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築地市場 あすで83年の歴史に幕 業者ら慌ただしく準備
2018-10-05 07:14:16

東京 築地市場が、豊洲市場への移転に伴って6日で営業を終了し、83年の歴史に幕を閉じます。市場で働く業者からは、「日本の台所」とも呼ばれ多くの人の食生活を支えてきた市場を惜しむ声などが聞かれました。
83年前の昭和10年に開場した東京 中央区の築地市場は今月11日に江東区の豊洲市場に移転する予定で、引っ越し作業のため6日正午で営業を終えます。
市場の移転をめぐっては、都が豊洲市場の土壌汚染対策として計画していた「盛り土」が建物の地下で行われていなかったなどの問題が発覚し、追加の対策工事を行ったため、移転が当初の予定よりおよそ2年遅れました。
5日の築地市場では、引っ越しに伴う4日間の休業に備えて注文を増やす取引先が多いため、市場で働く仲卸業者が仕入れた魚をさばいたり商品を箱に詰めたりする作業に追われていました。
水産仲卸業者で作る「東京魚市場卸協同組合」の前の理事長、伊藤淳一さん(65)は「いよいよ移転の日が来るという思いです。子どものころからずっと市場に来ていたので、その思いはいろいろあります。築地を離れる寂しさと、早く豊洲で仕事をしたいという複雑な気持ちです」と話していました。
また移転が延期されたことについては「仲卸業者を取り巻く経営環境が厳しいので、できるだけ早く移転したほうがよく、延期されたことは残念だった」と話していました。
築地市場の業者たちは、市場の営業終了後から豊洲市場の開場前日の10日まで、荷物やターレーと呼ばれる小型運搬車などを運ぶ大規模な引っ越しを行うことになります。
市場の移転をめぐっては、都が豊洲市場の土壌汚染対策として計画していた「盛り土」が建物の地下で行われていなかったなどの問題が発覚し、追加の対策工事を行ったため、移転が当初の予定よりおよそ2年遅れました。
5日の築地市場では、引っ越しに伴う4日間の休業に備えて注文を増やす取引先が多いため、市場で働く仲卸業者が仕入れた魚をさばいたり商品を箱に詰めたりする作業に追われていました。
水産仲卸業者で作る「東京魚市場卸協同組合」の前の理事長、伊藤淳一さん(65)は「いよいよ移転の日が来るという思いです。子どものころからずっと市場に来ていたので、その思いはいろいろあります。築地を離れる寂しさと、早く豊洲で仕事をしたいという複雑な気持ちです」と話していました。
また移転が延期されたことについては「仲卸業者を取り巻く経営環境が厳しいので、できるだけ早く移転したほうがよく、延期されたことは残念だった」と話していました。
築地市場の業者たちは、市場の営業終了後から豊洲市場の開場前日の10日まで、荷物やターレーと呼ばれる小型運搬車などを運ぶ大規模な引っ越しを行うことになります。
仲卸業者「不安だが対応したい」
築地市場の水産仲卸業者で、業界団体の「東京魚市場卸協同組合」で平成11年から平成23年まで理事長を務めた伊藤宏之さん(80)は、築地市場を今の場所で再整備することを求めた時期もありましたが、工事のコストや時間の面で再整備が難しいと判断し、移転の容認に立場を変えました。
築地市場の営業終了について伊藤さんは「築地で半世紀を生きてきて、いろいろな思いがある。移転を推進した立場として責任を感じているし、豊洲市場で無事に営業できるかも不安だ。ただ、新しい場所に対応する力を持って営業していかないといけないと思っている」と話していました。
築地市場の営業終了について伊藤さんは「築地で半世紀を生きてきて、いろいろな思いがある。移転を推進した立場として責任を感じているし、豊洲市場で無事に営業できるかも不安だ。ただ、新しい場所に対応する力を持って営業していかないといけないと思っている」と話していました。
築地場外市場は残ります!
築地市場の周辺には「築地場外市場」と呼ばれるエリアがあり、食材や食器の販売店、飲食店などおよそ350の店が軒を連ねています。
戦前から鮮魚や野菜が中心の場内市場を補うように形成され、かつてはプロの料理人を相手に商売をしてきましたが、10年ほど前から国内外の観光客が多く訪れるようになりました。
築地場外市場は、築地市場が6日で営業を終了したあとも今の名前のまま営業を続けます。
各店は、場外市場の魅力を紹介するリーフレットや「築地場外市場は移転しません」と書かれた買い物袋を配って、営業の継続をPRしています。
築地地区のにぎわいを残そうと、東京 中央区が35億円をかけて整備し2年前にオープンした商業施設の「築地魚河岸」には、鮮魚や青果の仲卸業者を中心におよそ60の店が入っていて、場外市場だけでも主な食材がひととおりそろうようにしています。
場外市場の店などで作るNPO法人「築地食のまちづくり協議会」の寺出昌弘副理事長は「多くの人たちに来てもらい、食材に対するプロの目利きを体験してほしい」と話しています。
戦前から鮮魚や野菜が中心の場内市場を補うように形成され、かつてはプロの料理人を相手に商売をしてきましたが、10年ほど前から国内外の観光客が多く訪れるようになりました。
築地場外市場は、築地市場が6日で営業を終了したあとも今の名前のまま営業を続けます。
各店は、場外市場の魅力を紹介するリーフレットや「築地場外市場は移転しません」と書かれた買い物袋を配って、営業の継続をPRしています。
築地地区のにぎわいを残そうと、東京 中央区が35億円をかけて整備し2年前にオープンした商業施設の「築地魚河岸」には、鮮魚や青果の仲卸業者を中心におよそ60の店が入っていて、場外市場だけでも主な食材がひととおりそろうようにしています。
場外市場の店などで作るNPO法人「築地食のまちづくり協議会」の寺出昌弘副理事長は「多くの人たちに来てもらい、食材に対するプロの目利きを体験してほしい」と話しています。
場外市場の店 不安も意気込みも
築地市場が80年以上に及ぶ歴史に幕を閉じることに、市場と共存してきた場外市場の店舗からは惜しむ声が聞かれました。
築地市場ができたころから場外市場で鶏肉を販売してきた「鳥藤」の鈴木章夫会長は「これまで場内の市場とは共存してきたので移転は寂しいですが、豊洲への商品の配送を強化して顧客をつなぎ止めたい」と話していました。
場外市場で70年余りにわたって牛肉などを販売してきた「近江屋牛肉店」の寺出昌弘社長は「場内市場があっての私たちだと思ってきたので、築地に来るプロの方が少なくなるおそれがあるという意味で非常に不安です」と話していました。
そのうえで「肉をミリ単位でカットするなど、客の要望に応えられるプロの技を生かして、今後も築地ブランドを守っていきたい」と話していました。
築地市場のゲートの脇で80年近く営業を続けてきた飲食店「多け乃」の曾野田啓祐さんは「これまで隣にあるのが普通だった築地市場が移転するのは、まだ実感がわきません。市場関係者が飲みに来たいと思った時に戻って来られるように頑張って営業を続けたい」と話していました。
築地市場ができたころから場外市場で鶏肉を販売してきた「鳥藤」の鈴木章夫会長は「これまで場内の市場とは共存してきたので移転は寂しいですが、豊洲への商品の配送を強化して顧客をつなぎ止めたい」と話していました。
場外市場で70年余りにわたって牛肉などを販売してきた「近江屋牛肉店」の寺出昌弘社長は「場内市場があっての私たちだと思ってきたので、築地に来るプロの方が少なくなるおそれがあるという意味で非常に不安です」と話していました。
そのうえで「肉をミリ単位でカットするなど、客の要望に応えられるプロの技を生かして、今後も築地ブランドを守っていきたい」と話していました。
築地市場のゲートの脇で80年近く営業を続けてきた飲食店「多け乃」の曾野田啓祐さんは「これまで隣にあるのが普通だった築地市場が移転するのは、まだ実感がわきません。市場関係者が飲みに来たいと思った時に戻って来られるように頑張って営業を続けたい」と話していました。
ソース:NHK ニュース