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令状なしのGPS捜査 最高裁が違法性判断へ
2016-10-05 09:21:17

容疑者の車にGPS端末を取りつける捜査を裁判所の令状を取らずに行うことが違法かどうかが争われた裁判で、最高裁判所は、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。令状無しのGPS捜査をめぐっては各地の裁判所で判断が分かれていて、最高裁の判断が注目されます。
大阪などで起きた窃盗事件の裁判で、警察が捜査の過程で裁判所の令状を取らずに容疑者の車やオートバイにGPS端末を取り付けて行動を監視していたことをめぐり、1審と2審で異なる判断が示されました。
大阪地方裁判所は「プライバシーを大きく侵害するため強制捜査に当たり、令状を取らずに行ったのは違法だ」と判断しました。
一方、大阪高等裁判所は「過去に強制捜査に当たるという司法判断が示されたり定着したりしていたわけではなく、重大な違法があったとは言えない」という判断を示しました。
これに対して被告側が上告し、最高裁判所は、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。大法廷は、重大な事案について判断を示す際に開かれるもので、令状を取らずにGPSを使っている捜査手法が違法かどうかについて、初めて判断を示すものとみられます。
令状無しのGPS捜査をめぐっては、各地の裁判所で違法性が争われていますが、判断が分かれていて、最高裁の判断が注目されます。
大阪地方裁判所は「プライバシーを大きく侵害するため強制捜査に当たり、令状を取らずに行ったのは違法だ」と判断しました。
一方、大阪高等裁判所は「過去に強制捜査に当たるという司法判断が示されたり定着したりしていたわけではなく、重大な違法があったとは言えない」という判断を示しました。
これに対して被告側が上告し、最高裁判所は、15人の裁判官全員による大法廷で審理することを決めました。大法廷は、重大な事案について判断を示す際に開かれるもので、令状を取らずにGPSを使っている捜査手法が違法かどうかについて、初めて判断を示すものとみられます。
令状無しのGPS捜査をめぐっては、各地の裁判所で違法性が争われていますが、判断が分かれていて、最高裁の判断が注目されます。
GPSはプライバシー侵害か
GPSを使った捜査をめぐっては、長期間にわたって常に行動を監視できることが重大なプライバシーの侵害になるかどうかが焦点になっています。
検察は、裁判の中で、GPS端末を監視対象者の車に取り付ける手法について、「尾行と同じ任意捜査の範囲で、裁判所の令状が必要な強制捜査ではない」と主張しています。
ことし7月、広島高等裁判所は、窃盗事件の判決で、「車は道路など公衆の目にさらされる場所にあるもので、その位置情報はプライバシーとして保護する必要性が高くない」として、任意捜査の範囲だと認めました。
一方、ことし6月、名古屋高等裁判所は、別の窃盗事件の判決で、「GPSを使った捜査は位置情報を長期間把握でき、交友関係などを網羅的に明らかにできる」と指摘したうえで、警察がおよそ3か月半にわたって対象者の位置を繰り返し検索していたことはプライバシーを侵害する危険性があり、令状が必要な強制捜査にあたるという判断を示しました。最高裁判所の判断は今後の捜査や裁判に大きな影響を与える可能性があり、注目されます。
検察は、裁判の中で、GPS端末を監視対象者の車に取り付ける手法について、「尾行と同じ任意捜査の範囲で、裁判所の令状が必要な強制捜査ではない」と主張しています。
ことし7月、広島高等裁判所は、窃盗事件の判決で、「車は道路など公衆の目にさらされる場所にあるもので、その位置情報はプライバシーとして保護する必要性が高くない」として、任意捜査の範囲だと認めました。
一方、ことし6月、名古屋高等裁判所は、別の窃盗事件の判決で、「GPSを使った捜査は位置情報を長期間把握でき、交友関係などを網羅的に明らかにできる」と指摘したうえで、警察がおよそ3か月半にわたって対象者の位置を繰り返し検索していたことはプライバシーを侵害する危険性があり、令状が必要な強制捜査にあたるという判断を示しました。最高裁判所の判断は今後の捜査や裁判に大きな影響を与える可能性があり、注目されます。
ソース:NHK ニュース