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アゼルバイジャンとアルメニアの戦闘せんとうつづ 犠牲ぎせいしゃ増加ぞうか懸念けねん

2020-09-29 11:57:50

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きゅうソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアの係争けいそう、ナゴルノカラバフをめぐるだい規模きぼ戦闘せんとうは29にち、3にちはいりました。国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょう双方そうほう戦闘せんとう停止ていしびかけるなか戦闘せんとうつづき、犠牲ぎせいしゃ増加ぞうか懸念けねんされています。

きゅうソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアのでは、アルメニアけい住民じゅうみんおおナゴルノカラバフ自治じちしゅうをめぐるだい規模きぼ戦闘せんとうが27にち再燃さいねんしました。

3にちなる29にち戦闘せんとうつづき、アゼルバイジャン国防省こくぼうしょうによりますとアルメニアぐん戦車せんしゃ2りょう破壊はかいしたということです。

一方いっぽう、アルメニアぐんは、アゼルバイジャンぐんに対にたいする砲撃ほうげき強化きょうかし、応戦おうせんしているということです。

これまでの戦闘せんとう双方そうほうわせた死者ししゃかずは、民間みんかんじん14にんふく98にんにのぼっています。

事態じたい悪化あっかけて国連こくれんのグテーレス事務じむ総長そうちょうは29にち、アゼルバイジャンのアリエフ大統領だいとうりょう、アルメニアのパシニャン首相しゅしょうと、それぞれ電話でんわ会談かいだんおこないました。

ロシアのインターファクス通信つうしんによりますと、グテーレス事務じむ総長そうちょう双方そうほう懸念けねん表明ひょうめいしたうえで、戦闘せんとう即時そくじ停止ていしアメリカ、フランス、ロシアの3か国かこく共同きょうどう仲介ちゅうかいするこれまでの和平わへいプロセスを再開さいかいするよう要請ようせいしたということです。

しかし電話でんわ会談かいだんのあとも戦闘せんとうおさまるきざはなく犠牲ぎせいしゃのさらなる増加ぞうか懸念けねんされています。

ナゴルノカラバフ自治じちしゅう帰属きぞくをめぐる長年ながねんあらそ

アゼルバイジャンとアルメニアは、いずれきゅうソビエトで隣接りんせつする共和きょうわこくでした。

アゼルバイジャンはイスラム教いすらむきょうでアルメニアではキリスト教きりすときょう信者しんじゃおおなど宗教しゅうきょうことなります。

双方そうほうが、長年ながねんはげしくあらそってきたのがアゼルバイジャン西部せいぶにあってアルメニアけい住民じゅうみん多数たすうめるナゴルノカラバフ自治じちしゅう帰属きぞくをめぐるものです。

ナゴルノカラバフ自治じちしゅうのアルメニアけい住民じゅうみんでは、ソビエト時代じだい末期まっきにあたる1988ねん自治じちしゅう帰属きぞくをアゼルバイジャンからアルメニアに変更へんこうするよう要求ようきゅうたかまりました。

アルメニアけい住民じゅうみんがこうしたうごつよめると、住民じゅうみんうしたてとなっているアルメニアと帰属きぞく変更へんこうみとめないアゼルバイジャンとの武力ぶりょく衝突しょうとつはげしくなりました。

両国りょうこくはソビエト崩壊ほうかいの1994ねん停戦ていせん合意ごういし、その後そのごもロシア、アメリカ、フランスが共同きょうどう仲介ちゅうかいして和平わへいはたらきかけてきました。

しかし2016ねん4つきだい規模きぼ武力ぶりょく衝突しょうとつ発生はっせいして双方そうほうわせてすうじゅうにん兵士へいし死亡しぼうし、ことし7つきにも戦闘せんとうきるなどこれまでの長年ながねん紛争ふんそう住民じゅうみんふくめて多数たすう犠牲ぎせいしゃました。

ロシアやトルコなど動向どうこう焦点しょうてん

ナゴルノカラバフ自治じちしゅう情勢じょうせいをめぐっては、ロシアが両国りょうこく影響えいきょうりょくをもっている一方いっぽう、トルコが宗教しゅうきょうてきにも言語げんごてきにもちか友好国ゆうこうこくのアゼルバイジャンを支持しじしていて、周辺しゅうへん国々くにぐに動向どうこう焦点しょうてんとなっています。

今回こんかい事態じたいけて、アルメニアの同盟どうめいこく、ロシアのペスコフ大統領だいとうりょう報道ほうどうかんは28にち、「すべての当事者とうじしゃ最大限さいだいげん自制じせいもとめる」とべて双方そうほう自制じせいびかけました。

一方いっぽうアゼルバイジャンの友好国ゆうこうこく、トルコのエルドアン大統領だいとうりょうは、「アルメニアがアゼルバイジャンじん土地とちからただちに撤退てったいすることで平和へいわおとずれる」と演説えんぜつして、アゼルバイジャンを支持しじする姿勢しせいしめし、アルメニアがわ反発はんぱつしています。

ロシアはアルメニアにトルコはアゼルバイジャンにおおきな影響えいきょうりょくっていることから、その動向どうこう今後こんご焦点しょうてんとなっています。

トルコの立場たちばとは

今回こんかい事態じたいけてトルコのエルドアン大統領だいとうりょうは「アルメニアがアゼルバイジャンじん土地とちからただちに撤退てったいすることで平和へいわおとずれる」とべて、アゼルバイジャンに肩入かたいする姿勢しせい鮮明せんめいにしています。

トルコは宗教しゅうきょう言語げんごちかアゼルバイジャンとの親密しんみつ関係かんけいきずき、これまで一貫いっかんして支持しじしてきました。

一方いっぽう、アルメニアとのでは、オスマン帝国ていこく時代じだい大勢たいせいキリスト教きりすときょうけいのアルメニアじん殺害さつがいされたとされる歴史れきしをめぐり対立たいりつし、現在げんざい国交こっこうがありません。

トルコが軍事ぐんじ介入かいにゅうしているシリアで情報じょうほうあつめている「シリア人権じんけん監視かんしだん」は29にち、トルコがシリアじん戦闘せんとういん300にんあまをアゼルバイジャンに送り込おくりこんだと指摘してきしました。

これについてトルコは関与かんよ否定ひていしていますが、人権じんけん団体だんたい内戦ないせん状態じょうたいのリビアでも、トルコが高額こうがく報酬ほうしゅうやとったシリアじんをようへいとして現地げんち送り込おくりこみ、軍事ぐんじ介入かいにゅうしているとしています。

周辺しゅうへん地域ちいきへの影響えいきょうりょく拡大かくだいさせている地域ちいき大国たいこくのトルコが、ナゴルノカラバフ自治じちしゅう紛争ふんそう軍事ぐんじ介入かいにゅうすれば、事態じたいのさらなる悪化あっかけられずその動向どうこう焦点しょうてんとなっています。

国連こくれん安保理あんぽり緊急きんきゅう会合かいごう対応たいおう協議きょうぎ

この事態じたいけて国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかいは、ドイツとフランスの要請ようせいもとづいて29にち緊急きんきゅう会合かいごうひらき、対応たいおう協議きょうぎすることをめました。

会合かいごうでは、アルメニアの同盟どうめいこくのロシアの反応はんのうとともに、両国りょうこくに対にたいして安保理あんぽり一致いっちして戦闘せんとう停止ていしもとめるメッセージはっすることができるかが焦点しょうてんになります。
ソース:NHK ニュース