News
Show Furigana

遺産いさん相続そうぞく預貯金よちょきん取り分とりぶんめぐり だい法廷ほうてい弁論べんろん

2016-10-19 08:41:24

遺産いさん相続そうぞくさい預貯金よちょきん取り分とりぶんをめぐってあらそわれている審判しんぱんで、最高さいこう裁判所さいばんしょだい法廷ほうてい弁論べんろんひらかれました。だい法廷ほうてい判例はんれいえれば、今後こんご家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱんでは、不動産ふどうさんなどの財産ざいさん預貯金よちょきんくわえ、遺産いさん全体ぜんたい対象たいしょうにして取り分とりぶんめられるようになります。
遺産いさん相続そうぞくじんによる協議きょうぎがまとまらない場合ばあい家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱん申し立もうしたて、不動産ふどうさん株式かぶしきなどの取り分とりぶんめることができますが、過去かこ判例はんれいで、預貯金よちょきん審判しんぱん対象たいしょうがいとされ、取り分とりぶんは「どもがいる配偶はいぐうしゃぶんいち」など、法律ほうりつ規定きていにしたがって相続そうぞくするとされてきました。

しかし、今回こんかいあらそわれている審判しんぱんでは、遺産いさん相続そうぞくまえ相続そうぞくじんいちにん多額たがく贈与ぞうよけていたため、もういちにん相続そうぞくじんが「預貯金よちょきん法律ほうりつ取り分とりぶんけると全体ぜんたいとして不公平ふこうへいになる」とうったえています。

これについて最高さいこう裁判所さいばんしょだい法廷ほうていいちにん裁判官さいばんかん全員ぜんいん参加さんかして弁論べんろんひらかれ、審判しんぱん申し立もうしたてたがわが「預貯金よちょきん審判しんぱん対象たいしょうにすべきだ」と主張しゅちょうしました。
一方いっぽう相手方あいてがたは「いま法律ほうりつでは、預貯金よちょきん審判しんぱん対象たいしょうにしないことが前提ぜんていとなっている」と反論はんろんしました。

これまでの判例はんれいでは、預貯金よちょきん家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱん対象たいしょうがいとされてきましたが、最高裁さいこうさいだい法廷ほうてい判例はんれい変更へんこうすれば、今後こんご家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱんでは、不動産ふどうさんなどほかの財産ざいさん預貯金よちょきんくわえ、遺産いさん全体ぜんたい対象たいしょうにして取り分とりぶんめられるようになります。

決定けってい年内ねんないにもされる見通みとおしです。

なぜ預貯金よちょきんあらそいになったか

今回こんかいのケースでは、相続そうぞくまえにん相続そうぞくじんのうちいちにんにだけ贈与ぞうよおこなわれていたことがあらそいのもとになりました。
資産しさんひとくなると、相続そうぞく権利けんりひとたちが「遺産いさん分割ぶんかつ協議きょうぎ」をおこなうことになります。

今回こんかいのケースでは、くなったえいさんの遺産いさん大半たいはん預貯金よちょきんで、がくはおよそよんぜろぜろぜろまんえんでした。遺言ゆいごんしょのこされていませんでした。
相続そうぞくじんび-さんとし-さんのにんで、民法みんぽうさだめられた「法定ほうてい相続そうぞくぶん」はそれぞれぶんいちずつでした。しかし、び-さんはえいさんがくなるまえにおよそぜろぜろまんえん贈与ぞうよけていました。このため、し-さんは、預貯金よちょきんについてはすべて自分じぶん相続そうぞくすることをもとめました。

これに対にたいしてび-さんは、「法定ほうてい相続そうぞくぶん」にしたがってぜろぜろぜろまんえんずつけるべきだという主張しゅちょうをしました。
このかただと、び-さんは生前せいぜん贈与ぞうよふくめるとおよそななぜろぜろまんえん受け取うけとることになるため、し-さんが審判しんぱん申し立もうしたてたのです。

過去かこ判例はんれいで、預貯金よちょきん遺産いさん相続そうぞくをめぐる審判しんぱん対象たいしょうがいとしてあつかわれてきたため、通常つうじょうであれば「法定ほうてい相続そうぞくぶん」にしたがってけることになりますが、し-さんは、不公平ふこうへいだとうったえました。
いちしんしんし-さんの主張しゅちょう退しりぞけましたが、最高さいこう裁判所さいばんしょは、判例はんれい変更へんこうなど重要じゅうよう判断はんだんしめ場合ばあいにだけひらだい法廷ほうてい審理しんりはじめました。

このため預貯金よちょきん審判しんぱん対象たいしょうがいとしてきた判例はんれい見直みなおされる見通みとおしで、預貯金よちょきん不動産ふどうさん株式かぶしきなどの資産しさんおなじようにあつかわれることになるとられます。

法制ほうせい審議しんぎかい民法みんぽう部会ぶかいではほう改正かいせい議論ぎろん

預貯金よちょきん相続そうぞくについて、法務ほうむ大臣だいじん諮問しもん機関きかんである法制ほうせい審議しんぎかい民法みんぽう部会ぶかいは、すでにほう改正かいせい議論ぎろんはじめています。

過去かこ判例はんれいでは家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱんでは預貯金よちょきんあつかえないとされていますが、一部いちぶ相続そうぞくじん生前せいぜん贈与ぞうよがあった場合ばあいなどに公平こうへいかたができないという指摘してきがあります。
実際じっさい審判しんぱんでは、相続そうぞくじん全員ぜんいん合意ごういられれば預貯金よちょきん対象たいしょうふくめているほか、金融きんゆう機関きかんでも、全員ぜんいん合意ごういがなければ法律ほうりつじょう取り分とりぶん引き出ひきだしにおうじないケースがおおく、実務じつむとのがある状況じょうきょうです。

こうしたことから、法制ほうせい審議しんぎかい民法みんぽう部会ぶかいは、預貯金よちょきん相続そうぞくについて議論ぎろんはじめ、家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱん取り分とりぶんめることができるとする民法みんぽう改正かいせい中間ちゅうかん試案しあんをことし6月ろくがつにまとめました。
法制ほうせい審議しんぎかい部会ぶかいは、今回こんかい最高さいこう裁判所さいばんしょ決定けってい内容ないようまえてさらに検討けんとうすすめる予定よていで、来年らいねんには民法みんぽう改正かいせい要綱ようこうあんをまとめたいとしています。
ソース:NHK ニュース