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陸上日本選手権 最終日 男女ハードル種目で大会記録
2020-10-03 10:54:44

陸上の日本選手権は大会最終日の3日、男女のハードル種目の決勝が行われ、女子100メートルハードルは青木益未選手が、男子110メートルハードルは金井大旺選手がともに大会記録で優勝しました。
女子100mハードル 青木益未が優勝
新潟市で開かれている陸上の日本選手権は大会最終日の3日、女子100メートルハードルの決勝が行われ、日本記録を持つ30歳の寺田明日香選手と、26歳の青木益未選手の争いに注目が集まりました。
レースは、青木選手がスタートで飛び出し、そのまま寺田選手を抑えてフィニッシュし、大会記録に並ぶ13秒02のタイムで2年ぶり2回目の優勝を果たしました。寺田選手は13秒14で2位でした。
自己ベストとともに大会記録も塗りかえた青木選手は「完璧なレースだった。寺田選手のことを気にして練習でやってきたことができなかったら意味がないので、気にせず走ろうと思った。スタートから差をつけて自分のレーンだけを見ることができ、すごくいい走りができた」と会心のレースを振り返りました。
そのうえで「準決勝のあと、寺田選手と自分の映像を見てどうすれば勝てるかとイメージしながら心の準備をした。今後もきょうのように緊張感を持って走れるように頑張っていきたい」と話していました。
一方寺田選手は「きのう走ってみて、調子を合わせられていないという印象があった。それでもできることをやろうと思って臨んだが、このような大舞台に調子を合わせることが大事だ。それができないという意味ではまだ足りないところがあるのだと思う」と大会を振り返りました。
そして、「去年は3位だったので、一歩ずつ前に進んでいる。娘に金メダルをあげられなくて残念だが、スポーツで勝つのは1人だけで、あとは負けるので、その中でどう楽しむかをわかってもらえたらいいと思う」と自宅でレースを見守った6歳の長女、果緒ちゃんに語りかけるように話していました。
レースは、青木選手がスタートで飛び出し、そのまま寺田選手を抑えてフィニッシュし、大会記録に並ぶ13秒02のタイムで2年ぶり2回目の優勝を果たしました。寺田選手は13秒14で2位でした。
自己ベストとともに大会記録も塗りかえた青木選手は「完璧なレースだった。寺田選手のことを気にして練習でやってきたことができなかったら意味がないので、気にせず走ろうと思った。スタートから差をつけて自分のレーンだけを見ることができ、すごくいい走りができた」と会心のレースを振り返りました。
そのうえで「準決勝のあと、寺田選手と自分の映像を見てどうすれば勝てるかとイメージしながら心の準備をした。今後もきょうのように緊張感を持って走れるように頑張っていきたい」と話していました。
一方寺田選手は「きのう走ってみて、調子を合わせられていないという印象があった。それでもできることをやろうと思って臨んだが、このような大舞台に調子を合わせることが大事だ。それができないという意味ではまだ足りないところがあるのだと思う」と大会を振り返りました。
そして、「去年は3位だったので、一歩ずつ前に進んでいる。娘に金メダルをあげられなくて残念だが、スポーツで勝つのは1人だけで、あとは負けるので、その中でどう楽しむかをわかってもらえたらいいと思う」と自宅でレースを見守った6歳の長女、果緒ちゃんに語りかけるように話していました。
寺田 10年ぶりの優勝ならず

日本記録保持者として女子100メートルハードルの決勝に臨んだ寺田明日香選手は、10年ぶりの日本一にはわずかに届きませんでした。
寺田選手は、今から12年前の18歳のときに日本選手権で初優勝、そこから3連覇を果たしました。
しかし、その後、けがや病気に苦しみ23歳の若さで引退を決断し結婚、24歳で長女の果緒ちゃんを出産しました。
去年から再びレースに復帰した寺田選手ですが、その背景にはまな娘、果緒ちゃんの存在がありました。
寺田選手は当時を振り返って「目標とか夢があって、そこに向かっていく姿を娘に見てほしいし近くで感じてほしいと思った」とその理由を説明しました。
一度決断した以上、徹底した準備をして陸上に復帰した寺田選手。29歳で日本記録を更新し再び日本のトップに戻ってきました。
10年ぶりの日本一を目指した3日の決勝では、ライバルの青木益未選手にわずかに届きませんでしたが、テレビで応援していた果緒ちゃんの心にはオリンピックを目指して奮闘を続ける母の姿が刻まれたはずです。
寺田選手は、今から12年前の18歳のときに日本選手権で初優勝、そこから3連覇を果たしました。
しかし、その後、けがや病気に苦しみ23歳の若さで引退を決断し結婚、24歳で長女の果緒ちゃんを出産しました。
去年から再びレースに復帰した寺田選手ですが、その背景にはまな娘、果緒ちゃんの存在がありました。
寺田選手は当時を振り返って「目標とか夢があって、そこに向かっていく姿を娘に見てほしいし近くで感じてほしいと思った」とその理由を説明しました。
一度決断した以上、徹底した準備をして陸上に復帰した寺田選手。29歳で日本記録を更新し再び日本のトップに戻ってきました。
10年ぶりの日本一を目指した3日の決勝では、ライバルの青木益未選手にわずかに届きませんでしたが、テレビで応援していた果緒ちゃんの心にはオリンピックを目指して奮闘を続ける母の姿が刻まれたはずです。
男子110mハードル 金井大旺が優勝

男子の110メートルハードルの決勝は日本記録を持つ高山峻野選手と前の日本記録保持者の金井選手の争いに注目が集まりました。
レースはスタートで金井選手が飛び出し、後半に高山選手が追い上げましたが、金井選手がそのまま逃げきり、自身がおととし出した大会記録に並ぶ13秒36で、2年ぶり2回目の優勝を果たしました。
高山選手は13秒47で2位でした。
大会記録に並ぶ13秒36のタイムで優勝した金井選手は、「タイムはまだまだですが、フライングかと思うくらいいいスタートでとび出して、勝つことができました。今シーズンはトレーニングをしっかり積んで技術ともかみ合っていい走りにつながっています」と手応えを口にしました。
そのうえで「集大成となる東京オリンピックに向けてハードリングの技術を見直すなどして悔いのないようにしたい」と意気込んでいました。
2位に終わり大会連覇を逃した高山選手は、「スタートで出遅れたあと終始、勝てるところがなく、逆にすがすがしい気持ちです。今は実力不足で金井選手に勝てるビジョンがわかないので、来年に向けて基礎体力を戻してしっかりと戦っていけるようにしたい」と冷静に巻き返しを誓っていました。
レースはスタートで金井選手が飛び出し、後半に高山選手が追い上げましたが、金井選手がそのまま逃げきり、自身がおととし出した大会記録に並ぶ13秒36で、2年ぶり2回目の優勝を果たしました。
高山選手は13秒47で2位でした。
大会記録に並ぶ13秒36のタイムで優勝した金井選手は、「タイムはまだまだですが、フライングかと思うくらいいいスタートでとび出して、勝つことができました。今シーズンはトレーニングをしっかり積んで技術ともかみ合っていい走りにつながっています」と手応えを口にしました。
そのうえで「集大成となる東京オリンピックに向けてハードリングの技術を見直すなどして悔いのないようにしたい」と意気込んでいました。
2位に終わり大会連覇を逃した高山選手は、「スタートで出遅れたあと終始、勝てるところがなく、逆にすがすがしい気持ちです。今は実力不足で金井選手に勝てるビジョンがわかないので、来年に向けて基礎体力を戻してしっかりと戦っていけるようにしたい」と冷静に巻き返しを誓っていました。
男子110mハードル 競い高め合うライバル

男子110メートルハードルは、ここ2年間で日本記録更新が相次いでいる種目です。
そのきっかけを作ったのが、金井大旺選手です。22歳で出場した2年前、2018年の日本選手権で13秒36の日本新記録をマーク、実に14年ぶりの日本記録更新でした。
これをきっかけに、2019年は男子110メートルハードルの記録が大きく動きました。
その主人公となったのが金井選手より1学年上の高山峻野選手です。
6月に自己ベストを0秒08更新して日本記録に並ぶと、そのわずか1か月後にさらに0秒06更新して13秒30の日本新記録を樹立。そこから3週間後の大会で日本記録を13秒25まで縮めました。
主役を完全に奪われた形の金井選手ですが、ことし2020年に入って復調。8月に日本記録まで100分の2秒に迫る13秒27の日本歴代2位の好記録をマークし、高山選手と直接対決した8月の2大会は、いずれも金井選手が勝っています。
ことしの最大の舞台、日本選手権でも2人は前評判通り、準決勝の各組をトップで通過し、決勝で雌雄を決しました。
(男子110mハードル 日本記録の変遷)
2004年8月 谷川聡 13秒39
2018年6月 金井大旺 13秒36
2019年6月 高山峻野 13秒36
2019年6月 泉谷駿介 13秒36
2019年7月 高山峻野 13秒30
2019年8月 高山峻野 13秒25(現日本記録)
(参考)
2020年8月 金井大旺 13秒27(日本歴代2位)
そのきっかけを作ったのが、金井大旺選手です。22歳で出場した2年前、2018年の日本選手権で13秒36の日本新記録をマーク、実に14年ぶりの日本記録更新でした。
これをきっかけに、2019年は男子110メートルハードルの記録が大きく動きました。
その主人公となったのが金井選手より1学年上の高山峻野選手です。
6月に自己ベストを0秒08更新して日本記録に並ぶと、そのわずか1か月後にさらに0秒06更新して13秒30の日本新記録を樹立。そこから3週間後の大会で日本記録を13秒25まで縮めました。
主役を完全に奪われた形の金井選手ですが、ことし2020年に入って復調。8月に日本記録まで100分の2秒に迫る13秒27の日本歴代2位の好記録をマークし、高山選手と直接対決した8月の2大会は、いずれも金井選手が勝っています。
ことしの最大の舞台、日本選手権でも2人は前評判通り、準決勝の各組をトップで通過し、決勝で雌雄を決しました。
(男子110mハードル 日本記録の変遷)
2004年8月 谷川聡 13秒39
2018年6月 金井大旺 13秒36
2019年6月 高山峻野 13秒36
2019年6月 泉谷駿介 13秒36
2019年7月 高山峻野 13秒30
2019年8月 高山峻野 13秒25(現日本記録)
(参考)
2020年8月 金井大旺 13秒27(日本歴代2位)
最終日 このほかの結果

▽男子200メートル決勝は飯塚翔太選手が向かい風0.5メートルのなか、20秒75で2年ぶりに優勝しました。2位は小池祐貴選手で20秒88でした。
▽女子200メートル決勝は鶴田玲美選手が向かい風0.1メートルのなか、自己ベストを大幅に更新して、日本歴代3位となる23秒17のタイムをマークし初優勝を果たしました。
▽女子200メートル決勝は鶴田玲美選手が向かい風0.1メートルのなか、自己ベストを大幅に更新して、日本歴代3位となる23秒17のタイムをマークし初優勝を果たしました。
女子800m 川田朱夏が初優勝

▽女子800メートルの決勝は、川田朱夏選手が2分3秒54で初優勝を果たしました。2位は塩見綾乃選手、3位は卜部蘭選手で、女子1500メートルとの2冠を目指した田中希実選手は4位でした。
川田選手は「今シーズン、優勝がなくてずっと2位や3位だったので、絶対に優勝したいと思っていた。リラックスして走ると自分に言い聞かせていて、500メートルあたりで抜かれたが、焦らずに自分の走りができた」とレースを振り返っていました。
一方、田中選手は「最低でもメダルが欲しかったので悔しいが、これで真摯(しんし)な気持ちで競技と向き合うことができるので、負けてよかったと思う」と話していました。
川田選手は「今シーズン、優勝がなくてずっと2位や3位だったので、絶対に優勝したいと思っていた。リラックスして走ると自分に言い聞かせていて、500メートルあたりで抜かれたが、焦らずに自分の走りができた」とレースを振り返っていました。
一方、田中選手は「最低でもメダルが欲しかったので悔しいが、これで真摯(しんし)な気持ちで競技と向き合うことができるので、負けてよかったと思う」と話していました。
男子走り高跳び 真野友博が初優勝

男子走り高跳びは、真野友博選手が、2メートル30センチの好記録で初優勝しました。
24歳の真野選手は、先月の全日本実業団選手権で自己ベストを3センチ更新する日本歴代4位の2メートル31センチを跳んで勢いに乗っています。真野選手は、2メートル10センチから跳び始め、ほかの選手が次々と失敗するなか、2メートル24センチまですべて1回で成功し、この時点で初優勝を決めました。
このあとは記録を目指してバーをあげ、2メートル27センチと2メートル30センチをともに最後の1回でクリアし、自己ベストとなる2メートル33センチに挑みました。
2回失敗したあとの最後の3回目は、会場の手拍子を受けて跳躍しましたが、わずかに及ばす、結果は2メートル30センチでした。
また、2メートル35センチの日本記録を持つ戸邉直人選手は、2メートル10センチで12位に終わりました。
真野選手は「去年は記録なしだったので2メートル30センチ台で優勝できてうれしい。筋力も走力も上がり、好調を維持できた。これからも結果を残し、日本記録もねらいたい」と笑顔で振り返りました。
また、戸邉選手は「練習からいい形でできず、思ったよりも悪い結果で残念だ。技術的な練習不足に尽きるので、オリンピックに向けてゼロから練習を積みたい」と淡々と話していました。
24歳の真野選手は、先月の全日本実業団選手権で自己ベストを3センチ更新する日本歴代4位の2メートル31センチを跳んで勢いに乗っています。真野選手は、2メートル10センチから跳び始め、ほかの選手が次々と失敗するなか、2メートル24センチまですべて1回で成功し、この時点で初優勝を決めました。
このあとは記録を目指してバーをあげ、2メートル27センチと2メートル30センチをともに最後の1回でクリアし、自己ベストとなる2メートル33センチに挑みました。
2回失敗したあとの最後の3回目は、会場の手拍子を受けて跳躍しましたが、わずかに及ばす、結果は2メートル30センチでした。
また、2メートル35センチの日本記録を持つ戸邉直人選手は、2メートル10センチで12位に終わりました。
真野選手は「去年は記録なしだったので2メートル30センチ台で優勝できてうれしい。筋力も走力も上がり、好調を維持できた。これからも結果を残し、日本記録もねらいたい」と笑顔で振り返りました。
また、戸邉選手は「練習からいい形でできず、思ったよりも悪い結果で残念だ。技術的な練習不足に尽きるので、オリンピックに向けてゼロから練習を積みたい」と淡々と話していました。
ソース:NHK ニュース