさに細菌さいきんが入り込はいりこんで起おき、乳房ちぶさが腫はれたり発熱はつねつしたりするほか悪化あっかすると死しぬおそれもあります。

家畜かちくを診療しんりょうする「北海道ほっかいどうひがし農業のうぎょう共済きょうさい組合くみあい」によりますと、今月こんげつ６ろく日にちから10日にちまでに乳房ちぶさ炎えんと診断しんだんされた乳牛にゅうぎゅうは釧路くしろ・根室ねむろ地方ちほうで合あわせて5917頭とうと、先月せんげつの同おなじ時期じきのおよそ２に倍ばいに上のぼるということです。

乳房ちぶさ炎えんは抗生こうせい剤ざいで回復かいふくするものの、長たければ10日にちほど生乳せいにゅうを出荷しゅっかできず、体調たいちょうがよくなっても搾乳さくにゅう量りょうが戻もどらない可能かのう性せいもあるということです。

「北海道ほっかいどうひがし農業のうぎょう共済きょうさい組合くみあい」の後閑ごかん賢一けんいち獣じゅう医師いしは「夏場なつばに増ふえる病気びょうきですがここまで一気いっきに出でることは過去かこありません」と話はなしています。

牧場ぼくじょうを経営けいえいする加藤かとう忠博ただひろさんは「今後こんごの生産せいさん量りょうがどうなるか心配しんぱいです。牛うしの健康けんこうがいちばんなので、これ以上いじょう乳房ちぶさ炎えんが出でないことを祈いのっています」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース