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ハイブリッド車や電気自動車に走行音装置を義務づけへ
2016-10-06 08:50:29

走行音が静かなハイブリッド車や電気自動車は歩行者との事故の危険性が高いとして、国土交通省は、新車について、ガソリン車と同じレベルの走行音を出して周囲に接近を知らせる装置の取り付けを義務づけることを決めました。
ハイブリッド車や電気自動車などモーターで動く車は、ガソリンエンジンで動く車と比べて走行音が静かです。視覚障害者や歩行者からは接近に気付きにくく危険だという声が上がっています。
このため国土交通省は、ハイブリット車と電気自動車の新車については、走行音に似た音を出して周囲に接近を知らせる装置を取り付けるよう自動車メーカーなどに義務づけることを決めました。
新たな基準では、この装置によって時速20キロ以下の低速で走行する場合、速度に応じて50から56デシベル以上とガソリン車と同じレベルの大きさの音を出すよう定めています。また、高齢者でも聞き取りやすい低い周波数の音を加えることも求めています。
現在、販売されている車はすでに走行音を出す装置が装着されていますが、音量が小さいうえ、ほとんどの車でドライバーが手動で音を消せることから、音を消す機能を持たせないことも定めています。
国土交通省は7日、道路運送車両法の安全基準を改正し、新型車は1年半後の平成30年3月から、すでに販売されている型の車については4年後の平成32年10月から義務づけることにしています。
このため国土交通省は、ハイブリット車と電気自動車の新車については、走行音に似た音を出して周囲に接近を知らせる装置を取り付けるよう自動車メーカーなどに義務づけることを決めました。
新たな基準では、この装置によって時速20キロ以下の低速で走行する場合、速度に応じて50から56デシベル以上とガソリン車と同じレベルの大きさの音を出すよう定めています。また、高齢者でも聞き取りやすい低い周波数の音を加えることも求めています。
現在、販売されている車はすでに走行音を出す装置が装着されていますが、音量が小さいうえ、ほとんどの車でドライバーが手動で音を消せることから、音を消す機能を持たせないことも定めています。
国土交通省は7日、道路運送車両法の安全基準を改正し、新型車は1年半後の平成30年3月から、すでに販売されている型の車については4年後の平成32年10月から義務づけることにしています。
徳島の死亡事故がきっかけ
国土交通省によりますと、今回、走行音を出す装置に音を消す機能をもたせないよう定めたのは、去年10月、徳島市で視覚障害者の男性が警報音を切ってバックしてきたトラックにひかれて死亡した事故が大きなきっかけになったということです。また、この事故のあと、日本盲人会連合など視覚障害者の団体からの要望が相次ぎ、義務化に向けての検討が進みました。
視覚障害者団体「大きな前進」
視覚障害者で作る日本盲人会連合では、これまでも国土交通省に対し、ハイブリッド車などの安全対策を強化するよう要望していました。
具体的には、走行音に似た音を出す装置の装着を義務化することに加え、ドライバーが装置のスイッチを切れないような構造にすることなどを求めていました。
日本盲人会連合の三宅隆情報部長は「視覚障害者にとって車の存在を知る手がかりは音しかない。自分自身も細い道でハイブリッド車が近づいているのに気付かず、ヒヤリとすることが年に数回ある。今回はドライバーの意思で装置のスイッチが切れないように規制されるので、歩行時の安心や安全が守られるという意味で大きな前進だ」と評価しています。
具体的には、走行音に似た音を出す装置の装着を義務化することに加え、ドライバーが装置のスイッチを切れないような構造にすることなどを求めていました。
日本盲人会連合の三宅隆情報部長は「視覚障害者にとって車の存在を知る手がかりは音しかない。自分自身も細い道でハイブリッド車が近づいているのに気付かず、ヒヤリとすることが年に数回ある。今回はドライバーの意思で装置のスイッチが切れないように規制されるので、歩行時の安心や安全が守られるという意味で大きな前進だ」と評価しています。
専門家「ルール作りで世界リードを」
人と機械の関わりについて研究している東京大学工学部の鎌田実教授は「今回の義務化で走行音の大きさが定められることと、ドライバーが音を消すことができなくなることで、高齢者や視覚障害者が車の接近に気付きやすくなる」と指摘しました。そのうえで、「これまで自動車の走行音は環境問題としていかに規制して減らしていくかという歴史だったが、ハイブリッド車という非常に静かな車の登場で安全確保という別の問題が起きた。日本は世界に先駆けてこうした車が普及しているのでルール作りでも世界をリードしていく必要がある」と話していました。
ソース:NHK ニュース