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国連総会 首脳演説 米中対立の中 国際協調への姿勢が焦点
2020-09-20 21:15:19

国連総会は21日、創設75年を記念する式典が行われ、22日から首脳演説が始まります。アメリカと中国の対立が激しさを増す一方、新型コロナウイルスや地球温暖化など世界的な課題への対応で国際協調が求められる中、各国がどのような姿勢を示すかが焦点です。
アメリカ、ニューヨークの国連本部で開かれていることしの国連総会は、新型コロナウイルス対策のためオンライン中心の異例の形式で始まり、例年、193の国連加盟国の首脳や代表が一堂に会する首脳演説もビデオ演説で行われます。
首脳演説は22日から始まり、初日にアメリカのトランプ大統領や中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領が演説します。
またこれに先立って、21日には国連の創設75年を記念する式典が行われます。
グテーレス事務総長は先に開いた記者会見で、新型コロナウイルスや地球温暖化への対応が急がれる中、「国際協調が必要だ」と訴えていて、会議では国際協調の促進を確認する政治宣言が採択される予定です。
またグテーレス事務総長はこれまで、アメリカと中国の対立が世界を分離させるリスクがあると、たびたび懸念を示していて、9日のインタビューでも「リスクが将来、本当の衝突に発展しないか心配の声を聞く」と述べています。
米中の対立が激しさを増す中、22日からの首脳演説で各国の首脳が世界的な課題への対応、そして国際協調に対し、どのような姿勢を示すかが焦点となります。
首脳演説は22日から始まり、初日にアメリカのトランプ大統領や中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領が演説します。
またこれに先立って、21日には国連の創設75年を記念する式典が行われます。
グテーレス事務総長は先に開いた記者会見で、新型コロナウイルスや地球温暖化への対応が急がれる中、「国際協調が必要だ」と訴えていて、会議では国際協調の促進を確認する政治宣言が採択される予定です。
またグテーレス事務総長はこれまで、アメリカと中国の対立が世界を分離させるリスクがあると、たびたび懸念を示していて、9日のインタビューでも「リスクが将来、本当の衝突に発展しないか心配の声を聞く」と述べています。
米中の対立が激しさを増す中、22日からの首脳演説で各国の首脳が世界的な課題への対応、そして国際協調に対し、どのような姿勢を示すかが焦点となります。
各国の首脳演説 その焦点は
各国の首脳演説は、22日から週末を挟んで6日間、基本的に議場の大型スクリーンにビデオ演説を映し出す形式で行われます。
予定
首脳演説は、193の国連加盟国に、オブザーバー資格を持つパレスチナ暫定自治政府、バチカン市国、EU=ヨーロッパ連合を加えた196の国と地域の代表が行います。
例年、国家元首本人が出席して演説する国は70~80か国ですが、ことしは出席を必要としないビデオ演説とあって110か国以上となり、過去最多になるとみられています。
初日の22日は、アメリカのトランプ大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領、イランのロウハニ大統領、フランスのマクロン大統領らが演説し、日本の菅総理大臣の演説は4日目の25日午後の予定です。
例年、国家元首本人が出席して演説する国は70~80か国ですが、ことしは出席を必要としないビデオ演説とあって110か国以上となり、過去最多になるとみられています。
初日の22日は、アメリカのトランプ大統領、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領、イランのロウハニ大統領、フランスのマクロン大統領らが演説し、日本の菅総理大臣の演説は4日目の25日午後の予定です。
焦点は国際協調
ことしの焦点の一つはアメリカの単独主義的な行動や中国、ロシアとの大国間の対立が激しさを増す中、国連の存立基盤である国際協調に各国がどのような姿勢を示すかです。
アメリカのトランプ政権は中国に対し、次世代の通信規格5Gをめぐり中国の通信機器には安全保障上の問題があると主張し、各国からの締め出しを図るとともに、巨大経済圏構想「一帯一路」の下での影響力の拡大や海洋進出に強い警戒感を示し、対抗姿勢を鮮明にしています。
これに対し中国は、アメリカの行動は単独主義的だと批判し、みずからは国際協調を支持する姿勢をアピールして、各国への支持拡大を図っているとみられます。
またアメリカとロシアの関係が冷戦後、最悪とも言われる中、中国とロシアは安全保障面で接近していて、大国間の対立は激しさを増しています。
こうした情勢についてグテーレス事務総長は、米中の対立が世界を2つに分けるリスクがあると懸念を強め、国際協調の重要性を訴えていて、各国がこれにどう応えるのかが国連総会での焦点となります。
アメリカのトランプ政権は中国に対し、次世代の通信規格5Gをめぐり中国の通信機器には安全保障上の問題があると主張し、各国からの締め出しを図るとともに、巨大経済圏構想「一帯一路」の下での影響力の拡大や海洋進出に強い警戒感を示し、対抗姿勢を鮮明にしています。
これに対し中国は、アメリカの行動は単独主義的だと批判し、みずからは国際協調を支持する姿勢をアピールして、各国への支持拡大を図っているとみられます。
またアメリカとロシアの関係が冷戦後、最悪とも言われる中、中国とロシアは安全保障面で接近していて、大国間の対立は激しさを増しています。
こうした情勢についてグテーレス事務総長は、米中の対立が世界を2つに分けるリスクがあると懸念を強め、国際協調の重要性を訴えていて、各国がこれにどう応えるのかが国連総会での焦点となります。
コロナと温暖化
また今回、国際社会全体で取り組むべき重要な課題と位置づけられているのが、新型コロナウイルスと地球温暖化への対応です。
新型コロナウイルスをめぐっては、紛争下にある人々への支援のほか、ワクチンの囲い込みや争奪戦への懸念も出ていて、経済力の弱い国にも公平に分担する取り組みが求められています。
また地球温暖化対策では、アメリカがパリ協定からの離脱を表明する中、国際社会全体で取り組みを進める機運をどう高めるかが課題となっています。
新型コロナウイルスをめぐっては、紛争下にある人々への支援のほか、ワクチンの囲い込みや争奪戦への懸念も出ていて、経済力の弱い国にも公平に分担する取り組みが求められています。
また地球温暖化対策では、アメリカがパリ協定からの離脱を表明する中、国際社会全体で取り組みを進める機運をどう高めるかが課題となっています。
イラン、中東和平、北朝鮮
地域的な課題では、イランや北朝鮮への対応、そしてイスラエルとパレスチナの中東和平をめぐる各国の立場も焦点となります。
イランをめぐっては、トランプ政権が国連の制裁の復活を一方的に宣言したのに対し、国連安全保障理事会や核合意に関係するイギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシアの5か国はこれを受け入れない立場で、トランプ政権の単独主義的な行動が際立っています。
また中東和平をめぐっては、トランプ政権がイスラエルとアラブ諸国との関係改善を積極的に働きかけ、対話を拒むパレスチナへの圧力を強めています。
こうした動きにパレスチナは強く反発していますが、アラブ諸国の中ではイスラエルとの関係改善の動きに同調する国も相次ぎ、とりわけ中東の大国サウジアラビアがどのような立場を示すのか、またパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長の演説に各国がどのような反応を示すのかが今後の行方を占うものとなります。
北朝鮮情勢では米朝の非核化交渉が行き詰まる中、欧米諸国や日本が、制裁を徹底し北朝鮮への圧力を維持する姿勢を示しているのに対し、中国やロシアは制裁を緩和し対話を促すべきだと主張しています。
首脳演説では最終日29日に北朝鮮のキム・ソン国連大使が登壇して演説する予定で、その発言にも関心が高まっています。
イランをめぐっては、トランプ政権が国連の制裁の復活を一方的に宣言したのに対し、国連安全保障理事会や核合意に関係するイギリス、フランス、ドイツ、中国、ロシアの5か国はこれを受け入れない立場で、トランプ政権の単独主義的な行動が際立っています。
また中東和平をめぐっては、トランプ政権がイスラエルとアラブ諸国との関係改善を積極的に働きかけ、対話を拒むパレスチナへの圧力を強めています。
こうした動きにパレスチナは強く反発していますが、アラブ諸国の中ではイスラエルとの関係改善の動きに同調する国も相次ぎ、とりわけ中東の大国サウジアラビアがどのような立場を示すのか、またパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長の演説に各国がどのような反応を示すのかが今後の行方を占うものとなります。
北朝鮮情勢では米朝の非核化交渉が行き詰まる中、欧米諸国や日本が、制裁を徹底し北朝鮮への圧力を維持する姿勢を示しているのに対し、中国やロシアは制裁を緩和し対話を促すべきだと主張しています。
首脳演説では最終日29日に北朝鮮のキム・ソン国連大使が登壇して演説する予定で、その発言にも関心が高まっています。
ソース:NHK ニュース