１いち票ひょうの格差かくさ ７月しちがつ参院さんいん選せんは「合憲ごうけん」 福岡ふくおか高裁こうさい宮崎みやざき支部しぶ

ことし７月しちがつの参議院さんぎいん選挙せんきょで、いわゆる１いち票ひょうの格差かくさが最大さいだいで３さん．０ぜろ８はち倍ばいだったことについて、福岡ふくおか高等こうとう裁判所さいばんしょ宮崎みやざき支部しぶは、「著いちじるしい不ふ平等びょうどう状態じょうたいだということはできない」として、憲法けんぽうに違反いはんしないとする判決はんけつを言い渡いいわたしました。

７月しちがつの参議院さんぎいん選挙せんきょでは、選挙せんきょ区くによって議員ぎいん１いち人にん当あたりの有権者ゆうけんしゃの数かずに最大さいだいで３さん．０ぜろ８はち倍ばいの格差かくさがあり、弁護士べんごしなどのグループが「投票とうひょう価値かちの平等びょうどうに反はんし、憲法けんぽうに違反いはんする」として、選挙せんきょの無効むこうを求もとめる訴うったえを全国ぜんこくで起おこしました。

このうち宮崎みやざきと鹿児島かごしまの２ふたつの県けんの選挙せんきょ区くを対象たいしょうにした判決はんけつで、福岡ふくおか高等こうとう裁判所さいばんしょ宮崎みやざき支部しぶの西川にしかわ知一ともかず郎ろう裁判さいばん長ちょうは、「去年きょねんの法ほう改正かいせいにより、隣接りんせつする県けんによる合ごう区くの選挙せんきょ区くを新あらたに設もうけたうえ、平成へいせい３さん１いち年ねんの選挙せんきょに向むけて抜本ばっぽん的てきな見直みなおしの検討けんとうを行おこない結論けつろんを得えるとされている」と指摘してきしました。

そのうえで、「投票とうひょう価値かちの不ふ均衡きんこうは違憲いけんの問題もんだいが生しょうじる程度ていどの著いちじるしい不ふ平等びょうどう状態じょうたいに至いたっていたということはできない」として、憲法けんぽうに違反いはんしないという判断はんだんを示しめしました。

参議院さんぎいん選挙せんきょの１いち票ひょうの格差かくさをめぐっては、最高さいこう裁判所さいばんしょが最大さいだいで４よん．７なな７なな倍ばいだった３さん年ねん前まえの選挙せんきょを「違憲いけん状態じょうたい」と判断はんだんし、ことしの選挙せんきょでは、いわゆる合ごう区くが初はじめて導入どうにゅうされて格差かくさが縮小しゅくしょうしていました。

一連いちれんの裁判さいばんでは、これで５ご件けんの判決はんけつが言い渡いいわたされ、「合憲ごうけん」が３さん件けん、「違憲いけん状態じょうたい」が２に件けんと判断はんだんが分わかれています。

原告げんこくの弁護士べんごしグループ「全まったく理解りかいできない判決はんけつ」

判決はんけつのあと、原告げんこくの弁護士べんごしグループは裁判所さいばんしょの前まえで「保身ほしん判決はんけつ」と書かかれた紙かみを掲かかげました。久保くぼ利とし英明えいめい弁護士べんごしは、「これは判決はんけつともいえない保身ほしん文書ぶんしょとしか思おもえません。われわれが全まったく理解りかいできない判決はんけつです」と述のべました。そのうえで、最高さいこう裁判所さいばんしょに上告じょうこくする手続てつづきをとったことを明あきらかにしました。

ソース：NHK ニュース