アゼルバイジャンとアルメニア 軍事ぐんじ衝突しょうとつ 民間みんかん人じんに多数たすうの死傷ししょう者しゃ

旧きゅうソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアの係争けいそう地ちをめぐる軍事ぐんじ衝突しょうとつは2日にち目めに入はいり、双方そうほうの戦車せんしゃや迫撃はくげき砲ほうなどによる攻撃こうげきで民間みんかん人じんに多数たすうの死傷ししょう者しゃが出でる事態じたいになっています。

旧きゅうソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアは、アゼルバイジャン西部せいぶに位置いちし、アルメニア系けい住民じゅうみんの多おおいナゴルノカラバフ自治じち州しゅうをめぐって長年ながねん争あらそっていて、27日にち、大だい規模きぼな軍事ぐんじ衝突しょうとつが起おきました。

戦闘せんとうは28日にちも続つづき、それぞれの発表はっぴょうによりますと、アルメニア側がわで兵士へいし59人にん、民間みんかん人じん2人にんが死亡しぼうし、民間みんかん人じんに100人にん以上いじょうの負傷ふしょう者しゃが出でた一方いっぽう、アゼルバイジャン側がわで民間みんかん人じん6人にんが死亡しぼうし、26人にんの負傷ふしょう者しゃが出でているということです。

現地げんちからの映像えいぞうでは戦車せんしゃや迫撃はくげき砲ほうによる攻撃こうげきも確認かくにんされ、戦闘せんとうは本格ほんかく化かしています。

ナゴルノカラバフ自治じち州しゅうをめぐる両国りょうこくの対立たいりつは30年ねん以上いじょう前まえから続つづき、1994年ねんに停戦ていせんで合意ごういしたあと、ロシア、アメリカ、フランスの3か国かこくが共同きょうどうで仲介ちゅうかいして、和平わへいを働はたらきかけてきました。

しかし、アゼルバイジャンはトルコを、アルメニアは軍事ぐんじ同盟どうめいを結むすぶロシアを後うしろ盾たてに互たがいに譲ゆずらず、ことし7月つきにも国境こっきょう付近ふきんで武力ぶりょく衝突しょうとつが起おきて緊張きんちょうが高たかまっていました。

今回こんかいの戦闘せんとうを受うけてロシアのラブロフ外相がいしょうは両国りょうこくの外相がいしょうと電話でんわで会談かいだんし、情勢じょうせいの安定あんてい化かに向むけて協議きょうぎを始はじめるよう要請ようせいし、EU＝ヨーロッパ連合れんごうも即時そくじ停戦ていせんを求もとめる声明せいめいを出だして双方そうほうに自制じせいを求もとめています。

しかし両国りょうこくは「相手あいてが攻撃こうげきを仕掛しかけた」と非難ひなんしあい、それぞれ戒厳かいげん令れいを出だして戦闘せんとうの長期ちょうき化かに備そなえる構かまえも見みせていて、戦闘せんとうの激化げきかへの懸念けねんが強つよまっています。

ソース：NHK ニュース