News
Show Furigana

アメリカ大統領だいとうりょうせんTV討論とうろんかい「ひどい討論とうろんかいだった」 べいメディア

2020-09-30 10:32:35

avatar
アメリカトランプ大統領だいとうりょう民主党みんしゅとうのバイデンぜんふく大統領だいとうりょうはじめて直接ちょくせつ対決たいけつなるテレビ討論とうろんかいにのぞみました。新型しんがたコロナウイルス対策たいさくなどはげしい論戦ろんせんわしましたが、非難ひなん中傷ちゅうしょう応酬おうしゅうたびたび中断ちゅうだんし、アメリカメディアは「これまででもっとひどい討論とうろんかいだった」などとつたえています。

アメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょけたトランプ大統領だいとうりょうとバイデンぜんふく大統領だいとうりょうはじめてテレビ討論とうろんかいは29にち中西部ちゅうせいぶオハイオしゅうおこなわれ、両氏りょうしは90ふんあまにわたってはげしい論戦ろんせんわしました。

このなかでおおきな争点そうてんとなっている新型しんがたコロナウイルス対策たいさくめぐりバイデントランプ大統領だいとうりょうについて「かれなにもしなかった。いまだに計画けいかくがない」とべて対応たいおう不十分ふじゅうぶんだと批判ひはんしたのに対にたいトランプ大統領だいとうりょうは「ワクチンがられるまであとすう週間しゅうかんだ。あなただったらできなかっただろう」と反論はんろんしました。

また大統領だいとうりょう選挙せんきょ結果けっか受け入うけいれるどうかについてバイデンは「わたしってもけても結果けっか受け入うけいれる」とべましたが、トランプ大統領だいとうりょう郵便ゆうびん投票とうひょう言及げんきゅうし「だい惨事さんじだ。結果けっかなんか月かげつたってもわからないかもしれない」として明言めいげんけ、法廷ほうてい闘争とうそう可能かのうせい示唆しさしました。

討論とうろんたびたび中断ちゅうだん

討論とうろんかいではトランプ大統領だいとうりょうなんもバイデン司会しかいしゃ発言はつげんさえぎって一方いっぽうてき持論じろん主張しゅちょうし、司会しかいしゃが「質問しつもんをさせてください」とか「ルールまもってください」と制止せいしする場面ばめんもありました。

一方いっぽうのバイデントランプ大統領だいとうりょうを「うそつき」とか「最悪さいあく大統領だいとうりょう」とべるなど非難ひなん中傷ちゅうしょう応酬おうしゅうとなり討論とうろんたびたび中断ちゅうだんしました。

今回こんかい勝者しょうしゃについて一部いちぶメディア直後ちょくご世論せろん調査ちょうさでバイデン評価ひょうかする有権者ゆうけんしゃおおかったとつたえましたが、ABCテレビ勝敗しょうはいまえに「討論とうろんえない」とか「これまででもっとひどい討論とうろんかいだった」としたほか、FOXニュースも「つかれるけなしあいだった」と表現ひょうげんし、討論とうろん様相ようそうへの否定ひていてき評価ひょうか目立めだっています。

投票とうひょうまで1か月かげつあまなるなかりょう候補こうほ来月らいげつ15にちと22にちにも討論とうろんかい対決たいけつする予定よていですが、世論せろん調査ちょうさでリードするバイデンいきおつけるのか、それともトランプ大統領だいとうりょう巻き返まきかえのかが焦点しょうてんです。

慶應義塾けいおうぎじゅく大学だいがく 渡辺わたなべやすし教授きょうじゅ “バイデン優勢ゆうせい

アメリカ社会しゃかい問題もんだいくわしい慶應義塾けいおうぎじゅく大学だいがく渡辺わたなべやすし教授きょうじゅは、今回こんかい討論とうろんかい振り返ふりかえり、バイデン優勢ゆうせいだったと分析ぶんせきしました。

理由りゆうについて、渡辺わたなべ教授きょうじゅは、「バイデン当選とうせんした場合ばあいこれまででもっと高齢こうれいでの大統領だいとうりょう就任しゅうにんなるため、その健康けんこう状態じょうたいが1つの注目ちゅうもくてんだったがきょうの討論とうろんかい不安ふあん払拭ふっしょくできたのではないかとおもトランプ大統領だいとうりょう途中とちゅうはなしさえぎられてもバイデン失笑しっしょうしてかわしたり、反論はんろんすべきところは反論はんろんしたりして、そうじてうまく対応たいおうしていた。また途中とちゅうトランプ大統領だいとうりょうのことをあえてこのひと、このおとこんでカウンターパンチを部分ぶぶんもあり、弱々よわよわしいバイデン、ぼけたジョーというイメージを払拭ふっしょくできた」とべました。

一方いっぽうトランプ大統領だいとうりょうについては、「やつぎばやにばなしさえぎったり個人こじん攻撃こうげき仕掛しかけたりと、余裕よゆうがないかんがした。議論ぎろん錯乱さくらんする戦略せんりゃくだったかもしれないが、そこまでつよカウンターパンチはつくれなかった。バイデン間違まちがなど反論はんろんできないシーンをつくりたかったが、バイデン受け答うけこた予想よそう以上いじょうしっかりしていた」と指摘してきして、支持しじりつでバイデンにリードされているトランプ大統領だいとうりょうは、巻き返まきかえにつながるような場面ばめんつくれなかったという認識にんしきしめしました。

さらに、討論とうろんかい全体ぜんたいについて、「本来ほんらい討論とうろんかいは、政策せいさく論議ろんぎだが、感情かんじょうのもつれが全面ぜんめんていて、アメリカ現状げんじょう分断ぶんだん示唆しさしているようにえた。これまで両者りょうしゃ主張しゅちょうしたことの繰り返くりかえで、そこからふか論戦ろんせん繰り広くりひろげる場面ばめんはなかった。予想よそうされた範囲はんいでのコメントおおく、ながおおきくえることはなかった」と指摘してきしました。

また、バイデン目線めせん頻繁ひんぱんカメラけられていたと指摘してきし、そのねらいについて、「有権者ゆうけんしゃによりつようったえようとしていた。トランプ支持しじしゃからすると、トランプとわさないバイデンよわさとかんじる可能かのうせいがあるが、バイデン支持しじしゃからすると、トランプの挑発ちょうはつにのらず、あくまで有権者ゆうけんしゃのほうをみていた指導しどうしゃ好意こういてき受け止うけとめたとおも」とはなしました。

明治めいじ大学だいがく 鈴木すずきけん教授きょうじゅトランプ大統領だいとうりょう優勢ゆうせい

アメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょ演説えんぜつ討論とうろんかい研究けんきゅうしている明治めいじ大学だいがく鈴木すずきけん教授きょうじゅ今回こんかい討論とうろんかい振り返ふりかえり、トランプ大統領だいとうりょう優勢ゆうせいだったと評価ひょうかしました。

理由りゆうについて、鈴木すずき教授きょうじゅは「どちら支持しじするかめていないひとは、テレビをわったときの印象いんしょう最終さいしゅうてきめることがおおトランプ大統領だいとうりょう場合ばあいは、後半こうはん経済けいざい実績じっせき強調きょうちょうしたり、バイデンはげしく攻撃こうげきしたりと多少たしょう強引ごういんでも結果けっかてき相手あいてしているという印象いんしょう視聴しちょうしゃあたえることができた」と指摘してきしました。

一方いっぽうでバイデンについては、「ゆっくりとした話し方はなしかたで、相手あいて攻撃こうげきわらってやり過やりすごすなど冷静れいせい印象いんしょうあたえる戦略せんりゃくはよかったとおも前半ぜんはん政権せいけん新型しんがたコロナウイルス対策たいさく批判ひはんして、トランプ大統領だいとうりょう論理ろんりてき説明せつめいできない場面ばめんあるなど、バイデン優勢ゆうせいすすめたが、後半こうはんややアピールにけるところがあったのではないか」と評価ひょうかしています。

そのうえで、「大統領だいとうりょう選挙せんきょまつのようなもので、有権者ゆうけんしゃ熱狂ねっきょうさせられるひと当選とうせんする傾向けいこうあるまたアメリカでは現在げんざい新型しんがたウイルスの感染かんせん拡大かくだいにより悪化あっかした失業しつぎょうりつ改善かいぜんしつつある状況じょうきょうなので、どちら支持しじするかめていない有権者ゆうけんしゃにとって、あたらしい大統領だいとうりょうえらことはリスクをとることになる。バイデン有権者ゆうけんしゃに対にたいして自分じぶんのほうが経済けいざい改善かいぜんできるとアピールできないかぎり、今後こんごトランプ大統領だいとうりょう有利ゆうりなまますすのではないか」と分析ぶんせきしています。

上智じょうち大学だいがく 前嶋まえじま和弘かずひろ教授きょうじゅ勝ち負かちまつかず”

アメリカ現代げんだい政治せいじ専門せんもん上智じょうち大学だいがく前嶋まえじま和弘かずひろ教授きょうじゅは、今回こんかい討論とうろんかい振り返ふりかえり、双方そうほう自分じぶんたちへの支持しじがた終始しゅうしして政策せいさく論争ろんそうふかまらず、勝ち負かちまけがつかなかったと評価ひょうかしました。

理由りゆうについて、前嶋まえじま教授きょうじゅは、「さまざまな政策せいさくについてはなされたが、相手あいてったことに対にたいしてすぐに反論はんろんしていて政策せいさく論争ろんそうふかまらず、全体ぜんたいてきなにはなされていたかおぼえていない。ただ議論ぎろんまったかみ合かみあっていなかったものの、自分じぶんたちの支持しじしゃに対にたいして個々ここ政策せいさくをアピールしたという意味いみ甲乙こうおつけがたい」とべました。

そして討論とうろんかい性質せいしつこれまでとはわってきていると指摘してきし、「かつての討論とうろんかいはまだだれ支持しじするかめていないひとけて政策せいさく論争ろんそうをするだったが、いまは自分じぶん支持しじしゃへのアピールに終始しゅうしし、分極ぶんきょく時代じだいだとかんじた。反対はんたいがわへのメッセージほとんどなにもないので、無党派むとうはひとこころれないというかんだとおも」とべました。

そのうえで、「2かい、3かい討論とうろんかいではこたえにくい質問しつもんに対にたいしてこたえざるをえない場面ばめんがでてくるはずなので、もう少もうすこ議論ぎろんふかまるはずだ。のこ討論とうろんかいくわえ、オンライン戸別こべつ訪問ほうもんなど地道じみち戦略せんりゃく無党派むとうはそうがどれだけうごのか、また大統領だいとうりょう選挙せんきょ勝敗しょうはい左右さゆうするとされる『激戦げきせんしゅう』のなかでまだまよっているひとがどちらを支持しじするかがポイントなる」とべ、今後こんご討論とうろんかいでどこまでふか議論ぎろんできるかがカギとなるというかんがしめしました。

トランプ大統領だいとうりょう 白人はくじん至上しじょう主義しゅぎ明確めいかく非難ひなんせず

討論とうろんかいでは人種じんしゅ差別さべつ問題もんだいでも議論ぎろんわされましたが、アメリカメディアそのさい、トランプ大統領だいとうりょう白人はくじん至上しじょう主義しゅぎ明確めいかく非難ひなんしなかったとおおきくほうじています。

トランプ大統領だいとうりょう討論とうろんかい司会しかいしゃから「白人はくじん至上しじょう主義しゅぎしゃ武装ぶそう集団しゅうだんメンバー今夜こんやこの非難ひなんし、暴力ぼうりょくてき行為こうい加担かたんしないように準備じゅんびはありますか?」とわれました。

これに対にたいしてトランプ大統領だいとうりょうは「もちろん」といながらも議論ぎろん矛先ほこさきをかえるような発言はつげん繰り返くりかえしました。

このため司会しかいしゃ民主党みんしゅとうのバイデン候補こうほあらためて明言めいげんするようもとめたのに対にたいトランプ大統領だいとうりょうは「具体ぐたいてきにどの団体だんたい名指なざすればいいか?」とき、バイデンあるグループ言及げんきゅうするとこのグループにびかけるように「うしがり、待機たいきせよ」とべました。

メディア市民しみん団体だんたいによるとこのグループ白人はくじん至上しじょう主義しゅぎかか全米ぜんべい各地かくちつづ人種じんしゅ差別さべつへの抗議こうぎデモじゅうなどで武装ぶそうして対抗たいこうする行動こうどうをとり、問題もんだいされているということです。

トランプ大統領だいとうりょう一連いちれん発言はつげんについて、複数ふくすうメディア名指なざされたグループメンバーらが白人はくじん至上しじょう主義しゅぎ暴力ぼうりょくてき行為こういあん支持しじしたと受け止うけとめただろうとしたうえで「トランプ大統領だいとうりょう白人はくじん至上しじょう主義しゅぎしゃ明確めいかく非難ひなんしなかった」と批判ひはんてきつたえています。
ソース:NHK ニュース