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貴乃花親方の退職認める 日本相撲協会
2018-10-01 07:15:30

日本相撲協会は1日に開かれた臨時の理事会で、退職を届け出ていた貴乃花親方の退職を認めました。これで、優勝22回の平成の大横綱が角界を去ることが正式に決まりました。
貴乃花親方は先月25日、日本相撲協会に退職を届け出たほか、部屋の力士などの千賀ノ浦部屋への移籍を希望する書類を提出しました。
これを受けて相撲協会は1日、東京 両国の国技館で臨時の理事会を開きました。協会関係者によりますと、理事会では貴乃花部屋の力士など10人の千賀ノ浦部屋への移籍について審議し承認したあと、退職を届け出ていた貴乃花親方の退職についても認めました。
これで、優勝22回の平成の大横綱が角界を去ることが正式に決まりました。
これを受けて相撲協会は1日、東京 両国の国技館で臨時の理事会を開きました。協会関係者によりますと、理事会では貴乃花部屋の力士など10人の千賀ノ浦部屋への移籍について審議し承認したあと、退職を届け出ていた貴乃花親方の退職についても認めました。
これで、優勝22回の平成の大横綱が角界を去ることが正式に決まりました。
貴乃花親方「ご厚情に感謝」ホームページに
貴乃花親方は、1日、日本相撲協会の臨時の理事会で退職が認められる前に、部屋の後援会のホームページに「皆様への感謝」などと題したコメントを掲載しました。
この中では、「大相撲ファンの皆様の辞めるなの声も受け入れず突然の引退会見をし、ご心配をかけてばかりでの人生で申し訳ないことばかりです。しかしながら弟子たち将来の展望が楽しみでなりません。厳しく育ててきてここで師匠が引退してしまう事態になり、可愛い子には苦労をさせろ、ということになってしまいました。それでも私の弟子たちは、真摯(しんし)に理解をしてくれております」としたうえで、「大相撲ファンの皆様、貴乃花部屋の支援者の皆様の貴乃花へ対するご厚情には、感謝の言葉しか見当たりません。大相撲は不滅です。土俵は必ず日本国の遺産として遺ります。どうか千賀ノ浦部屋のご支援ご後援を賜れますようにお願い申し上げます」などと、感謝や大相撲に対する思いを掲載しています。
この中では、「大相撲ファンの皆様の辞めるなの声も受け入れず突然の引退会見をし、ご心配をかけてばかりでの人生で申し訳ないことばかりです。しかしながら弟子たち将来の展望が楽しみでなりません。厳しく育ててきてここで師匠が引退してしまう事態になり、可愛い子には苦労をさせろ、ということになってしまいました。それでも私の弟子たちは、真摯(しんし)に理解をしてくれております」としたうえで、「大相撲ファンの皆様、貴乃花部屋の支援者の皆様の貴乃花へ対するご厚情には、感謝の言葉しか見当たりません。大相撲は不滅です。土俵は必ず日本国の遺産として遺ります。どうか千賀ノ浦部屋のご支援ご後援を賜れますようにお願い申し上げます」などと、感謝や大相撲に対する思いを掲載しています。
貴乃花親方 退職までの動き
元横綱貴乃花の貴乃花親方は46歳。現役時代は兄の元横綱若乃花とともに「若貴フィーバー」と呼ばれる空前の相撲人気をつくり、史上6位となる22回の優勝を果たしました。
平成15年初場所で引退したあと、大相撲の発展に大きく貢献したとして現役のしこ名のまま親方になれる一代年寄を贈られ、平成16年に父の二子山部屋を貴乃花部屋として継いだあと、師匠として貴ノ岩や貴景勝などの関取を育てました。
また、日本相撲協会の理事を4期連続で務めていましたが、巡業部長だった去年10月に起きた元横綱日馬富士の傷害事件をめぐる対応が問題視され、ことし1月に理事を解任されました。
その後、ことし3月、内閣府に対して、相撲協会の危機管理委員会の調査は公正中立ではない、法的には理事を解任する理由にはあたらないなどとして告発状を提出しました。
しかし、春場所中に起きた弟子の貴公俊の暴行問題を受けて告発状を取り下げ、相撲協会から弟子の監督責任を問われ親方として最も下の階級である「年寄」への降格処分を受けました。3月末からは審判部に配属され、土俵下で審判を務めていました。
そのうえで、「今後は一兵卒としてゼロからスタートし弟子の育成に集中する」などとして4月にみずから立ち上げた「貴乃花一門」の名称の変更を申し出たあと、6月には一門を離脱して無所属となりました。
一方で、日本相撲協会は7月の理事会で「すべての親方は現在5つある一門に所属すること」という規程を決議し、先月27日の理事会までに各親方に対して所属先を決めるように求めていましたが、すべての親方のうちただ1人、所属する一門のめどが立っていませんでした。
こうした中、貴乃花親方は先月25日、突然、退職を届け出る文書を相撲協会に提出していました。
平成15年初場所で引退したあと、大相撲の発展に大きく貢献したとして現役のしこ名のまま親方になれる一代年寄を贈られ、平成16年に父の二子山部屋を貴乃花部屋として継いだあと、師匠として貴ノ岩や貴景勝などの関取を育てました。
また、日本相撲協会の理事を4期連続で務めていましたが、巡業部長だった去年10月に起きた元横綱日馬富士の傷害事件をめぐる対応が問題視され、ことし1月に理事を解任されました。
その後、ことし3月、内閣府に対して、相撲協会の危機管理委員会の調査は公正中立ではない、法的には理事を解任する理由にはあたらないなどとして告発状を提出しました。
しかし、春場所中に起きた弟子の貴公俊の暴行問題を受けて告発状を取り下げ、相撲協会から弟子の監督責任を問われ親方として最も下の階級である「年寄」への降格処分を受けました。3月末からは審判部に配属され、土俵下で審判を務めていました。
そのうえで、「今後は一兵卒としてゼロからスタートし弟子の育成に集中する」などとして4月にみずから立ち上げた「貴乃花一門」の名称の変更を申し出たあと、6月には一門を離脱して無所属となりました。
一方で、日本相撲協会は7月の理事会で「すべての親方は現在5つある一門に所属すること」という規程を決議し、先月27日の理事会までに各親方に対して所属先を決めるように求めていましたが、すべての親方のうちただ1人、所属する一門のめどが立っていませんでした。
こうした中、貴乃花親方は先月25日、突然、退職を届け出る文書を相撲協会に提出していました。
貴乃花部屋とは
貴乃花親方が師匠を務めていた貴乃花部屋は、東京江東区にあります。
貴乃花親方は平成16年に当時東京 中野区にあった二子山部屋から部屋を継承し、その後、おととし、今の江東区の部屋に移転しました。
日本相撲協会によりますと、貴乃花部屋には力士や床山など合わせて10人が所属しています。このうち幕内は、秋場所で小結の貴景勝と西前頭13枚目の貴ノ岩の2人です。また、秋場所で十両の貴源治は、幕下の貴公俊の双子の弟です。
1日、千賀ノ浦部屋への移籍が決まり、この10人が移ることになります。
貴乃花親方は平成16年に当時東京 中野区にあった二子山部屋から部屋を継承し、その後、おととし、今の江東区の部屋に移転しました。
日本相撲協会によりますと、貴乃花部屋には力士や床山など合わせて10人が所属しています。このうち幕内は、秋場所で小結の貴景勝と西前頭13枚目の貴ノ岩の2人です。また、秋場所で十両の貴源治は、幕下の貴公俊の双子の弟です。
1日、千賀ノ浦部屋への移籍が決まり、この10人が移ることになります。
協会 平成の大横綱の経験や人気失うことに
貴乃花親方は、去年秋に起きた元横綱日馬富士による弟子の貴ノ岩に対する傷害事件を発端に、相撲協会に対して対立する姿勢を続けてきましたが、功績を評価する声もあります。
相撲界がいわゆる八百長問題などで揺れたあとファン離れが懸念された平成24年の春場所では、理事として担当部長を務め、みずからさまざまなイベントやテレビの番組に出演し、相撲界への信頼と人気の回復に奔走しました。
また、部屋の師匠として厳しい稽古で小結の貴景勝や貴ノ岩などの関取も育てました。
この春からは審判部に配属され土俵下で審判を務めていて、場内のアナウンスで紹介を受ける際には力士にひけを取らない声援と拍手を受けるなど人気は別格でした。
さらに横綱経験者だからこその発言は貴重なものでした。
休場が続いた横綱稀勢の里が8場所連続休場から復活をかけた場所でふた桁10勝を挙げたことについては、「よく2桁勝った。今場所は出たことに意義がある」と評価するなど、みずからも横綱として長期間にわたって休場した経験を持つ親方の言葉には説得力がありました。
大相撲では平成以降に昇進した横綱10人のうち、すでに現役を引退した横綱は7人。貴乃花親方の退職で、ともに一時代を築いた横綱曙と若乃花を含む5人が角界を離れたことになります。
相撲協会は、優勝22回を成し遂げた平成の大横綱の経験のほか、今なお残る絶大な人気と知名度という貴重な財産を失うことになりました。
相撲界がいわゆる八百長問題などで揺れたあとファン離れが懸念された平成24年の春場所では、理事として担当部長を務め、みずからさまざまなイベントやテレビの番組に出演し、相撲界への信頼と人気の回復に奔走しました。
また、部屋の師匠として厳しい稽古で小結の貴景勝や貴ノ岩などの関取も育てました。
この春からは審判部に配属され土俵下で審判を務めていて、場内のアナウンスで紹介を受ける際には力士にひけを取らない声援と拍手を受けるなど人気は別格でした。
さらに横綱経験者だからこその発言は貴重なものでした。
休場が続いた横綱稀勢の里が8場所連続休場から復活をかけた場所でふた桁10勝を挙げたことについては、「よく2桁勝った。今場所は出たことに意義がある」と評価するなど、みずからも横綱として長期間にわたって休場した経験を持つ親方の言葉には説得力がありました。
大相撲では平成以降に昇進した横綱10人のうち、すでに現役を引退した横綱は7人。貴乃花親方の退職で、ともに一時代を築いた横綱曙と若乃花を含む5人が角界を離れたことになります。
相撲協会は、優勝22回を成し遂げた平成の大横綱の経験のほか、今なお残る絶大な人気と知名度という貴重な財産を失うことになりました。
ソース:NHK ニュース