コロナ禍かでの修学しゅうがく旅行りょこう 6割わりの学校がっこうが実施じっし 多おおくが近きん場ばに変更へんこう

コロナ禍かでの修学しゅうがく旅行りょこうの実施じっし状況じょうきょうについて、NHKが全国ぜんこくの教育きょういく委員いいん会かいに聞きいたところ、回答かいとうが得えられた2万まん校こう余あまりのうち、15％の学校がっこうが「中止ちゅうし」を決きめている一方いっぽう、60％の学校がっこうが「実施じっし」を決きめ、その多おおくが行いき先さきを隣県りんけんや県内けんないなどの近きん場ばに変更へんこうして対応たいおうしていることがわかりました。

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、全国ぜんこくの小中しょうちゅう学校がっこうや高校こうこうで修学しゅうがく旅行りょこうの延期えんきや中止ちゅうしが相次あいつぎましたが、感染かんせん状況じょうきょうに応おうじて、改あらためて実施じっしを決きめる自治体じちたいも出でてきていることから、NHKでは全国ぜんこくの都道とどう府県ふけんに最新さいしんの状況じょうきょうを聞ききました。

その結果けっか、公立こうりつの小中しょうちゅう学校がっこうと高校こうこうの修学しゅうがく旅行りょこうの実施じっし状況じょうきょうについて、学校がっこう数すうで回答かいとうが得えられた35自治体じちたい、合あわせて2万まん1132校こうのうち、「実施じっし」を決きめたのが60％、「検討けんとう中ちゅう」は17％、「中止ちゅうし」を決きめたのは15％でした。

また「実施じっし」を決きめたうち、「例年れいねん通どおりの形かたちでの実施じっし」という回答かいとうは一部いちぶにとどまり、多おおくが行いき先さきを県内けんないや隣県りんけんなどの近きん場ばに変更へんこうしたり、時期じきを先さき延のばししたり、日程にっていを日帰ひがえりに短縮たんしゅくするなどして、例年れいねんと違ちがう形かたちで対応たいおうしていることがわかりました。

都道とどう府県ふけん別べつにみると、90％以上いじょうの学校がっこうが実施じっしを決きめている自治体じちたいがある一方いっぽう、80％以上いじょうの学校がっこうで中止ちゅうしとなっている自治体じちたいもあり、地域ちいきによって対応たいおうが大おおきく分わかれています。

文部もんぶ科学かがく省しょうは今月こんげつ、全国ぜんこくの教育きょういく委員いいん会かいなどに対にたいし、すでに取とりやめた場合ばあいでも改あらためて実施じっしを検討けんとうすることや、感染かんせん防止ぼうし策さくを講こうじたうえで近距離きんきょりでの実施じっしや日程にってい短縮たんしゅくなど適切てきせつに変更へんこうすること、「Go Toトラベル」の割り引わりびきの対象たいしょうとなることを通知つうちし、教育きょういく的てき意義いぎや児童じどう生徒せいとの心情しんじょうを考かんがえ、実施じっしに向むけて最大限さいだいげん配慮はいりょするよう求もとめています。

夏なつ以降いこう 改あらためて実施じっしを検討けんとうする学校がっこうが増加ぞうか

大手おおて旅行りょこう会社かいしゃによりますと、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで春先はるさきには多おおくの学校がっこうが修学しゅうがく旅行りょこうを見合みあわせていたものの、夏なつ以降いこう、改あらためて実施じっしを検討けんとうする学校がっこうが増ふえているといいます。

大手おおて旅行りょこう会社かいしゃの「近畿きんき日本にっぽんツーリスト」では、年間ねんかんで小中こなか学校がっこうや高校こうこう、およそ4000校こうの修学しゅうがく旅行りょこうを手てがけているということですが、感染かんせん拡大かくだいを受うけて春先はるさきにはほとんどの学校がっこうがキャンセルする意向いこうを示しめしていたといいます。

しかし、感染かんせんの状況じょうきょうに応おうじて、夏なつ以降いこう、改あらためて実施じっしを検討けんとうする学校がっこうが増ふえてきたということで、先月せんげつ末まつ時点じてんでは例年れいねんの6割わりにあたるおよそ2400校こうが今年度こんねんど中ちゅうの実施じっしを決きめたということです。

一方いっぽうで、このうち75％にあたるおよそ1800校こうが行いき先さきを県内けんないや隣県りんけんに限定げんていするなど、当初とうしょの予定よていを変更へんこうしたうえで実施じっしするということです。

特とくに感染かんせん対策たいさくは重視じゅうしされていて、交通こうつう手段しゅだんを公共こうきょう交通こうつう機関きかんからタクシーに変かえたり、バス1台だいのところを2台だいに分乗ぶんじょうして2席せき分ぶんを1人にんで利用りようしたりするほか、食事しょくじの際さいには同どう一いち方向ほうこうや互い違たがいちがいに座すわるなど密みつを避さける工夫くふうをしているということです。

受け入うけいれがなかった修学しゅうがく旅行りょこうが増ふえたケースも 新潟にいがた 燕つばめ市し

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで観光かんこう客きゃくが減少げんしょうしている新潟にいがた県けん燕つばめ市しでは去年きょねん、全まったく受け入うけいれのなかった修学しゅうがく旅行りょこうが先月せんげつから増ふえています。

新潟にいがた県けん燕つばめ市しは、隣となりの三条さんじょう市しとともに金物かなものや洋食ようしょく器きの製造せいぞうが盛さかんで、6年ねん前まえからは市内しないにある工場こうじょう見学けんがくなどを中心ちゅうしんに観光かんこう客きゃくの誘致ゆうちに力ちからを入いれていますが、感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで、市内しないを訪おとずれる観光かんこう客きゃくはことし6月つきまでの半年はんとし間かんにおよそ20万まん人にんと、去年きょねんの同おなじ時期じきに比くらべて半数はんすうほどに減へっているということです。

こうした中なか、市しには修学しゅうがく旅行りょこうで訪おとずれたいという問い合といあわせが相次あいついでいるということです。

市しでは、去年きょねん、修学しゅうがく旅行りょこうの受け入うけいれは全まったくなく、以前いぜんもほとんどなかったということですが、先月せんげつから12月つきにかけて県内けんないをはじめ県けん外がいの学校がっこう合あわせて41校こう、1600人にん余あまりの児童じどう・生徒せいとらが燕つばめ市しを訪おとずれるということです。

このうち7校こうは、隣接りんせつする長野ながの県けんや山形やまがた県けん、それに福島ふくしま県けんといった県けん外がいの学校がっこうだということです。

市しによりますと多おおくの学校がっこうでは、感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで行いき先さきを変更へんこうしたということです。

今月こんげつ2日にちには山形やまがた県けん朝日あさひ町まちにある朝日あさひ中学校ちゅうがっこうの3年生ねんせい26人にんが伝統でんとう工芸こうげい品ひんなどを展示てんじする燕つばめ市し産業さんぎょう史料しりょう館かんを訪おとずれました。

この学校がっこうでは当初とうしょ、ことし6月つきに東京とうきょうなどへの修学しゅうがく旅行りょこうを予定よていしていましたが、感染かんせん拡大かくだいの影響えいきょうで延期えんきし、行き先ゆきさきも変更へんこうしたということです。

この施設しせつでは感染かんせん対策たいさくのため検温けんおんやアルコール消毒しょうどくを実施じっししているほか、団体だんたい客きゃくの場合ばあいは密みつを避さけるためにグループに分わかれてもらう対応たいおうをとっていて、生徒せいとたちも分わかれて金属きんぞく加工かこう品ひんを見学けんがくしたり、タンブラーに模様もようを付つける体験たいけんに取り組とりくんだりしていました。

参加さんかした男子だんし生徒せいとは「修学しゅうがく旅行りょこうで東京とうきょうに行いけないと知しった時ときはがっかりしましたが、新潟にいがたで仲間なかまと楽たのしい思い出おもいでを作つくれてうれしかったです」と話はなしていました。

朝日あさひ中学校ちゅうがっこうの土田つちた紘ひろし愛あい教諭きょうゆは「さまざまな大会たいかいなどが中止ちゅうしとなり子こどもたちには我慢がまんを強しいていたので、修学しゅうがく旅行りょこうを実施じっしすることができてよかったです」と話はなしていました。

市しでは修学しゅうがく旅行りょこうで訪おとずれた人ひとたちのために地元じもとで作つくられたスプーンなどを準備じゅんびしていて、この日ひもバスの中なかで生徒せいとたちに贈おくっていました。

市しでは感染かんせん対策たいさくを徹底てっていして今後こんごも安全あんぜんに受け入うけいれを進すすめたいとしています。

燕つばめ市し観光かんこう振興しんこう課かの梨本なしもと信宏のぶひろ課長かちょうは「コロナの影響えいきょうで観光かんこう客きゃくが減へる中なかで、修学しゅうがく旅行りょこうで生徒せいとたちが市しに集あつまってくるのは本当ほんとうに驚おどろきです。また来きたいと思おもってもらうように取り組とりくみたい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース