菅かん首相しゅしょう 国連こくれん総会そうかいビデオ演説えんぜつ「ワクチンなど公平こうへい確保かくほを支援しえん」

菅かん総理そうり大臣だいじんは、国連こくれん総会そうかいでのビデオ演説えんぜつで、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいについて、人間にんげんの安全あんぜん保障ほしょうに対にたいする危機ききだと指摘してきし、治療ちりょう薬やくやワクチンなどを途上とじょう国こくを含ふくめ、公平こうへいに確保かくほできる枠組わくぐみを全面ぜんめん的てきに支援しえんする考かんがえを示しめしました。

ことしの国連こくれん総会そうかいの一般いっぱん討論とうろん演説えんぜつは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、各国かっこくの首脳しゅのうが一堂いちどうに会かいすることなく、事前じぜんに提出ていしゅつされたビデオ演説えんぜつを順番じゅんばんに流ながす形式けいしきで行おこなわれています。

菅かん総理そうり大臣だいじんの演説えんぜつは、日本にっぽん時間じかんの26日にち午前ごぜん6時半じはんごろから国連こくれん総会そうかいの議場ぎじょうで流ながされました。

この中なかで、菅かん総理そうり大臣だいじんは、「新型しんがたコロナウイルスによる未み曽そ有ゆうの危機ききは、ともすれば分断ぶんだんと隔絶かくぜつに傾かたむきがちな国際こくさい社会しゃかいを連携れんけいへと引き戻ひきもどした」と述のべました。

そして、ことしが国連こくれん創設そうせつ75年ねんとなることを踏ふまえ、「過去かこ75年間ねんかん、多国たこく間かん主義しゅぎは、課題かだいに直面ちょくめんするたび、強つよくなり、進化しんかしてきた。今回こんかいの危機ききも協力きょうりょくを深ふかめる契機けいきとしたい」と述のべ、連帯れんたいを呼よびかけました。

そのうえで、菅かん総理そうり大臣だいじんは、「感染かんせん症しょうの拡大かくだいは、世界せかいの人々ひとびとの命いのち、生活せいかつ、尊厳そんげん、すなわち人間にんげんの安全あんぜん保障ほしょうに対にたいする危機ききだ。これを乗り越のりこえるには、『誰だれ一いち人にん取り残とりのこさない』との考え方かんがえかたを指導しどう理念りねんとして臨のぞむことが極きわめて重要じゅうようだ」と指摘してきしました。

そして、治療ちりょう薬やくやワクチンなどについて、開発かいはつや途上とじょう国こくを含ふくめ公平こうへいに確保かくほできる枠組わくぐみを全面ぜんめん的てきに支援しえんし、国際こくさい機関きかんを後押あとおしするとともに、途上とじょう国こくでの病院びょういん建設けんせつにさらに力ちからを入いれるほか、引き続ひきつづき、水みずや衛生えいせい、栄養えいようなどの環境かんきょう整備せいびなどで協力きょうりょくを進すすめる考かんがえを示しめしました。

また、菅かん総理そうり大臣だいじんは、打撃だげきを受うけた経済けいざいへの対策たいさくが不可欠ふかけつだとして、「困難こんなんに直面ちょくめんしたときこそ、イノベーションが生うまれる。日本にっぽん自身じしんも、喫緊きっきんの課題かだいとして、デジタル化かに取り組とりくんでいく考かんがえだ」と述のべました。

一方いっぽう、北朝鮮きたちょうせんによる拉致らち問題もんだいについて、「拉致らち被害ひがい者しゃの家族かぞくが高齢こうれいとなる中なか、一刻いっこくの猶予ゆうよもない」として、「日本にっぽんの新あたらしい総理そうり大臣だいじんとして、条件じょうけんをつけずにキム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）委員いいん長ちょうと会あう用意よういがある」と述のべました。

また、「本年ほんねんは、最初さいしょの核兵器かくへいきの使用しようから75年ねんが経過けいかした年としだ。ヒロシマ、ナガサキが繰り返くりかえされてはならず、核兵器かくへいきのない世界せかいの実現じつげんに向むけて力ちからを尽つくす」と述のべ、発効はっこうから50年ねんを迎むかえたNPT＝核かく拡散かくさん防止ぼうし条約じょうやくの維持いじや強化きょうかの重要じゅうよう性せいを強調きょうちょうしました。

演説えんぜつの最後さいごに、菅かん総理そうり大臣だいじんは、「来年らいねんの夏なつ、人類じんるいが疫病やくびょうに打ち勝うちかった証あかしとして、東京とうきょうオリンピック・パラリンピックを開催かいさいする決意けついだ。安心あんしん安全あんぜんな大会たいかいに皆様みなさまをお迎おむかえするために、今後こんごも全力ぜんりょくで取り組とりくんでいく」と結むすびました。

ソース：NHK ニュース