展望てんぼう台だいの時計とけい 地上ちじょうより速はやく進すすむ？ スカイツリーで実験じっけん

地表ちひょうから離はなれるほど時間じかんの流ながれが速はやくなることを示しめしたアインシュタインの一般いっぱん相対そうたい性せい理論りろんを実際じっさいに確たしかめようと、東京とうきょうスカイツリーの展望てんぼう台だいに超ちょう高こう精度せいどな時計とけいを取り付とりつけて、地上ちじょうとの時間じかんの進すすみ方かたの違ちがいを計はかる実験じっけんを東京とうきょう大学だいがくなどが始はじめました。

実験じっけんを企画きかくしたのは東京とうきょう大学だいがくの香取かとり秀俊ひでとし教授きょうじゅのグループで、２に日にち夜よるから３さん日にち未明みめいにかけて、東京とうきょうスカイツリーの１いち階かいと地上ちじょう450メートルの展望てんぼう台だいにそれぞれ時計とけいを取り付とりつける作業さぎょうを行おこないました。

時計とけいは原子げんしの震動しんどうで時間じかんを計はかる「光ひかり格子こうし時計とけい」と呼よばれる超ちょう高こう精度せいどなもので、香取かとり教授きょうじゅらは160億おく年ねんに１いち秒びょうしか狂くるわない「光ひかり格子こうし時計とけい」の開発かいはつに成功せいこうしています。

アインシュタインは一般いっぱん相対そうたい性せい理論りろんの中なかで、時間じかんが流ながれる速はやさは、重力じゅうりょくの強つよさで異ことなり、地表ちひょうから離はなれると重力じゅうりょくが弱よわくなるため、時間じかんの進すすみ方かたが速はやくなることを示しめしました。

香取かとり教授きょうじゅらは、理論りろん上じょう、450メートルの高たかさにある展望てんぼう台だいの時計とけいのほうが１いち階かいにある時計とけいよりも１いちか月かげつ間かんでおよそ１いち億おく分ぶんの13秒びょう速はやく進すすむことを実験じっけんで証明しょうめいできるとしています。

研究けんきゅうグループによりますと重力じゅうりょくの強つよさで時間じかんの流ながれが異ことなることは、ＮＡＳＡなさ＝アメリカ航空こうくう宇宙うちゅう局きょくがロケットを打ち上うちあげて高たかい高度こうどで時間じかんを計測けいそくした実験じっけんなどで確認かくにんされているということですが、「光ひかり格子こうし時計とけい」を使つかった極きわめて高たかい精度せいどで時間じかんの進すすみ方かたの違ちがいを計はかる実験じっけんは世界せかいでも初はじめてだということです。

研究けんきゅうグループでは、年内ねんない、計測けいそくを続つづけ、結果けっかを公表こうひょうすることにしています。

東京とうきょう大学だいがくの香取かとり教授きょうじゅは「光ひかり格子こうし時計とけいという超ちょう高こう精度せいどな時計とけいの開発かいはつで、高たかい場所ばしょに長ながくいたほうが、わずかでも時間じかんが速はやく過すぎてしまうという日常にちじょうの感覚かんかくでは信しんじられないような実験じっけんが行おこなえるようになった。多おおくの人ひとが物理ぶつりの不思議ふしぎに関心かんしんをもってもらえるとうれしい」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース