前回ぜんかい的中てきちゅうの専門せんもん家かに聞きいた アメリカ大統領だいとうりょう選せんの勝者しょうしゃ予測よそくは？

トランプ大統領だいとうりょうが再選さいせんを果はたすのか、それともバイデン前ぜん副ふく大統領だいとうりょうが政権せいけんを奪還だっかんするのか、選挙せんきょまで3週間しゅうかんを切きる中なか、前回ぜんかい4年ねん前まえの選挙せんきょでクリントン氏し優勢ゆうせいの大方おおかたの見方みかたに対にたいし、トランプ大統領だいとうりょうの逆転ぎゃくてん勝利しょうりを的中てきちゅうさせた専門せんもん家かの間までも予測よそくが分わかれています。

バイデン氏しの勝利しょうりを予測よそく

バイデン氏しの勝利しょうりと予測よそくするのは、アメリカン大学だいがくの歴史れきし学者がくしゃアラン・リクトマン教授きょうじゅです。

教授きょうじゅは1984年ねん以降いこう、9回かいの大統領だいとうりょう選挙せんきょのうち8回かいで選挙せんきょ結果けっかを正ただしく予測よそくしたことで知しられ、前回ぜんかいもトランプ氏しが勝利しょうりすると主張しゅちょうしていました。

リクトマン氏しは、世論せろん調査ちょうさの結果けっかを分析ぶんせきするのではなく、過去かこの大統領だいとうりょう選挙せんきょの歴史れきしから選挙せんきょの勝敗しょうはいを左右さゆうする13の指標しひょうを独自どくじに導みちびきだし、その指標しひょうにどれだけ合致がっちしているかで結果けっかを予測よそくしています。

具体ぐたい的てきには、経済けいざいの状況じょうきょうや政権せいけんの実績じっせき、評価ひょうか、社会しゃかい不安ふあんの有無うむや所属しょぞく政党せいとうの状況じょうきょうなどで、リクトマン氏しはインタビューでこれらをファンダメンタルズ＝基礎きそ的てき条件じょうけんと呼よんだうえで、「アメリカ人じんは政権せいけん与党よとうの政治せいじについて『ファンダメンタルズ』を冷静れいせいに分析ぶんせきし、次つぎの4年間ねんかん、政権せいけんを預あづけてもいいかどうか判断はんだんをしている」と述のべて、有権者ゆうけんしゃはこれらの指標しひょうを判断はんだんの材料ざいりょうとして投票とうひょう行動こうどうを決きめていると指摘してきしました。

そのうえで「トランプ大統領だいとうりょうは13の指標しひょうのうち7つの項目こうもくで合致がっちしない。最終さいしゅう的てきな予測よそくでは1992年ねんにブッシュ大統領だいとうりょうがクリントン氏しに敗やぶれたとき以来いらいの再選さいせんを果はたせなかった現職げんしょく大統領だいとうりょうになるだろう」と述のべ、トランプ大統領だいとうりょうは再選さいせんできずバイデン氏しが勝利しょうりすると予測よそくしています。

リクトマン氏しの指標しひょうによる分析ぶんせきでは、去年きょねん末まつの時点じてんではトランプ大統領だいとうりょうの勝利しょうりを予測よそくしていましたが、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいと経済けいざいの悪化あっか、人種じんしゅ差別さべつに抗議こうぎするデモの拡大かくだいで予測よそくが変かわったとしていて「トランプ大統領だいとうりょうは、短期たんき的てきな経済けいざい状況じょうきょう、長期ちょうき的てきな経済けいざい状況じょうきょう、そして社会しゃかい不安ふあんの3項目こうもくで不利ふりな状況じょうきょうになり、アメリカの歴史れきし上じょう、現職げんしょく大統領だいとうりょうとしてわずか数すうか月かげつの間まに勝利しょうり予測よそくが敗北はいぼく予測よそくに転てんじた初はじめてのケースになる」と話はなしています。

一方いっぽう、トランプ大統領だいとうりょうの感染かんせんや最高さいこう裁判所さいばんしょ判事はんじ選えらびなど最近さいきんの情勢じょうせいがどれだけ選挙せんきょに影響えいきょうを与あたえるかについては「感覚かんかく的てきには受け入うけいれられないかもしれないが、大統領だいとうりょう選挙せんきょには全まったく影響えいきょうしないと言いっていい。例たとえば前回ぜんかいの選挙せんきょで私わたしがトランプ氏しの勝利しょうりを予想よそうしたのは、トランプ大統領だいとうりょうが女性じょせいを見下みくだすような発言はつげんを繰り返くりかえしていた音声おんせいが暴露ばくろされる前まえだった。また当時とうじのFBIのコミー長官ちょうかんがクリントン氏しの電子でんしメールへの捜査そうさを始はじめることを発表はっぴょうする前まえでもあったが、予測よそくには何なにの影響えいきょうも与あたえていない」と話はなしています。

トランプ大統領だいとうりょうの再選さいせんを予測よそく

これに対にたいし、トランプ大統領だいとうりょうの再選さいせんと予測よそくするのはストーニーブルック大学だいがくのヘルムット・ノーポス教授きょうじゅです。

ノーポス氏しは、株価かぶかや経済けいざい状況じょうきょうの予測よそくにも用もちいられる統計とうけい手法しゅほうを用もちいて大統領だいとうりょう選挙せんきょの結果けっかを予測よそくし、過去かこ6回かいの大統領だいとうりょう選挙せんきょのうち、前回ぜんかいのトランプ氏しを含ふくむ5回かいの選挙せんきょの勝者しょうしゃを的中てきちゅうさせています。

ノーポス氏しは今回こんかい、91％の確率かくりつでトランプ大統領だいとうりょうが再選さいせんされるとしています。

ノーポス氏しは「選挙せんきょの結果けっかを予想よそうしている研究けんきゅう者しゃのほとんどがバイデン氏しの勝利しょうりを予測よそくしているなかで私わたしは異端いたんだが、4年ねん前まえも同おなじ思おもいを経験けいけんしている」と話はなしています。

またノーポス氏しは、各種かくしゅ世論せろん調査ちょうさがバイデン氏しのリードを示しめしていることについて「今いま、激戦げきせん州しゅうとされている州しゅうではバイデン氏しが数字すうじ上じょうリードをしているが、2016年ねんの時ときもクリントン氏しが数字すうじ上じょう、同おなじようにリードし、結果けっか的てきにトランプ氏しが勝利しょうりした」と指摘してきしています。

そのうえで「この20年間ねんかん、世論せろん調査ちょうさによる支持しじ率りつは民主党みんしゅとうに強つよく出過ですぎる傾向けいこうがあり、間違まちがえてきた。そしてトランプ大統領だいとうりょうは特とくに好き嫌すききらいが顕著けんちょに分わかれる政治せいじ家かなので、トランプ大統領だいとうりょうを快こころよく思おもっていない人ひとたちの中なかでは、トランプ氏しを支持しじしているとは言い出いいだせない」と述のべ、世論せろん調査ちょうさには表あらわれない「隠かくれトランプ支持しじ者しゃ」の存在そんざいに言及げんきゅうしました。

さらに「人ひとは今いまがもっとも歴史れきし上じょう、特異とくいな時ときだと考かんがえる傾向けいこうがある。しかし4年ねん前まえの選挙せんきょでは、ロシアが選挙せんきょ干渉かんしょうをしているという話はなしもあったし、クリントン氏しの電子でんしメールのスキャンダルもあった。2008年ねんには多おおくの人ひとが黒人こくじんはアメリカの大統領だいとうりょうにはなれないと考かんがえていた」と話はなし、現在げんざいの情勢じょうせいは歴史れきし的てきに見みても予測よそくを覆くつがえすほど特別とくべつな状況じょうきょうにはなく、おおむね予測よそく通どおりに推移すいいするだろうという見方みかたを示しめしました。

ソース：NHK ニュース