お酒さけの税率ぜいりつ 10月つき1日にちから変更へんこう 消費しょうひ者しゃのお酒さけの選び方えらびかたに影響えいきょうも

酒税しゅぜい法ほうの改正かいせいで、お酒さけにかかる税率ぜいりつが1日にちから変かわり、ビールは引き下ひきさげられる一方いっぽう、いわゆる第だい3のビールは引き上ひきあげられます。税率ぜいりつの見直みなおしは消費しょうひ者しゃのお酒さけの選び方えらびかたに影響えいきょうを及およぼす可能かのう性せいもあります。

酒税しゅぜいは、お酒さけの原料げんりょうや製法せいほうによって税率ぜいりつが異ことなり、ビール系けい飲料いんりょうの場合ばあい、350ミリリットルに換算かんさんすると、現在げんざい、▽ビールが77円えん、▽発泡はっぽう酒しゅがおよそ47円えん、▽第だい3のビールが28円えんとなっています。

ビール系けい飲料いんりょうの税率ぜいりつについて、政府せいふは、税率ぜいりつに差さがあることがメーカーの商品しょうひん開発かいはつに影響えいきょうを与あたえているとして段階だんかい的てきに見直みなおしを進すすめ、2026年ねん10月つきに一いち本ほん化かすることにしています。

この一環いっかんとして1日にちから▽ビールは7円えん下さがって70円えんに、反対はんたいに▽第だい3のビールは9.8円えん上あがって37.8円えんとなります。

一方いっぽう、発泡はっぽう酒しゅやチューハイなどは、今回こんかい、税率ぜいりつは変かわりません。

このほか、▽ワインは、750ミリリットル換算かんさんで7.5円えん引き上ひきあげられ、67.5円えんになる一方いっぽう、▽日本にっぽん酒しゅなどの清酒せいしゅは、720ミリリットルで7.2円えん引き下ひきさげられ、79.2円えんとなります。

酒税しゅぜいは、工場こうじょうから出荷しゅっかされた段階だんかいなどで課税かぜいされるため、小売こうり価格かかくにどこまで反映はんえいされるかは不透明ふとうめいですが、今回こんかいの税率ぜいりつの見直みなおしが消費しょうひ者しゃのお酒さけの選び方えらびかたや各社かくしゃの経営けいえい戦略せんりゃくに影響えいきょうを及およぼす可能かのう性せいもあります。

デパートは税率ぜいりつ変化へんかの需要じゅよう取り込とりこみへ

酒税しゅぜいの税率ぜいりつ見直みなおしを控ひかえて、都内とないの大手おおてデパートでは減税げんぜいとなるビールの品しなぞろえを強化きょうかする一方いっぽう、1日にちから税率ぜいりつが上あがるワインは「きょうまでは安やすい」とアピールしてまとめ買まとめがいを促うながしています。

東京とうきょう・池袋いけぶくろのデパートはビールの減税げんぜいを前まえに、取り扱とりあつかうビールの種類しゅるいをこれまでより3割わりほど多おおい200種類しゅるいに増ふやしました。

アメリカやドイツなど海外かいがい産さんのビールや小規模しょうきぼなメーカーが製造せいぞうするクラフトビールが中心ちゅうしんで、値下ねさげで拡大かくだいが見込みこまれる需要じゅようを取り込とりこむ狙ねらいです。

売り場うりばを訪おとずれた50代だいの女性じょせいは、「減税げんぜいは嬉うれしいです。今いままで以上いじょうにいろいろなビールを試ためしてみたいです」と話はなしていました。

一方いっぽう、今回こんかいの税率ぜいりつの見直みなおしではいずれも「醸造じょうぞう酒類しゅるい」に分類ぶんるいされるワインと日本にっぽん酒しゅの税率ぜいりつを将来しょうらい的てきに一いち本ほん化かするため、1日にちからワインは税率ぜいりつが引き上ひきあげられ、逆ぎゃくに日本にっぽん酒しゅは引き下ひきさげられます。

ワインについては、このデパートでもおよそ4割わりの商品しょうひんで税率ぜいりつ引き上ひきあげのため価格かかくが上あがります。

このためデパートでは、「駆け込かけこみ需要じゅよう」を取り込とりこもうと、30日にちまでは安やすい値上ねあげの対象たいしょう商品しょうひんをセットにして売り場うりばの入り口いりくちに並ならべ、来店らいてん客きゃくにまとめ買まとめがいを促うながしています。

そして1日にち以降いこうは税率ぜいりつが引き下ひきさげられる日本にっぽん酒しゅの販売はんばいを強化きょうかするため、全国ぜんこく各地かくちから集あつめた地酒じざけをそろえたセットを売り出うりだすことにしています。

西武せいぶ池袋いけぶくろ本店ほんてんの長島ながしま大だい紀きの係長かかりちょうは、「値段ねだんが上あがるワインは家庭かていで飲のむ人ひとに向むけまとめ買まとめがいがお得とくであるとアピールしたい。段階だんかい的てきに予定よていされてる税率ぜいりつの変化へんかをチャンスと捉とらえ、対応たいおうをしていきたい」と話はなしていました。

ビアホールはビール値下ねさげ

ビール系けい飲料いんりょうの税率ぜいりつの見直みなおしを、新型しんがたコロナウイルスで落ち込おちこんだ客足きゃくあしの回復かいふくにつなげようと、ビールの値下ねさげに踏み切ふみきる飲食いんしょく店てんもあります。

全国ぜんこくでビアホールなどおよそ150店舗てんぽを展開てんかいする「サッポロライオン」は、店内てんないで提供ていきょうするビールのほぼすべてについて、1日にち、10円えんから30円えん値下ねさげします。このチェーンは、冷ひやしたジョッキで飲のむ生ビールなまび-るを売うりにしていますが、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで4月つきから5月つきにかけて多おおくの店みせで休業きゅうぎょうが続つづいたほか、今月こんげつも来店らいてん客数きゃくすうが去年きょねんの半分はんぶん程度ていどにとどまり、全国ぜんこくのおよそ1割わりの店舗てんぽについて年内ねんないの閉店へいてんを決きめるなど、厳きびしい状況じょうきょうが続つづいています。

影響えいきょうが長引ながびく中なか、このチェーンでは今回こんかいの税率ぜいりつ見直みなおしをきっかけにビールの値下ねさげをアピールすることで、少すこしでも来店らいてん客数きゃくすうや売り上うりあげの回復かいふくにつなげたい考かんがえです。

サッポロライオンの岡本おかもと優ゆう支配人しはいにんは、「まだまだ厳きびしい状況じょうきょうが続つづいているが、生ビールなまび-るが主力しゅりょくなのでこれまで生ビールなまび-るから離はなれていた人ひとたちが、再ふたたび来店らいてんするきっかけになってほしい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース